ラグビーW杯の優勝トロフィー  SHIBUYA109に降臨!

ラグビーワールドカップ(RWC)2019組織委員会は、日本大会の開催2年前に当たる9月20日、東京のSHIBUYA109イベントスペースで、「ラグビーワールドカップ2019 2 YEARS TO GO FESTIVAL オープニングセレモニー」を開催した。
大会の開幕戦が行われる東京のシンボリックな場所のひとつである渋谷の街中で実施し、大会の機運醸成を図るのが目的だ。

組織委の嶋津昭事務総長は「2年前のイングランド大会における、日本代表チームの大活躍を覚えている方も多いだろう。史上初となるアジア開催に向けて、全力で準備に努力している。皆さまとスクラムを組んで、全ての試合会場を満員にして大会を成功させたい」とあいさつした。
RWC総括責任者のアラン・ギルビン氏は「世界中のラグビーファンが日本に集結する。大会を通じて確かなレガシーを残したい。東京大会が革新的な大会になることを楽しみにしている」と期待感を示し、スポーツ庁の鈴木大地長官は「RWCの成功が2020年につながる。日本のもてなしを世界に発信したい。当庁も最大限努力する」と話した。

ステージにはゲストとして、タレントの武井壮さん、フリーアナウンサーの高島彩さん、モデルのローレン・サイさんの3人と、イングランド大会日本代表の堀江翔太、福岡堅樹の両選手が登場。センターのスタンドから、大会の優勝トロフィーであるウェブ・エリス・カップが姿を現すと、ゲストや観覧者から歓声が起きた。

トロフィーのネーミングの由来は、1823年に英国のパブリックスクールで、ウィリアム・ウェブ・エリス少年が、当時の原始的なフットボールのルールを無視してボールを持って走り、ラグビーの創始者になったとされるエピソードにちなんで名付けられた。
組織委では、渋谷を最初に同カップを全国各地で一般公開する「トロフィー・ロードショー」を実施。11月4日、大会決勝の会場「横浜国際総合競技場」で行われる「日本代表対オーストラリア代表」のテストマッチでゴールを迎える。

ゲストたちは、前回大会での日本代表の活躍について「試合を見返すたびに感動がよみがえる」「一夜にして、多くの日本人がラグビーのとりこなった」と絶賛。ゲストと選手の間では、「女性にもできるトレーニングを教えて」や「好きなラグビーのポジションは?」などQ&Aや、ボールを使ったパス交換も行われ和やかな雰囲気。
武井さんが、日本代表のトレーニングに参加志願すると、両選手からはOKの返事。「そこで能力が認められたら、代表にしてください」と会場を沸かせた。
両選手は「皆さんの応援が選手のパワーになる。ぜひ試合に足を運んでください」「東京大会を集大成に考えている。2020年につなげるためにも頑張る」とメッセージを述べた。
5人はセレモニーが終わっても、その場を去り難い様子で、優勝カップとの自撮りに興じた。

組織委は同日、「日本大会公式チケットサイト」(tikets.rugbyworldcup.com)をオープンし、チケットIDの登録受付を開始した。アジア初開催となる同大会では、全48試合・約180万枚のチケットが用意される予定で、2018年初旬に順次販売を開始する。
11月2日には試合日程発表会が行われるとともに、チケット価格を含む販売概要の詳細が発表される。
公式サイト:https://www.rugbyworldcup.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京広告協会が新事業「広告未来塾」開講

東京広告協会は10月25日から、新事業「広告未来塾」を開講する(来年3月16日まで全6回)。

広告未来塾

第1期塾長は、須田和博氏(博報堂)。「広告の未来のカタチ」をテーマに意見交換や質疑応答型の連携セミナーを行う。

広告主、媒体社、広告業から幅広く若手・中堅層(20~30歳代)を対象として受講生を募集する。激変する広告界で、今後の広告コミュニケーション領域でさまざまなイノベーションを創造し、可能性を広げていくことを学び、塾での研さんを通じて業界や企業を超えた共創・交流の場になることを目指す。

■概要・日程

第1期塾長:須田和博氏(博報堂ビジネスインキュベーション局エグゼクティブ・クリエイティブディレクター スダラボ代表)

テーマ:「広告の未来のカタチ」

第1回 10月25日(水)
「IoT時代の広告のカタチ」須田和博氏(博報堂)

第2回 11月22日(水)
「広告の基本(仮)」中島祥文氏(クリエーティブディレクター)

第3回 12月13日(水)
「テクノロジーとイノベーション(仮)」齋藤精一氏(ライゾマティクス)

(以後2018年)

第4回 1月17日(水)
「グローバル・マーケティングのポイント」大石芳裕氏(明治大学)

第5回 2月20日(火)
「プラットフォーマーとして(仮)」横澤大輔氏(ドワンゴ)

第6回 3月16日(金)
「アイディア」宮崎晋氏(博報堂)


■時間 各回とも午後7時~9時

■場所 電通銀座ビル8F会議室(中央区銀座7-4-17)

■定員 50人(応募多数の場合は抽選)

■受講料 会員社=2万5000円/6回分  非会員社・一般=3万円/6回分

■申し込み 東京広告協会ホームページから 

9月22日受け付け開始、10月10日締め切り

 

ドラマ、どんな見方をしてますか?


 

ビデオリサーチでは、「テレビ×ネット」の利用状況を機械式で測定し、企業のオフラインとオンライン、トータルでのコミュニケーション活動をサポートする「VR CUBIC」という調査を行っています(※1)。

この「VR CUBIC」調査で得られたデータを分析し、テレビドラマの視聴者をその見方ごとで分類した“ドラマクラスター”を開発したので紹介します。

六つに分類されるドラマクラスター

一口にドラマ好きといっても、ドラマを見るきっかけや求める要素はそれぞれ違うということは容易に想像できます。そこで、ドラマを全く見ない人は除外し、ドラマを実際に見る人たちについて分析したところ、六つのタイプに分類できることが分かりました。早速、一つずつ見ていきましょう。

①ドラマ大好きクラスター(11.0%)

注:()内はドラマ視聴者に占める当該クラスターのボリューム
ドラマクラスター ドラマ大好き

文字通り、ドラマが大好きな層で、F3・F2(※2)を中心とした女性層で構成されます。ドラマに関する情報収集が盛んで、クールごとに各局の新ドラマのラインアップをチェックしています。

また、リアルタイム志向が強く、視聴率への強い影響力があるとともに、ドラマに関する口コミ発信力もあり、他者を視聴にいざなってくれる役割も担ってくれるため、この層を攻略することは、ドラマの成否を占う上で非常に重要になってきます。番宣スポットや番組内告知が有効に機能する層ですので、その活用が必須です。

②脚本重視クラスター(6.3%)

脚本重視クラスター

原作や脚本、演出を重視するコダワリ派。この層もF3・F2を中心とした女性層で構成されます。やはりドラマに関する情報収集も盛んで、“ドラマ大好きクラスター”に次ぐ、視聴率に影響力を持つ層です。

“ドラマ大好きクラスター”と同じく、番宣スポットや番組内告知が有効なのですが、加えてEPG(電子番組表)の利用頻度も高いため、それらのコミュニケーションツールを上手に活用することが求められます。

③雑食録画クラスター(19.2%)

雑食録画クラスタードラマは、とりあえず録画しておき、ジャンルよりも主にキャストで視聴の有無を選ぶ、雑食系の視聴スタイルを持っている層です。
男女比率は半々で、F2・M2がこの層の中心です。

作品に対する思い入れはあまり高くなく、なんとなく習慣で見続けるタイプで、ドラマに関する情報収集度合も上記2層ほど熱量は高くありません。録画視聴が中心のため、視聴率への影響力は低い層になります。

④厳選録画クラスター(14.1%)

厳選録画クラスター
自分の好みのものだけを録画視聴する層です。男性比率がやや高く、M3・M2が中心になります。ドラマに関して一通りの情報収集はするものの、視聴する番組を自分の好みに忠実に選定する層で、具体的には刑事モノ・サスペンス・ミステリーなどの定番ジャンルが好きな傾向があります。

“雑食録画クラスター”同様、録画視聴が中心のため、視聴率への影響力は低い層となります。

⑤付き添い視聴クラスター (18.3%)

付き添い視聴クラスター
家族の誰かが見ているドラマを一緒に見る共視聴型の層で、M3が中心になります。ドラマへのこだわりは希薄で、強いて挙げるなら刑事モノ・サスペンス・ミステリーが好きな傾向があります。ただ、リアルタイム志向が強いため、結果的に視聴率への影響力を発揮する層ではあります。

⑥低関与クラスター (31.0%)

低関与クラスター
ドラマ全般に対する関心が低く、1クールに1本見るか見ないかといった程度で、M3・M2を中心として男性比率が高い層です。盛り上がっているものに追随する傾向は強く、“流行”や“話題性”には敏感に
反応を示す層なので、ネット上で“はやってる感”が伝われば視聴に至るかもしれません。

これら六つのクラスターをドラマ感度(≒ドラマ好き)軸と、
情報感度(≒ドラマ情報収集力)軸で整理すると、【図表1】のような形のプロットになります。
 

 

「逃げ恥」は回を重ねるごとにどのクラスターも取り込んだ

 

では、各クラスターの視聴者が実際にどのようにドラマを見ているのかを、昨年末に大ヒットした「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)のケースで見てみましょう。

【図表2】の棒グラフで、放送回ごとのリアルタイム接触率(※3)推移を確認することができます。実際のテレビ視聴率同様、回を追うごとに右肩上がりに推移していることが分かります。

各クラスターの接触率は折れ線グラフで示しておりますが、まず初回放送で “ドラマ大好き”“脚本重視”などの「ドラマ好きグループ』が反応していたことが分かります。

過去にも話題作に度々出演してきた新垣結衣さんが主演であることやコミック原作作品であることなどが影響していたのかもしれません。

その後、「恋ダンス」「ムズキュン」などがネット・SNS上で話題になったことも手伝ってか、2話以降は“付き添い”“低関与”などの「追随グループ」が反応しています。特に最終回の接触率上昇には、この二つの「追随グループ」が貢献していたことも分かります。

一方、“雑食録画”“厳選録画”は、他グループと比べてリアルタイム接触率自体は低い水準で推移しているものの、なだらかな上昇傾向は示しており、徐々にではありますが「なるべく早く見たい」という意識が芽生えて、リアルタイムで見るようになっていったようです。
 

逃げるは恥だが役に立つ
※右軸の各接触率はVR CUBIC調査で取得しているテレビ視聴データ

録画グループが話題の火付け役に

各クラスターの接触率の反応タイミングからクラスター同士の情報拡散の様子を類推すると、初回視聴の牽引役“ドラマ大好き”“脚本重視”の「ドラマ好きグループ』が火付け役となって、“付き添い”“低関与”といった「追随グループ」へと拡散していった様子が見受けられます。

また、“雑食録画”“厳選録画”などの「録画グループ」は、リアルタイム視聴には直結しにくいターゲットではあるものの、ドラマの話題性を獲得する上では重要なターゲットであることが分かります。

特に「逃げ恥」においては「恋ダンス」「ムズキュン」といったネット上での話題喚起が「追随グループ』へ働き掛けた可能性も高く、「ドラマ好きグループ』「録画グループ』の視聴感・話題提供がブームの火付け役となったと推察されます。


ドラマは、一部のシリーズものを除けば、放送局にとって3カ月に一度新商品に一新されるという、“短期決戦”商材です。この商材の特性上、初回~3話の視聴率でおおよその数字的なベースラインが見えてきてしまうこともあり、初回放送前に番宣スポットや番組内告知などを駆使してどれだけ認知を獲得し、視聴喚起できるかが各局のコミュニケーション課題となっています。


このドラマクラスターは、ドラマをより盛り上げるための切り口になると考えております。そこで、ここからは放送局がこの6タイプの視聴者にどのようにアプローチしていくといいのかを、タイミング別に整理してみます。

各クラスターへのアプローチ法とは?

<タイミング1:前期>初回放送まで
初回の放送が開始するまでに重点的にアプローチすべき視聴者は、初回放送の視聴率を左右する“ドラマ大好き”“脚本重視”の2クラスター。この2層に刺さっていればいるほど、初回視聴率はより高くなると考えられます。

“ドラマ大好き”はキャスト志向が強く、“脚本重視”は原作・脚本・演出などの周辺情報が刺さりやすい傾向があります。いずれの層も番宣スポットや番組内告知が届きやすいターゲットであるため、それぞれのクラスターにとっての訴求ポイントを切り分けて、違う宣伝・告知を考えるといいでしょう。

<タイミング2:中期>初回放送~3話にかけて
放送開始から3話にかけての注力顧客は、ドラマ全体の“評価”の鍵を握る上位4クラスター“ドラマ大好き”“脚本重視”“雑食録画”“厳選録画”。

リアルタイム視聴の“ドラマ大好き”“脚本重視”と、録画視聴の“雑食録画”“厳選録画”では、反応タイミングにこそ差はあるものの、ドラマに関する情報収集力もあり、放送局の仕掛けた“仕掛け”には反応し、拡散してくれる層です。特に“厳選録画”は、刑事・サスペンス・ミステリーなどのドラマのマーケティングに際しては有効活用したいターゲットです。

<タイミング3:後期>中盤~終盤にかけて
注力“顧客”は、ドラマ全体の視聴率を左右する“付き添い”“低関与”の2クラスターで、この2層でドラマ視聴者の実に49.3%とボリュームゾーンになり、中盤以降でこの層をつかまえられるかで勝負が決まります。

この2層は、自発的にドラマの情報収集をするわけではないのですが、「ドラマ好きグループ」との共視聴や「録画グループ』がSNSで拡散してくれた話題には反応する層です。「今話題の○○」「××ブーム」といった取り上げ方が刺さりやすいターゲットです。リアルタイム志向も高いので、ドラマ中盤以降での“中押し”番組を選定する際のターゲットとして規定するとよいと考えられます。

以上の話を表にまとめたものが【図表3】になります。

今回は「ドラマクラスター」の詳細を、放送局向けの事例として紹介いたしましたが、当社ではこのようなコミュニケーション領域における分析結果を基に、“打ち手”につながるソリューションを多数用意しております。放送局の皆さまに限らず、CRM活動・DMP構築、精度の高い広告配信セグメントの開発など、皆さまが抱えるデジタル課題についてもお手伝いができればと考えております。

お読みいただき、本当にありがとうございました!


※1:VR CUBICとは「テレビ×ネット」の利用状況を機械式で測定し、企業の行うオフラインとオンラインのコミュニケーション活動全般をサポートするシングルソースパネルです。
収集したログを用いて「テレビ×ネット」の重複接触を加味した広告キャンペーン全体の到達“量”を測定できるのはもちろん、モニターにアンケートを実施することもできるため、例えば、広告接触度合に応じてどのような態度変容が得られたのか、など広告効果の“質”の部分を測ることのできる仕様となっています。
 
本稿では、2017年1月にVR CUBICモニターに実施したドラマの見方に関するアンケート(N=3007s)において「ドラマは全く見ない」と回答した人を除いた2412sを対象に分析を行いました。
 
※2:ビデオリサーチの視聴率調査をはじめとするメディアでのターゲティング区分で、Mが男性(Male)、Fが女性(Female)を表し、20~34歳を1層、35~49歳を2層、50歳以上を3層として区分します。
性別を表すM/Fと、年齢を表す1~3層の掛け合わせで、性・年齢を表現しています。
M1:20~34歳の男性、M 2:35~49歳の男性、M3:50歳以上の男性
F1:20~34歳の女性、F2:35~49歳の女性、F3:50歳以上の女性
 
※3:当社で実施しているテレビ視聴率調査データとは異なるデータとなりますので、この名称にしています。
 

Q6 訪日観光客のSNSの接触状況は?

刻々とかわりゆく今の日本は、世界の人々の目にどう映っているのでしょうか? 日本の観光や食、製品などの“ジャパンブランド”は海外でどんな評価を得ているのでしょうか?

2017年2~3月に世界20カ国・地域で行った「ジャパンブランド調査2017」の結果を紹介しています。今回は「SNSの接触状況」です。


A. 中国・ロシア・マレーシアを除く全エリアで「Facebook」が1位。アジアでは「LINE」が上位に。

情報収集に利用しているミニブログ、SNSトップ3(タイトル)
情報収集に利用しているミニブログ、SNSトップ3(図表01)

訪日観光客に「情報収集に利用しているミニブログ、SNS」を聞いたところ、約8割のエリアで「Facebook」が1位、かつ中国以外のどのエリアでも、接触率が7割を超えるという結果になりました。自国独自のSNSが発達している中国やロシアは、それぞれ「WeChat」「VK」が9割以上でトップとなっています。

日本では利用率約6割の「LINE」(*)は、アジアなどの一部のエリアでトップですが、同じようなメッセージの送受信目的では、大半のエリアで「Facebook Messenger」が利用されていることが分かりました。

一くくりにSNSといってもそれぞれ特徴があり、使用目的や見るときの気分もさまざまです。各SNSの特徴も踏まえながら、この接触状況データを参考にしてみてください。

*LINE2017年7月決算会資料

情報収集に利用しているミニブログ、SNSトップ3(図表02)
情報収集に利用しているミニブログ、SNSトップ3(図表03)

<ジャパンブランド調査2017の概要>
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20歳~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B200ssずつ計400ss、アメリカは400ss、それ以外の地域は各200ss 合計4400ss
●調査期間:2017年2月13日~3月10日

電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。電通は経済産業省のクールジャパン機構(ファンド)へも出資。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。

海外のサイネージはこんなに面白い! ダイナミックDOOH事例集

デジタルテクノロジーの進化により、OOH(屋外広告・交通広告)も、変革の時を迎えようとしています。この連載では電通アウト・オブ・ホーム・メディア局(OOH局)のメンバーが、主にデジタルサイネージを中心とした屋外広告・交通広告の進化と可能性をお伝えします。

第2回はOOH局・浜田桂氏による「海外のダイナミックDOOH事例集」です。

日本でもダイナミックDOOHをやりたい!と思った2年前

前回、デジタルサイネージ事業の担当をしています、とお伝えしましたが、その一方で、2015年から電通イージス・ネットワークのOOH専門エージェンシーPosterscope(本社・英国)の日本でのサービス立ち上げにも携わりました。

ロンドンのPosterscopeから黒船としてやってきたベン(いつも黒い服を着ていて、大きい)にロンドンでのダイナミックDOOH事例を聞かされたとき、OOHってこんなこともできるのか! 日本でもやってみたい!と思ったことを今でも覚えています。

(※ダイナミックDOOHとは何か、については第1回を参照ください。)

あれから2年、日本でも少しずつダイナミックDOOH事例は増えてきていますが、今回は海外の事例をご紹介します。

ちなみにベンは、今も私の斜め向かいに座っていて、2年前は全く話せなかった日本語で「オハヨウゴザイマス」と毎朝言ってくれて、今や日本語の打ち合わせにも普通に出ています! 日本のダイナミックDOOHの普及率も、ベンの日本語の上達率並みに推移してくれればいいのに…と心から思っている毎日です。

思わず見てしまう

British Airways「 Look Up キャンペーン」

では、下記の事例をご覧ください。

British Airways「 Look Up キャンペーン」

British Airwaysの事例動画はYouTubeで覧いただけます。 

私の中で「これぞダイナミックDOOH!」と思うのがこの事例です。

ロンドンのビルの上にある大きなデジタルサイネージ。あれ、男の子がいるなと思ったら、彼が何かを指さして歩き始めます。なんと、指さしている先には、飛行機が飛んでいるではありませんか。

そして最後に、今まさに飛んで行った飛行機の便名、発着の都市名と共に、「More flight to more destination」というコピーが出ます。

さて、これを見終わって皆さん何を思いましたか?

私はまず「どっか行きたいなぁ…」と思いました。不思議ですね。飛行機というのは、多くの方にとっては、いつもと違う楽しいどこかに連れて行ってくれるもの。そんな飛行機と、そしてその飛行機がどこから来たかを見てしまったら、もう旅への欲求が抑えきれなくなる人もいるのではないでしょうか?

ちょっとBritish Airwaysのサイトで次の休みの飛行機でも調べてみるか、となるわけですね。

ではこのキャンペーン、どういう仕組みになっているのでしょうか?

British Airwaysの「フライトデータ」が使われていることはもちろんですが、単純に発着のデータを利用しているわけではなく、ビーコンで正確にどのタイミングで飛行機がサイネージの上空を通るかを把握しています。このタイミングだ! というトリガーで、子どもが立ち上がるようにプログラムされています。

そして、もう一つ使われているデータが、「天気」。つまり、いくらサイネージの上空を飛行機が飛んでいても、天気が悪ければ、子供が何を指さしているのかが分かかりませんよね。「今、この瞬間に飛行機がサイネージの上空を通り」かつ「必ず見えるタイミング」を複数のデータから確実に割り出しているのです。

このキャンペーンは、カンヌライオンズ2014のダイレクト部門でグランプリに輝きました。複数のデータが絶妙にナチュラルにクリエーティブ表現に結びついているのです。

この事例は、日本でも結構有名なのではないでしょうか。ダイナミックDOOHの話をすると、「あぁ、あの飛行機のやつね」とよく話題に上がります。英国でダイナミックDOOHの配信プラットフォームが構築され始める前の、先駆け的事例でした。

雨だって気持ちよさそうな

Dove「Just One Shower キャンペーン」

次もとってもナチュラルです。

Doveの事例動画はYouTubeでご覧いただけます。

これは、米ニューヨークのタイムズスクエアのサイネージで展開されたもので、「雨」にクリエーティブが連動する広告です。

雨、と聞いてみなさんどんな気持ちがしますか?

私の場合は、生々しい感想ですが、「カッパ着て自転車乗るのか…」です。息子の保育園は少し遠いので、自転車で行くしかないんですね、そして雨降ったらカッパ着るしかないんですよ…あー、面倒くさい(笑)。

でも、息子は違います。明日は雨だねぇ、と言うと「ふふふ、長靴とパンダさんの傘だね」と、うれしさをこらえきれない、という顔をします。余談ですが、息子は長靴が好き過ぎて、2歳のとき、1年の8割を長靴をはいて過ごしていました。晴天の真夏でも(笑)。

つまり、人によって、気持ちによって、「雨」への態度は変わるのです。いつから雨が嫌なものになってしまったんでしょうか…。

「濡れると困るから」「車が混むから」「自転車が滑りそう」、これは全部大人の事情です。本当は、濡れたっていいなら、急いで行かなくちゃいけない所がないなら、雨に濡れながら、水たまりに思いっきりジャンプしながら、るんるんと街を歩きたいな、と。このキャンペーンを見たときになぜか思ってしまいました。

まさしく、「今」雨が降っているときに、雨降るタイムズスクエアをバスルームに見立て、気持ちよさそうにシャワーを浴びる女性が、雨の印象を「何だか気持ちいいもの」にしてくれています。

雨が何だか気持ちいいものに思えた→あれ、使ってるこの商品も気持ちよさそう→これ使ったらいい気分になれるんじゃ? という想像をかき立てます。スタートがマイナスだったからこその、ギャップ萌えですね。

そしてもしこれをきっかけにDoveを使うようになったら、1日嫌なことがあっても夜にDoveを使ってシャワーを浴びると、何だかいい気分になれそうな気がしませんか?

このキャンペーンは、今そこにいる人の気持ちに寄り添うことを通り越して、今そこにいる人の気持ちをいい方向に変えてしまう、すてきなダイナミックDOOHだと思います。

そりゃ飲みに行っちゃうよね

ディアジオ「Grab a seat, It's Pimm's o'clock キャンペーン」

こちらをご覧ください。

ディアジオ「Grab a seat, It's Pimms o'clock キャンペーン」

ディアジオの事例動画はAdForumのサイトでご覧いただけます。

どうでしょうか? Pimm’sという商品は、日本ではあまりなじみがないのですが、さっぱりとしたリキュールで、暑い夏に英国では最初の1杯目のアルコール飲料として親しまれています。「とりあえず、生ビール」みたいな感じですね。

Pimm’sが展開したキャンペーンは、実に手が込んでいます。使っているデータは、その日の気温と天気、そしてパブの混み具合です。混み具合は、対象のパブに設置したビーコンを使って測定しています。

今日は飲みたい!!! という日、今近くでちょっと入りたいんだよ…でもこの辺のお店知らないなあ、知ってる所あるけど、空いてるかしら? という時は、皆さんにもありますよね?

そんなとき、パブから最も近くのデジタルサイネージに、その日の天候や気温に合わせた最適な「空き席情報」を表示してくれるのです。

これはまさしく、今のその気持ちに場所まで示して、寄り添った事例ですね。

ディアジオによるとこのキャンペーンにより、パブでのPimm’sの売り上げは、前年比13%増加。店舗によっては、94%もの売り上げ増になったところもあったそうです。

新しいおねだりの方法

Currys PC World「Spare the Act クリスマスキャンペーン」

こちらをご覧ください。

Currys PC World「Spare the Act クリスマスキャンペーン」

Currys PC Worldの事例動画はYouTubeでご覧いただけます。

皆さん、必ずや経験があると思います。家族、彼氏彼女、旦那さま、奥さまからのクリスマスプレゼント、きっと私の欲しいものは分かってくれているはず! ふふふ、楽しみ楽しみ♪と思ってクリスマス当日、「は?」欲しいのこれじゃないんですけど…。

要らないものをもらうと困りますよね…ちなみに余談ですが、私がもらった中で一番要らないプレゼントは、熊だか豚だか分からないブラジル土産の白い置物です。夫は、熊だ、と言い張りますが、私は豚だと思っています(笑)。こんなふうに、皆さんも何かしら「要らないもの」をもらった経験があると思います。

実は、このキャンペーン前の同社の調査では66%の人は、要らないプレゼントをもらったことがあり、なんとその総額は8億9000万ポンド(1ポンド=140円とすると、1246億円)にも及ぶそうです。衝撃。

でも、ダイレクトに欲しいものを指定するのはちょっと気が引ける…そんな方は多いと思います。そこで新しいおねだりキャンペーンを展開したわけです。

キャンペーン参加者は、「自分が本当に欲しいもの」と「おねだりする相手の普段の行動パターン」を登録。すると、おねだり相手がよく行きそうな場所でバスシェルターや道路沿いサイネージに「ジョニー、見て! レイラは、今年のクリスマスにボディーウオッシュが欲しいわけじゃないんだよ!」とレイラが本当に欲しいノートパソコンの商品画像と共に表示。しかも表示するために生成された画像は、参加者にメールでも届くので、SNSでシェアすることもできるわけです。

ダイレクトにこれが欲しい!と言われるよりも、もし街角で彼女からのおねだりを見たら、ちょっと心くすぐられませんか? キャンペーンに参加するときに必ずこの量販店で売っている商品を指定するので、おねだりされた人は簡単。そのお店に行けばいいわけです。

私も今年のクリスマスには、「豚の置き物が欲しいわけじゃないんだよ」というコピーとアクセサリーの画像でポスターを作って、家中に掲出するクリスマスキャンペーンを展開しようと思っています。

どうでしょうか? 気象データ、フライトデータ、ビーコン、参加者の投稿、商品情報…、いろいろなデータが見事なアイデアとクリエーティブに結び付いて、“たまたま”そのOOHを見た人の心をくすぐるすてきなキャンペーンばかりですね。

そして次回(最終回)は、皆さんが一番気になる日本のダイナミックDOOHの今について、お話ししたいと思います!

 

スポーツ観戦体験をデジタルで拡張する「J.LEAGUE」

スタジアム

デジタルがスポーツに革新を起こしている。生のスタジアム体験とデバイスでの視聴が、共にデジタルによって進化しているのだ。

その象徴がJリーグ。インターネット配信を行うDAZN(ダ・ゾーン)と今年から契約。さらに8月には、Jリーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」をリリースした。

そこにはどんな狙いがあり、どんな未来を描くのか。Jリーグチェアマンの村井満氏を招き、「Club J.LEAGUE」プロジェクトのプロデューサーを務める電通の渡邉典文氏と、開発ディレクションを担当した電通の坂本雄祐氏が話し合った。

写真左から、渡邉 典文氏(電通)、村井 満氏(Jリーグチェアマン)、坂本 雄祐氏(電通)
写真左から、渡邉 典文氏(電通)、村井 満氏(Jリーグチェアマン)、坂本 雄祐氏(電通)

デジタル視聴がスポーツ最大の魅力を担う

渡邉:今、グローバルではスポーツXデジタルの大きなうねりが起きています。さまざまなスポーツの放送権料が高騰していることに加え、ネットフリックスやDAZNのようなOTT(インターネットを通じた動画や音声などのコンテンツ・サービス、またはその事業者)がスポーツ中継に相次いで参入、視聴環境が激変しています。JリーグもDAZNと契約を結びました。村井チェアマンは、世界的なスポーツXデジタルのうねりと、OTTへの切り替えの関係をどう考えていますか。

村井:確かにグローバルのスポーツを見ると、デジタル技術との融合がどんどん進んでいます。ただ、JリーグでのOTTについては、そういった海外の流れよりも、自分自身の原体験に基づいているんです。誰にでもあると思いますが、スポーツの試合をライブで見られず録画するとき、「後で家で見るから試合結果は言わないで」と周りの人にお願いしますよね。あるいは、ニュースで結果を見ないよう気を付けながら家まで帰ります。そこから思うのは、やはりスポーツの良さは「同時進行のドラマをシェアすること」。結末を知ってから見るよりも、一緒に戦う感覚を味わいたい。そう考えたとき、スポーツ中継は、いつでもどこでもライブで見られるのが理想だと、ずっと思ってきました。

渡邉:ライブで見るのと、結果を知ってから見るのでは、興奮度が全く違いますよね。

村井:はい。その中でOTTサービスは、場所を選ばず、さまざまなデバイスで見られます。加えて、見逃し配信のサービスも充実しています。

渡邉:OTT以外にも、Jリーグではいろいろなデジタル戦略を行っていますよね。スタジアムに特殊なWi-Fiの設置を促進したり、試合中の選手の動きやプレーデータをデジタル化して各クラブにフィードバックしたり。また、昨年のJリーグYBCルヴァンカップ決勝戦では、キヤノンの「自由視点映像生成システム」を使い、試合中のリプレー映像を360度どこからでも自由に見られるという試みを行いました。

村井:「本当にファンの方に見てもらいたいもの」を提供したいのです。例えば、プロのサッカー選手がどのくらいのスピードでダッシュをするのか。パスの初速が毎秒8メートルと9メートルではどのくらい違うのか。これらをデジタルで表すなどして、臨場感を再現しながら伝えたいですね。

渡邉:Jリーグが掲げる五つの重要戦略の一つにも「デジタル技術の活用推進」があります。プロスポーツ選手のスピード感や技術の可視化や体感は、ファンにとってうれしいことですし、それをデジタルのアプローチで進めているということですね。

村井:観戦するファン、サポーターにとっては、気付いたら試合の中に自分が入って疑似体験しているのが理想であり、スポーツ観戦の究極の醍醐味(だいごみ)です。プレーヤーと観客、視聴者が分かれているのではなく、共に試合に参加している状況をつくりたい。その実現のためにデジタルは極めて有効だと思います。

村井 満氏
村井 満氏

新アプリが目指す「スタジアム体験の最大化」とは

渡邉:今回、Jリーグと電通で公式アプリ「Club J.LEAGUE」を開発しました。コンセプトは「スタジアム体験を最大化する」こと。一番価値があるのは、やはり試合を生で観戦する瞬間であり、その盛り上がりは他にないものです。そこでこのコンセプトの下、約1年半をかけてアプリを企画・設計・開発しました。

坂本:Eコマースサイトやスマホアプリなどを開発するときにいつも意識することなのですが、商品に出合って気持ちを高めるところから、商品が届いて使用する瞬間、さらにはもう一回買いたいと思うまでの体験を一連で設計することが重要になってきています。Jリーグでも同じように、試合会場にいる時間だけでなく、当日の朝起きた瞬間から、お昼を食べる時間、もっといえば、ふとした会話などから試合を観戦したくなり、実際に見に行った後、試合後の帰路で会話をしながらまた行きたくなる…。そういったサイクルを一連でつくれればと思い、このアプリを開発していきました。

村井:全国に54のクラブが散らばるJリーグの観戦は、新たな“遍路”なんですよね。もちろん各地での“記憶”も大切なのですが、それとセットで、いつどこでどの試合を見たかという“記録”がデジタル上に残るのが大きい。しかもそれがいつも身近なアプリにあることがありがたいですね。

渡邉:特に今回は、「ファンが新たなファンを誘う」という仕組みがアプリの大きな特徴です。新しい人を誘うには、やはり既存ファンの持つ熱量が有効。大きな広告を打つよりも、熱量を持ったファンに誘われた方が「新しい人を動かせる」と感じたんです。そこで、スタジアムにチェックインするとアプリにメダルがたまり、三つたまれば、新しい人を誘うための無料ペアチケットを抽選でもらえる、という仕組みが生まれました。

村井:今回、私が参考にしたのはスキー客です。スキー客のデータを分析すると、小さい頃にスキーをやった人は、自分が親になった時にスキー場に戻ってくる傾向があります。そういった誘い誘われのサイクルをつくりたいとJリーグでも考えていました。一度誘われた経験があれば、その人は将来誰かを誘うかもしれません。ただ、既存ファンから誘われる際の熱量があまりに高過ぎると、新しい人は尻込みしてしまうこともある。もっとライトに、日常の会話から軽く誘えるようなフックが必要です。その点で、今回のアプリの仕組みは正しい方向性だと考えています。

渡邉:さらに、スタジアムの中での体験もより増大するのではないでしょうか。というのも、「ポケモンGO」では複数のプレーヤーで敵を倒すシーンがあり、海外では、その場面でよくプレーヤー同士が話し始めるようです。Jリーグでも、スタジアムに来たとき、試合の内容はもちろん、アプリにもフックがあれば、ファン同士の会話や交流も生まれやすくなりますよね。

村井:隣の人とアプリでデータを交換したり、アプリ内の情報を一緒に見て話したり。そういう状況が生まれれば、隣の席に座っている人は他人ではなくなります。「あのゲートの下に行けばアプリで特典をもらえる」という話題になったり。アプリにさまざまな仕掛けをすることで、ライブ系の出会いにつながりますね。

渡邉:デジタルによってライブ感を高めることも、スタジアム体験の最大化だと思います。

村井:大切なのは、ある種の共通項におけるライトなシェアリングです。大げさな共通項で仲間を寄せようとすると、その属性に含まれない人との不都合が生まれてしまう。ライトに日常的なコンテンツを共有できれば、スタジアムでの出会いが生まれ、誘い誘われも増えていきます。

渡邉:そうやって観戦する人が増えれば、より盛り上がりますよね。

村井:スポーツはライブエンターテインメントであり、結末の分からない同時進行のドラマを一緒に見るのは大きな価値です。そう考えると、歌舞伎やオペラもライブエンターテインメントであり、スポーツとの共通項があるかもしれません。そういった共通項から多くの人を誘い、知らない人と現場で楽しんだり、ライブ感の高い生きざまを一緒に感じたりすれば、社会としてもより良いものになるはず。それを、デジタルによってサポートしていきたい。

渡邉 典文氏
渡邉 典文氏

Jリーグのアプリがパートナー企業の課題解決に

渡邉:Club J.LEAGUEでは、明治安田生命やイオンといったJリーグのパートナー企業と連携したのも大きな特徴です。設計段階から共同で企画をし、アプリに蓄積される各種データを共有することで、パートナー各社の課題解決も同時に行える形をつくっています。

坂本:多くの企業が、今デジタルマーケティングに注目しています。多様なデータを把握すれば、既存顧客のロイヤリティーを上げ、また新規顧客の獲得にもつなげられるのではないかと考えられているからです。ただ、そこには「サービスとデータ」に関する大きな二つのハードルがあります。一つは「データを取得するために、サービスをどれだけの人にどれだけ使ってもらえるか」。もう一つは「顧客満足を高めるために、そのデータをきちんとサービスとして還元し続けられるか」です。今回のアプリは、この二つのハードルを越えるべく、パートナー企業と協力して開発を進めました。

村井:今回特にうれしかったのは、パートナー企業と一緒にアプリ開発ができたことです。私たちオーガナイザーとパートナー企業は、得てして対面する関係になりがち。それを、一緒になってリーグや街をどうすれば元気にできるか、共同で考えられたのは大きかったですね。スポーツ界のパートナーシップの在り方として、将来の提案になる気がします。

坂本:リーグとパートナーが協同して、リーグの価値を上げてファンにいい体験を提供し、そこで得られたデータをパートナー企業が事業に生かしていく。このようなパートナーとのサイクルをつくれた事例はまだまだ少ないと思います。

渡邉:Jリーグの枠だけではリーチできないところにも、明治安田生命を筆頭に、パートナー企業の力を借りてアプローチできるようになることも、大きなポイントですよね。

村井:それと、今回の設計のポイントは、アプリをリーグ共通のプラットフォームとして一元化したことです。小さなクラブが、自分たちでゼロからアプリを開発するのは大変ですから、リーグが基幹プラットフォームのアプリをつくり、それをチューニングしていけば、クラブは重複投資しなくてよい。クラブとリーグが補完関係になっています。

渡邉:Jリーグとして一元的にアプリの基礎をつくりつつ、各チームにおけるファンとの接点はクラブが独自で工夫できるようにする。そのバランスも特徴ですね。

坂本 雄祐氏
坂本 雄祐氏

次の25年、サッカーを通じて各地域に貢献するために

渡邉:今後、Jリーグとしてはスタジアム体験の幅をどこまで広められるでしょうか。もしかすると5年後には、VR中継でスタジアムの臨場感を体験できたり、あるいは今回のようなアプリが会員証となってスマートパス化されたり。そんな可能性もあるでしょうか。

村井:VRについては、すでに7月22日の鹿島×セビージャ戦で配信しており、いずれはサービス化できると思います。その他のサービスについても、急速に進んでいくでしょう。そもそもOTTでの試合中継自体、1年前には想像がつかなかったもの。すごいスピードで進化できると考えています。

坂本:試合におけるスタジアム体験が先鋭化する一方で、地域への貢献や活性化も、デジタルを通して起きてくるのではないでしょうか。

村井:それはぜひ取り組みたいですね。例えば教育でも、学校だけでなくスポーツが教えられることはいろいろあります。チームでの責任やあきらめないことの意義など。これもアプリを使って、選手が地元の子どもに語り掛けるなどの手法があり得るのではないでしょうか。さまざまな社会課題がありますが、サッカーを通じて課題に向かい、地域社会に貢献することが、Jリーグや明治安田生命といったパートナー企業の思いです。ですから、スタジアム周辺から入って、各地域が抱える課題を解決していきたいですね。デジタル技術を使えば、いろいろなアレンジが地域ごとにできると思うんです。

渡邉:Jリーグではスマートスタジアム推進事業を行っていますが、そこで蓄積されたデータを地域で活用してもらうことも考えていますよね。

村井:はい。私たちとしては、蓄積されたデジタルデータを社会還元することでオープンイノベーションが生まれればうれしいですね。来年でJリーグは25周年を迎えますが、地域密着型を目標にスタートして、この四半世紀で54クラブに裾野を広げることができました。次の四半世紀は、クラブのホームタウン活動を通じて、社会をより良くする流れを提示していきたい。そのために、デジタル技術はなくてはならないものです。

 

Club J.LEAGUEロゴ

スタジアム体験を向上させるためのJリーグ公式アプリ。好きなクラブのニュースを見る、試合のチケットを買う、グッズを買う、Push通知で試合速報を受け取る、といった機能だけでなく、試合観戦に行けば行くほどオトクな特典がもらえるロイヤリティープログラム「明治安田生命Jリーグチャレンジ」やスタジアムWi‐Fiに接続してDAZN(ダ・ゾーン)が無料で視聴できる「スタジアム限定動画機能」も搭載。

試合を観戦したり、さまざまなミッションをクリアしたりすることで貯められるメダルを集め、抽選に当たると、まだJリーグ観戦をしたことのない友達を誘えるペアチケットがもらえる。

さらにランクに応じて、Jリーグや各クラブ、パートナー各社によるキャンペーンにも参加可能になる。ファン・サポーター同士だけでなく、リーグ、クラブ、パートナーとのつながりを創り出し、Jリーグのファン・サポーターを拡大していくことを目指している。

Club J.LEAGUE(Jリーグ公式アプリ)画面
Club J.LEAGUE(Jリーグ公式アプリ)画面
Club J.LEAGUE(Jリーグ公式アプリ)画面
Club J.LEAGUE(Jリーグ公式アプリ)画面

キリンビール“社員”の香川さん  「のどごし ZERO」のプレゼンで熱弁

キリンビールは9月19日、新商品「キリン のどごし ZERO」を新発売し、東京・文京区のベルサール飯田橋ファーストで、商品・新CM発表会を行った。
新商品は糖質、プリン体、人口甘味料をいずれも“ゼロ”としながら、のどにグッとくるコクと爽快なキレを実現したアルコール飲料。
同日からは、俳優の香川照之さんを起用した新CM「香川、感動する」編の放送を開始した。クリスタルキングの楽曲「大都会」をバックに、おいしさに驚く香川さんの表情を描いた。
キャッチコピーは「日本にはうまいゼロが必要だ。」。
また、ユーチューブでは2週間限定で、香川さんの「喜ぶ」「慌てる」「浸る」など多彩な表情を紹介する日替わりウェブCM「6秒香川さん」を公開する。

マーケティング部の川﨑篤史主務は「当社は健康意識の高まりに向け、さまざまなゼロ系商品を提案してきた。近年、幅広いお客さまが日常的に選ぶ飲料として定着している。大好きなビールをごくごく飲みたいが健康に気を付けたい、おいしさに妥協したくないという期待に応えるべく同製品を開発した」とあいさつ。「製品とマーケティング戦略の詳細について、入社以来、その辣腕で社内に新しい風を吹き込んできたシニアエグゼクティブマーケティングディレクターの香川よりご説明します」と、ステージに香川さんを呼び込んだ。
キリンビール社員としてスーツ姿で演台に立った香川さんは、「商品概要ならびに今後のマーケティングプランに関するご説明を申し上げます。お時間は15分ほどを想定しております。熱を帯びた場合は…最大延長8時間ほど覚悟してください」とジョークを交えながら、キレのいい口調でプレゼンテーションをスタートした。

香川さんは「糖質、プリン体カットでも、もっとおいしいものが飲みたい。こういう強いニーズがあることが改めて浮き彫りになった。これまでお客さまにご満足いただける商品を提供できかったことを深くおわび申し上げます」と話し「本当は土下座したいくらい」と、自身がドラマで演じた役を連想させるコメントと「当社として100%、いや200%、いや500%の自信を持って、世の中にお届けする」「うまいゼロ。ゼロは倍にしても、100倍にしても、答えはゼロです!」など、ドラマのセリフをアレンジしたキーワードを盛り込み会場を和ませた。

無類のビール好きを自認する香川さんは、休みのないハードな生活の中で、ビールを飲むことがなによりの楽しみだと明かし、映画の撮影で中国に5カ月間滞在した時、冷たいビールを注文するための中国語を最初に覚えたというエピソードも披露した。
プレゼンテーションの緊張でのどが渇いた香川さんは、「最後は乾杯で新CM発表会を締めたい」と述べ、「キリン のどごし ZERO」をグッとのどに流し込みながら「うまい!!」と満面の笑みを見せた。
公式サイト:http://www.kirin.co.jp/products/beer/nodogoshi-zero/

 

 

 

 

タイムシフト視聴率 9/4~9/10 ─ 勢いで決めたことを後悔しないために後からジタバタする ─

ビデオリサーチの視聴率調査データから、「9月4~9月10日のタイムシフト視聴率・総合視聴率5」をリサーチボーイがお届けします。

リサーチボーイ

カンナさんは、
勢いで決めたことを後悔しないために後からジタバタする
タイプらしいですが、そういう進め方もいいですよね!


TBS「カンナさーん!」第9話 より

< タイムシフト視聴率5 >

1▶︎12.5%:コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]15.4% [総合視聴率]25.5%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/9/4(月):21:00-54分間

2▶︎9.3%:過保護のカホコ

[視聴率]9.9% [総合視聴率]17.8%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/9/6(水):22:45-60分間

3▶︎7.0%:火曜ドラマ・カンナさーん!

[視聴率]7.9% [総合視聴率]14.4%
 放送局:TBS、放送日:2017/9/5(火):22:00-54分間

3▶︎7.0%日曜劇場・ごめん、愛してる

[視聴率]9.8% [総合視聴率]15.9%
 放送局:TBS、放送日:2017/9/10(日):21:00-54分間

5▶︎6.7%:連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]21.5% [総合視聴率]26.9%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/9/4(月):8:00-15分間

< 総合視聴率5 >

1▶︎28.1%:連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]22.9% [タイムシフト視聴率]6.3%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/9/6(水):8:00-15分間

2▶︎25.5%コード・ブルー・ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]15.4% [タイムシフト視聴率]12.5%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/9/4(月):21:00-54分間

3▶︎19.4%世界の果てまでイッテQ!

[視聴率]16.5% [タイムシフト視聴率]3.9%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/9/10(日):20:28-56分間

4▶︎18.5%行列のできる法律相談所

[視聴率]18.0% [タイムシフト視聴率]0.6%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/9/10(日):21:30-54分間
 

5▶︎17.8%:過保護のカホコ

[視聴率]9.9% [タイムシフト視聴率]9.3%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/9/6(水):22:45-60分間

 


期間:2017年9月4日(月)~9月10日(日)
地区:関東地区

▶︎タイムシフト視聴率と総合視聴率の定義については、ここからご覧いただけます。
▶︎上記以外の番組についてもご覧になりたい方は、ビデオリサーチのサイトからご覧いただけます。

【禁】無断転載
転載に関するお問い合わせは以下までご相談ください。
株式会社ビデオリサーチ 
コーポレートコミュニケーション室
Tel  03-5860-1723(直通)

Q5 やりたい訪日旅行スタイルは?

刻々とかわりゆく今の日本は、世界の人々の目にどう映っているのでしょうか? 日本の観光や食、製品などの“ジャパンブランド”は海外でどんな評価を得ているのでしょうか?

2017年2~3月に世界20カ国・地域で行った「ジャパンブランド調査2017」の結果を紹介しています。今回は「やりたい訪日旅行スタイル」です。


A. 欧米では「日本人の間で流行っていることを真似してみたい」、東アジアとASEANでは「観光スポットを周遊」が上位

日本でやりたい旅行スタイル(タイトル)
日本でやりたいこと(図表01)
日本でやりたいこと(図表02)
日本でやりたいこと(図表03)
日本でやりたいこと(図表04)
日本でやりたいこと(図表05)

ドイツ、ロシアを除く欧州諸国と北米では「日本人の間で流行っていることを真似してみたい」が、東アジアとASEANでは「主要な観光スポットを周遊したい」が1位となりました。

2位以下の上位項目を国別に細かく見ると、インドネシアでは「自国の有名人や友人がSNSに挙げていた場所を巡ってみたい」(2位)、フィリピンとロシアでは「家族・友人・知人と体験を通じて思い出をつくりたい」(いずれも2位)、香港では、「リゾートホテルなどの施設に滞在し、のんびりしたい」(2位)がそれぞれ高く、旅行スタイルでも各国の特色がうかがえます。

この項目は、今年初めて調査した内容でしたが、日本人の生活そのものへの興味の高さや、訪日観光におけるSNSのパワーを改めて感じる結果となりました。


<ジャパンブランド調査2017の概要>
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20歳~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B200ssずつ計400ss、アメリカは400ss、それ以外の地域は各200ss 合計4400ss
●調査期間:2017年2月13日~3月10日

電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。電通は経済産業省のクールジャパン機構(ファンド)へも出資。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。

ハーバードのデザイン教育

後輩の各務太郎くんは電通を卒業し、アメリカの大学院で建築を学び直すと言います。そして将来はいわゆる設計事務所ではなく、デザイン思考のコンサルティングファームで活躍したいということです。

こんなことを書いたのは連載32回目、2014年5月29日のこと。年を取ったせいか3年前が昨日のようですが、この各務さんが今年ハーバード大学デザイン大学院を修了しました。そこでモノゴトをより上位のレイヤーで考える「メタ思考」を志しつつも、お酒の飲み過ぎで会話が支離滅裂になる「メタメタ会」のメンバーが久々に集結。お祝いの宴は始まったのでした。

yakiniku

山田:ハーバードの建築って「デザイン大学院」なんだね。ここで教わる「デザイン」って、何か特徴があるの?

各務:日本にはデザインという言葉が2回輸入されたと言われています。ひとつは明治時代に「設計」という意味で、もうひとつは戦後「スタイリング」という意味で入ってきました。

今、日本でデザインと聞いて頭に思い浮かべるものは、一般的には後者の方、すなわち「見てくれ」の領域だと思います。ハーバードにおけるデザインは、実は前者の方だったんです。だから「情報を伝えるため」のグラフィカルなデザインは一切教えられず、建築、都市計画、ランドスケープの3領域を主軸に置いた社会システムの「設計」にフォーカスしていました。

山田:そういえば菊竹清訓『代謝建築論』では、有名な「か・かた・かたち」で建築のデザイン、つまり設計について論じているもんね。正直、ぼくには難しくて分からないところもあったけど。

各務:社会システムの「設計」という意味で一番印象に残っているのは修士課程が始まって最初の週の講評会でした。私は日本でやってきた通り、大きな建築模型、CG、設計意図を示すダイアグラムをそろえて自慢げに案をプレゼンしたのですが、それに対する教授陣の一言めのコメントに度肝を抜かれたんです。

「デザインはいい。でもこれ誰が払うの?」

極端な話をすれば、建築家の仕事は「お金を集めること」と「建物を設計・監理すること」に二分されます。ところが50%を占めるこのマネタイズに関して、日本の建築教育は完全にスルーしています。その結果、大学の製図課題で驚くほど優秀だった人も、卒業後独立して全然仕事を引っ張ってこれず、こじんまりとしたプロジェクトでなんとか食いつなぐ、と言った状況を頻繁に目にします。

アメリカの建築教育では、その建築が建てられるまでのお金の動き、テナントの質、そこで行われるアクティビティーの事業継続性も込みでプレゼンを要求されます。特に都市計画学の教授の3割は、公共政策大学院の教授も兼務していて、いかに政府を巻き込んで資金調達するかが、都市デザインに大きな影響を及ぼすかという点について大学全体が理解していることがうかがえました。

考えてみれば当たり前のことなのですが、お金の話をすることを汚いことだと考える日本のデザイン教育と比べると、非常に印象的な出来事でした。

山田:へぇ! ついこの前、公共政策学についてコラムを書いたばっかりだよ。で、具体的には講義の中でどんな「課題」が課せられるの?

各務:ハーバードの設計課題は、教授が1人当たり約15人ほどの学生を受け持つ「スタジオ型教育」を行っています。この小さなグループで約4カ月にわたって、ひとつの敷地をリサーチし、白熱した議論を交わし、各自設計を行います。日本でもこの教育をする大学はありますが、圧倒的な違いは、そこにリアルなクライアントがいることです。

例えば私の修士課程最後のスタジオのスポンサーはNASAでした。課題は「50年後のNASAの働き方を設計してください」のひと言。私たち学生は、実際にJPL(ジェット推進研究所)というロサンゼルスのNASAの研究施設に1週間招待され、研究員とディスカッションを交わし、彼らの働き方を分析することから始めました。

私自身は、この数十年間、NASAが国から与えられてきた予算とその内訳に興味を持ち、そもそも50年後、NASAは宇宙を探求していないだろうという仮説を立てました。現政権の予算配分や世の中の流れとして、宇宙開発よりも地球の環境保全への関心が圧倒的に高まっていたからです。私は結論として、NASAは宇宙開発を通して培ってきた極限地域(無重力空間、火星や月など)で生存するための技術を、地球上の極限地域(海中、砂漠や南極など)に応用し、人類の生存可能区域を拡大するための事業を進めると考え、XSXL(Extreme Situation Experimental Laboratory:極限状態実験ラボ)という施設を設計しました。

日本では普通、教授が恣意的に指定した敷地に対して「美術館を設計する」といった限定的な課題が出ます。実際のクライアントやスポンサーもなく、抽象的な概念論が中心になることが多い。

ところがアメリカでは、教授からは何を設計するかを指定されません。つまり、何を課題と捉え、何を設計すべきかを主体的に考えることを目的にしているのです。それも実際のクライアントのリサーチを通して、現実的に考える。だから大学を出た後に、解決すべき課題を自分自身でつくり、潜在的なクライアントを自ら探し出すスキルが身に付くのだと思いました。

Mr. Kagami
ハーバード大学院の食堂にて。担当教授フロリアン・アイデンバーグと最終模型を囲む各務さん

山田:ずいぶん実践的なんだね。各務さんは電通でコピーライターとして活躍してたじゃない? その時身に付けた頭の使い方とかは、役立った?

各務:そんな活躍してないですけど(笑)。コピーやCMに関して先輩方から教わったことは、企画には“What to Say (何を言うか)”と“How to Say (どう言うか)”の2ステップがあること。これは図らずもデザインでも同じプロセスがあり、“What to Design (何をデザインするか)”と”How to Design (どうデザインするか)”という全く異なるフェーズがあります。

前述の通り、問題解決よりも問題提起に重きを置くハーバードでは、”What to Design”に時間を割くことが多く、これは広告企画脳が直接的に役に立ちました。建築を建てないという選択をすることも、建築家の仕事の一部である、という発想は、広告業界で言うところの「オリエン返し」のスピリットだと思います。

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メタメタ会のメンバー

そんなこんなを話す各務くんに、メタメタ会のメンバーがからみ、気がつけばすっかり夜更けでした。やっぱりこの会社の仲間は楽しいなぁ。

どうぞ、召し上がれ!

コンセプトのつくり方

ラジコ NHKラジオの実験配信を発表

インターネットでラジオの配信サービスを展開するradiko(ラジコ)は9月20日、NHKラジオの実験的な配信を10月2日から開始すると発表した。
今回の試みは、「NHK・民放連共同ラジオキャンペーン」の一環で、NHKラジオの配信は初となる。

配信期間は、10月2日午後0時ごろから2018年3月30日までで、無料で聴取できるエリア内でのライブ(同時配信)のみとなる。配信エリアは、関東広域(1都6県)、福岡県域、宮城県域、広島県域、愛媛県域の5エリアで、配信コンテンツは、NHKラジオ第1(5エリア5コンテンツ)、NHKラジオ第2(5エリア1共通コンテンツ)、NHK FM(5エリア5コンテンツ)。なお、ラジコの「エリアフリー聴取(ラジコプレミアム)」(有料/配信エリア外聴取)、「タイムフリー聴取」(無料)での配信はない。


現在、ラジコは、民放ラジオ86局と放送大学が参加し、月間ユニークユーザー1000万人、1日のユニークユーザーが100万人を超える。また、14年4月開始の「エリアフリー聴取(ラジコプレミアム)」(有料/配信エリア外聴取)のプレミアム会員数は約44万人(2017年9月現在)、さらに16年10月開始の「タイムフリー聴取』」無料)の実証実験では、月間ユニークユーザーが約240万人(17年9月現在)に上る。


ラジコは「ラジオの存在意義をより高めるために、聴取環境を整え、ネットとの連携によって、新しいラジオの楽しみ方を提案することで、ラジコユーザー(=ラジオリスナー)を拡大し、ラジオの媒体価値向上を目指す。音楽と人、エンターテインメントと人、テクノロジーと人、 広告と人、地域社会と人、こうした関係全てをつなぐオーディオ・プラットフォームをつくるのがラジコの未来像だ」としている。
公式サイト:http://radiko.jp/

 

第60回「日本雑誌広告賞」決まる

日本雑誌広告協会はこのほど、第60回「日本雑誌広告賞」受賞者を発表した。経済産業大臣賞にはパルファン・クリスチャン・ディオール・ジャポン、総合賞はパナソニックに決定した。また、広告賞運営委員会特別賞をビームスに贈る。

パルファン・クリスチャン・ディオール・ジャポン

審査対象期間は、昨年7月1日から今年6月30日に掲載された広告作品で、雑誌広告協会加盟の出版社から提出された3408点から数次にわたる選考委員会を経て264点を選出、9月5日、協会が委嘱した審査委員8人による審査の結果「経済産業大臣賞」「総合賞」と各部門別の入賞作品を決めた。

経済産業大臣賞、総合賞を含む各部門の金賞、銀賞作品計30点および広告賞運営委員会特別賞の入賞作品は、11月7日に文京区の東京ドームホテルで表彰する。11月17日には、大阪の太閤園で発表会を開く。

金賞受賞広告主、商品名またはテーマは次の通り。

第1部

A:キユーピー「キユーピー マヨネーズ」
B:シャネル「チャンス」
C:エルメスジャポン「HERMÈS GRANDEUR NATURE  エルメス、大いなる自然に包まれて」
D:パナソニック「パナソニック ソーラーランタン」
E:花王「トイレクイックル」
F:パナソニック「聞き間違えない国語辞典」

第2部(タイアップ)

A:日本みかん農協「デコポン」
B:ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング「着帽手当 by CLEAR」
C:ビームス「40周年企業広告」
D:ソニー「ソニービル」
E:タカラトミー「LiccA Stylish Doll Collection」
F:スカパーJSAT「The Scene of SPORTS」

第3部(シリーズ広告)

三和酒類「いいちこスーパー」

第4部 (マルチプル・特殊加工広告)

パルファン・クリスチャン・ディオール・ジャポン「ディオール アディクト ラッカー スティック」

第5部 (小スペース広告)

名古屋鉄道「博物館明治村」

A.食品・飲料・医薬品部門  B.コスメティック部門 C.ファッション・ジュエリー部門 D.家電・光学機器・自動車関連部門 E.生活・趣味・住宅・エネルギー関連部門  F.金融・サービス・情報通信・その他部門

 

 

船橋に「ポケモンカードステーション」オープン  「メイプル超合金」の安藤さんは“カビゴン”?

9月16日、千葉県船橋市の「ららぽーとTOKYO-BAY」にポケモンカードゲームの常設スペース「ポケモンカードステーション」がオープンし、発表会が開催された。
同ゲームは、ポケンモンのキャラクターやアイテムが描かれたカードを使い、相手と1対1で戦うトレーディングカードゲーム。
デッキと呼ばれる60枚のカードの組み合わせや戦略により高度なバトルが楽しめることから、1996年の発売以来、幅広い年齢層に支持され、これまでに世界74の国と地域で販売されている。
ステーションでは、いつでも気軽にポケモンカードゲームが楽しめ、遊び方についてコンシェルジュのアドバイスを受けられる他、関連イベントも毎日開催される。

会場では、ゲストとして、ポケモンカードゲーム拡張パック第4弾のテレビCMに出演しているお笑いコンビ「メイプル超合金」が紹介されるも、登場したのはカズレーザーさんとピカチュウだった。
カズレーザーさんが「最近、子どもの人気がないから、ピカチュウをヘッドハンティングしてきた。ウケがよくてありがたい」と真顔でコメントすると、安藤なつさんが遅れて姿を見せた。

安藤さんは「体型が似ているからって間違えるんじゃないよ!」とツッコみながら、1時間かけて仕上げたピカチュウのメイクと尻尾つきのコスチュームを披露したが、カズレーザーさんは「メイクがぜんぜん仕上がってない。世界的に人気がある『ピカチュウ兄さん』のほうがいい」と冷たくあしらった。
CMについて周囲の反応を聞かれたカズレーザーさんは「大のポケモンファンとして知られる、トレンディエンジェルのたかしさんからの嫉妬がすごい。当たりがキツくなった」と近況を報告した。

前日に発売されたポケモンカードゲーム拡張パック「覚醒の勇者」「超次元の暴獣」を使った運だめし勝負では、希少なGXカードを引き当てた安藤さんの勝利となったが、偶然手にしたカードを目にした安藤さんは「ブーピッグが私に似てる…紫だし」と感動の表情を見せた。また、ポケモンGOをプレイしている人からカビゴンに間違われ捕獲されそうになったエピソードにも触れ、会場を沸かせた。

公式サイト:
http://www.pokemon-card.com/info/2017/20170903_000880.html

 

 

加賀市、北陸新幹線新駅誘致のためのプロジェクトムービーを公開!

石川県加賀市は、2023年の北陸新幹線延伸に伴う同市加賀温泉駅への新駅誘致を図るべく、「新幹線誘致プロジェクト“東京2023加賀”」を発足させた。

同市は本プロジェクト発足に伴い、プロジェクトムービー「加賀市新幹線対策室Season1」全4編を8月28日からプロジェクトサイトで公開している。

 

ムービーの撮影には、加賀市役所の職員、加賀市民、加賀市のPRユニットLADY KAGA(レディーカガ)ら総勢50人がキャストとして参加。先行して新幹線が開通し、観光都市として大きな発展を遂げる金沢への羨望と嫉妬心、そして何としても「加賀温泉駅に北陸新幹線を」という市民の熱く切実な思いが込められたドキュメンタリータッチのドラマムービーとなっている。

【活動報告1】加賀市観光協会が地元のPRに頭を悩ませている中、突然一人の男が登場する。
活動報告1】加賀市観光協会が地元のPRに頭を悩ませている中、突然一人の男が登場する。
【活動報告2】加賀市新幹線対策室が動き始め、新幹線招致に向けた作戦会議を行う。そこで女将が思い付いた名案とは?
活動報告2】加賀市新幹線対策室が動き始め、新幹線招致に向けた作戦会議を行う。そこで女将が思い付いた名案とは?
【活動報告3】加賀の魅力的な観光スポットを求めて、加賀市中央公園を訪れるが・・・
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【活動報告4】アイデアが煮詰まってきた新幹線対策室だが、一つの強いアイデアにたどり着く。Season1感動の最終章。
活動報告4】アイデアが煮詰まってきた新幹線対策室だが、一つの強いアイデアにたどり着く。Season1感動の最終章。

この動画を見た人から「もう加賀に止めてあげてよ」「加賀市新幹線対策室が気になりすぎる」「涙ぐましい、大笑いした」などポジティブな声がツイッターに上がっている。

Q4 日本の地方で体験したいことは?

刻々と変わりゆく今の日本は、世界の人々の目にどう映っているのでしょうか? 日本の観光や食、製品などの“ジャパンブランド”は海外でどんな評価を得ているのでしょうか?

2017年2~3月に世界20カ国・地域で行った「ジャパンブランド調査2017」の結果を紹介しています。今回は「日本の地方で体験したいこと」です。


A. 「温泉」「自然」がほぼ全ての国で上位に。欧米では「城・城址」「日本式庭園」など、伝統文化への関心がうかがえる。

地方で体験したいことトップ5(タイトル)
地方で体験したいことトップ5(図表)

トップ3は、昨年と変わらず、「温泉」「自然」「桜」でした。
著者自身、旅行先の温泉街で、浴衣姿の外国人客の姿を目にすることも増え、温泉の人気の高さを肌で感じます。

日本でやりたいこと 」でも「史跡・歴史的建造物観光」が上位に入っていた欧米では、やはり日本の文化や歴史への関心が高く、「城・城址」「日本式庭園」観光に人気が集まりました。

また、各エリアでの特徴的な項目として、香港、台湾、ベトナムで「スキー」(香港が9位、台湾とベトナムが10位)、ロシアで「水産物」(7位)、イタリアで「古墳」(20位)などが高ポイントを獲得しています。
各地方で、これらの観光資源に実際に触れた人の声を広める仕掛けを用意することで、日本の魅力の伝播をさらに後押しできるのではないでしょうか。


<ジャパンブランド調査2017の概要>
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20歳~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B200ssずつ計400ss、アメリカは400ss、それ以外の地域は各200ss 合計4400ss
●調査期間:2017年2月13日~3月10日

電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。電通は経済産業省のクールジャパン機構(ファンド)へも出資。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。

「モンテリギ」してみませんか?

2017年4月、ソウル漢江で「モンテリギ大会」が開催された。「モンテリギ」とは、放心して何も反応がなく、魂が抜けた状態を意味する俗語だ。この大会に3500人が参加し、著名人や韓国以外の国籍の人もいた。

大会コンセプトは「開放感のある漢江の公園で現代人の脳を休ませよう」。ルールは、こうだ。① ボーッとして何もしない状態を維持 ② 参加者の心拍数を90分間測定 ③ その間いかに安定していられるか、を競う。寝たり食べたり、携帯電話をいじったり、雑談を交わすことは許されない。14年に始まったこの大会のニュースはSNSで話題になり、今や一部の人たちだけのブームとはいえない。忙しい現代社会の中で人々が、ボーッとできる時間を心の底から求めている証しに私には思える。

産業界のかつての主役は電球だった。1879年、エジソンの白熱電球実用化以来、私たちの脳は、昼だけでなく夜も働くことを求められてきた。2007年1月、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表し、今ではコミュニケーションの世界でスマートフォンが主役の座を占めている。就寝するときでさえ、私たちは枕元のスマートフォンに気を取られている。

いわば脳は、24時間OFFのない状態で稼働させられている。脳は機械ではない。有機体だ。休息、睡眠を取らなければ新しいタスクを実行できない。だから、モンテリギが人々に共感されているのだ。脳が長時間、過剰に働き、情報を詰め込み過ぎていることへの警告に誰もが気づいている。

くつろいだ時間が、人類に決定的発見をもたらしたこともあった。古代ギリシャの数学者アルキメデスはお風呂につかっていたとき「エウレカ!」と叫び、浮力の原理を発見した。ニュートンはリンゴの木の下で休んでいたとき、万有引力の法則をひらめいた。悩み苦しんでいるときでなく、肩の荷を下ろして空っぽになった瞬間、予告なくアイデアが訪れる。これが人間の創造性の秘密なのだろう。

「脳が古い情報を廃棄し再構成できれば、アイデアを得る可能性が上がる」と主張する医者もいる。急速に変化する時代を日々慌ただしく過ごしている皆さん(私もその一人ですが)、モンテリギを試してみませんか?

イラストレーション:段 希子

(監修:電通 グローバル・ビジネス・センター
イラストレーション:同/段 希子)

カップヌードル「HUNGRY DAYS」第2弾CM   ハイジが女子高生だったら!?

日清食品は9月14日、カップヌードルの新テレビCM「HUNGRY DAYS アルプスの少女ハイジ」編の放送を開始した。

2017年のカップヌードルのテーマは「青春」。全ての人に青春はある。あらゆるものに青春は宿る。何事にも熱くて、青い。そんなハングリーな日々を応援するプロジェクトが「HUNGRY DAYS」シリーズ。
6月に放送した「魔女の宅急便」編は各方面で話題となり、CM動画の総再生回数は750万回を超えた。ハイジ編はその第2弾となる。
第1弾記事:https://dentsu-ho.com/articles/5250

同編では、国民的な人気アニメ「アルプスの少女ハイジ」をテレビCMとして青春アニメに仕立てた。ハイジとクララが、現代日本の女子高生だったら?という設定に加え、 “イケメン”になったペーターも登場するなど、パラレルワールドを舞台に青春物語を描く。
ハイジは、高校生の今もあどけない表情を残す16歳。大人の雰囲気を持つクララと同じ女子高に通っている。品があり後輩からも人気で、読者モデルも務めるクララは、ハイジの憧れの存在。自分とクララを比べ「私なんか…」と悩むハイジに、幼なじみのペーターは「今のハイジが好きだ」と告白。胸キュンストーリーの結末は?

キャラクターデザインは、第1弾と同じく人気漫画作品を手掛ける窪野内英策さん。音楽も前作に引き続き、ロックバンド「BUMP OF CHICKEN」のオリジナル楽曲「記念撮影」。ハイジの声は、人気ダンス・ボーカルグループ「E-girls」の石井杏奈さん、クララとペーターはそれぞれ声優の雨宮天さんと神谷浩史さんが務めている。

石井さん

公式サイト(http://www.cupnoodle.jp/hungrydays/heidi/)ではCMが視聴できる他、制作に関する情報も提供されている。

A案という名の大罪

電通CDCの中尾孝年と申します。6回にわたり僕の著書『その企画、もっと面白くできますよ。』のコラムを連載することになりました。

文字数に限りがある中ではありますが、本に書いた事をなるべくたくさんご紹介できるように頑張ります。えっ?ちょっと待てよ…でも…本当に全部紹介しちゃったら…誰も本を買ってくれなくなるじゃないですか! それはマズイ。というわけで、ほどほどに紹介していきたいと思います(笑)。

ABC型提案からCCC型提案へ

新人だった頃、年配のクリエーティブディレクター(CD)とか営業部長とかによくこんなことを言われました。

「俺はお得意さまのストライクゾーンが見えている。だからおまえみたいに好き勝手な提案はせず、ちゃんとど真ん中に投げ込んで何年も扱いを守ってきたんだ!」

それは大間違い。「ど真ん中の案=無難で面白くない案」を提案する人よりも、「面白い」を提案、実現できる人の方がクライアントのストライクゾーンがはっきりと見えています。

ど真ん中にしか投げられない人はストライクゾーンがぼんやりとしか見えていない。だから、ど真ん中に投げるしかない。「面白い」を提案、実現できる人はストライクゾーンがハッキリ見えている。だから、ゾーンギリギリの「最高の面白い」を提案して実現させることができるんです。

画像:123RF
 

そして、このど真ん中にしか投げられない人たちが行うのが、ABC型の提案です。

ABC型提案とは、ど真ん中の案=俗に言うA案を基準にしてA→B→Cとずらしていくグラデーション提案のこと。これは同じ趣向性の中でのグラデーションなので方向性としては1案プレゼンと同じ=実は狭い範囲しかカバーしてない提案なんです。そして、A案はつまらなく見え、C案は無茶に見え、無難な日本人は真ん中のB案を選んでしまいます。

CCC型提案とは、超面白い案=俗に言うC案を複数提案すること。各案の守備範囲は狭いかもしれませんが、それぞれの面白さの趣向性が全く違うので方向性としては正真正銘の3案=実は守備範囲が広い提案になります。

あなたも、CCC型の提案で「面白い」企画を実現させましょう!

「面白い=企画力」という勘違い

講演とかすると「どうすれば『面白い』企画が思い付くんですか?」ってよく聞かれます。で、気付きました。すごく多くの人が「面白い」=企画力だと勘違いしていることに。えっ?と思うかもしれませんが、話題になる広告を世に送り出すためには企画力だけでは不十分。それに加えて、案を通す力・環境を良くする力=実現力が必須です。

有名CDやスタークリエーターの下で仕事をしている東京の若い子にありがちなのが、企画力ばかりがどんどん育って他の二つの力があまり育たないケース。

なぜなら、スターに案を通すのは超大変。毎回、死に物狂いで「面白い」を考えるから企画力はどんどん成長します。その代わりに、社内の営業やクライアントにはスターがスター力で案を通してくれるので、案を通す力と環境を良くする力がなかなか育ちにくいのです。

ところが僕のスタートは中部支社。お世話になった優しい先輩や面倒見の良い素晴らしい上司には恵まれたのですが、残念ながら当時の中部には全国で名前がとどろいているようなスーパースターはいなかったので、若いうちから案を通す力・環境を良くする力の二つの能力が非常に高くなったんです。

スターの後ろ盾なしに社内で自分がイニシアチブを握るためや、クライアント  に「面白い」企画を通すために、あの手この手で工夫しまくったからです。

じゃあ、案を通す力や環境を良くする力の正体って何なのか?
実はその一つが、「面白い」を感覚で説明しない=論理的に説明する力。何かに例えたり、何かと比較したり、さまざまな方法を駆使します。感覚ではなく論理として理解できれば相手の不安はなくなり、上司にも説明がしやすくなり、その「面白い」案は通ります。

でも、実は案を通す力や環境を良くする力って他にもいろいろあって、ものすごく複雑な合わせ技なのでここでは紹介しきれません。詳しくは著書をご覧ください(笑)。

広告の三大要素

あっ、広告の三大要素とは、僕が勝手に名付けました。広告には「企画アイデア」「クオリティー」「出稿量」という三大要素があって 「企画アイデア」と「クオリティー」で決まるのが クリエイティビティー 。

「クオリティー」と「出稿量」で決まるのがメジャー感です。

ここで気を付けてほしいのが、一流のスタッフが集結しそこそこ予算がある東京のCMはクオリティーと出稿量が担保されるケースも。その結果、企画アイデアがそうなくてもメジャー感は十分にあるCMに仕上がってしまうこともあります。僕はそういう広告を0クリエーティブ、100メジャーの広告と呼んでいます。

0クリエーティブの広告は、視聴者の心を魅了できないので大量に出稿して刷り込む必要があります。クオリティーは高いから、企画した本人は「一流の仕事をした」と勘違いしちゃって、またもや0クリエーティブな広告をつくってしまう。まさに負のスパイラル! 0クリエーティブはダメ絶対!

あくまで、僕の私見ですが、はい、今回はここまでです。

次回は前代未聞のボロ負け案を大公開しますよ!

Q3 訪れたい日本の都道府県は?

刻々と変わりゆく今の日本は、世界の人々の目にどう映っているのでしょうか? 日本の観光や食や、製品などの“ジャパンブランド”は海外でどんな評価を得ているのでしょうか?

2017年2~3月に世界20カ国・地域で行った「ジャパンブランド調査2017」の結果を紹介しています。今回は「訪れたい日本の都道府県」です。

A. 1位は不動の「東京」。東アジアでの「東京」の巻き返し、欧米での「広島」と、関心が分かれる

訪れたい日本の都道府県トップ5(タイトル)
訪れたい日本の都道府県トップ5(図表)

全体1位は不動の「東京」。2位「京都」、3位「大阪」で、昨年とは2、3位が逆転する結果となりました。次いで4位「北海道」、5位「沖縄」という順位です。

東アジアでは昨年に引き続き「北海道」の人気が高い他、東京がやや巻き返しました。香港では3位(前年は5位)、韓国では1位(前年は3位)、台湾では2位(前年は4位)とポイントがアップしています。

また、欧米では「広島」が上位5位以内に。歴史的な背景や、昨年のオバマ前大統領の広島訪問の影響もありそうです。


<ジャパンブランド調査2017の概要>
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20歳~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B200ssずつ計400ss、アメリカは400ss、それ以外の地域は各200ss 合計4400ss
●調査期間:2017年2月13日~3月10日

電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。電通は経済産業省のクールジャパン機構(ファンド)へも出資。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。

魅せる「伝統の価値」とは?(後編)

10年にわたる海外勤務を終え、京都に赴任した電通京都支社の各務亮さんは2012年、伝統工芸を扱う6社と、日本の伝統工芸の新たな価値を発信していくプロジェクト「GO ON (ゴオン)」をスタートしました。そこから立ち上げた、新ブランド「Japan Handmade」がミラノやパリで好評を博すなど、今注目を集めています。今回は一緒にプロジェクトを推進してきた西陣織老舗「細尾」の12代目 細尾真孝さん、各務さんの戦略ブレーンとして関わっているソナーの岡崎孝太郎さんを迎え、日本の伝統の未来を俯瞰しつつ、京都から世界に仕掛けていくたくらみを紹介します。

魅せる「伝統の価値」とは?(後編)登壇者全員
(左から)ソナー 岡崎孝太郎氏、細尾 細尾真孝氏、電通 各務亮氏


西陣織が最新テクノロジーと融合する

各務: GO ONは、クールジャパン的に海外に積極的に進出していくこと、逆に海外から京都に来てもらいラグジュアリーなコミュニティーを体験してもらうこと、そしてグローバル企業との連携にも挑戦しています。

次に何に取り組んでいくべきか、細尾さんが考えていることはありますか。

細尾:ひとつはテクノロジーとの融合です。西陣織は、9000本の縦糸を使う複雑な構造を持つ織物です。1本1本の糸をコンピューターでコントロールして、いろんな種類の糸を複雑に織り分ける技術もあります。

繊維の世界も進化していますから、半導体や生体センサーを織り込むこともできるようになりました。その結果、例えば生体センサーを織り込んだ布で車のシートをつくれば、居眠りすると、自動的に車を停車させるようなこともできるようになるでしょう。

ただし何よりも重要なことは、西陣織は1200年間、美しさを追求し続けてきたということです。ですから、テクノロジーを前面に出すのではなく、伝統工芸の美の中にテクノロジーをどう隠すかということに挑戦しています。

各務:リサーチにも取り組まれていますよね。

細尾:そうですね。某アウトドアメーカーのチームと一緒にモンゴルの遊牧民の住居ゲルのリサーチに行く計画があります。美しさの裏に機能性があるというアプローチから、西陣織で住宅をつくれないかなと思っています。

もうひとつ、取り組みたいテーマが「着物」です。着物は長方形の布を組み合わせてできている機能的な衣類です。帯も同様に1枚の布を、折り紙の要領で、立体的に組み立てる構造になっています。着物が最先端のテクノロジーと結び付くと新しい価値を生むのではないか、という発想でマサチューセッツ工科大学の教授と一緒にリサーチを始めました。

魅せる「伝統の価値」とは?(後編)細尾氏

岡崎:面白いですね。例えばディープラーニングを使えば、色の違いや織り方など、いろんなルールを一気に覚えさせることができます。そこから、AIがこれまで人間がしたことのない織り方をいとも簡単につくり出すでしょう。

僕らが経験してきたことと違う世界から、途方もない世界が生まれてくる可能性があります。僕らはそれを怖がるのではなくて、美の裏側にある数理みたいに、違う宇宙があることを理解した上で何をつくっていくのか考えることがGO ONの次のステージでしょうね。

もうひとつ重要なことは、言葉をつくることです。細尾くんが取り組んでいることを表す言葉は、まだありません。それを「クール」や「カワイイ」といった、なるべく海外の人も理解できるような独特の言葉を体系化する。その言葉によって、外国人が驚いて帰るだけではなく、自分の生活やビジネスに取り込むようになっていくと思うんです。

人間に大事なものは伝統工芸の中にある

各務:GO ONに取り組んでいるメンバーは、京都の伝統工芸の中でも先駆的な取り組みで実績を上げています。ただし日本全国では厳しい状況に置かれている伝統工芸も多いと思います。何かアドバイスはないでしょうか。

細尾:1000年や3000年といった長い時間を超えてきたという軸で見る必要を感じています。面白いなと思ったのが、2030年に人類が火星に行く計画が進んでいますが、火星に到着するまでに半年もかかるそうです。

そうなると、単なる移動ではなく生活になる。アメリカ的な考えでは、メンタルトレーナーをつけて、ジムを完備してという発想になるかもしれませんが、人間の心を落ち着かせるのはシルクの着物の肌触りの方がいいかもしれません。人間が何千年と身に着けてきたという実績がありますから。

人間にとって大事なものが何かという答えが、実は伝統工芸の中にあるのではないかと思っています。

各務:僕は織物や器などの伝統工芸が、もっとリアルな生活の中に普通に存在している世界を取り戻したいですね。京都のお料理屋さんでも京焼の器を使っているところは、意外と少ないですし。

岡崎:自分たちが想像できない未来に行くためには、まず試してみてネックになるものを見つけて、それを順番に変えていくということをしなければいけないでしょう。

京都の料理屋が伝統工芸の器を使わないのはなぜか。それは税金の問題もあると思います。茶道の家元が使うような器をそろえれば、とんでもない税金を払わなければいけなくなります。だから、各務くんが理想とする世界を実現するには、そういう制度面を取り払う必要がある。

でも京都はその実現が得意なはずです。例えば、ある料理組合に所属すれば、そこで出す茶器や食器に対しては税控除するということが考えられるかもしれない。

魅せる「伝統の価値」とは?(後編)岡崎氏

各務:今後、GO ONを進めていく上で、気を付けておくべき点はありますか。

岡崎:それはGO ONが、ボロもうけしたらダメだということです。文化はそこに住む人たちが長い時間をかけてつくってきたものです。だから売り上げばかりを追うのではなく、京都にいる人たちに恩返しをしなければいけない。

僕は江戸っ子ですが、祇園の旦那衆の弟分にしてもらって、旦那衆の次のポジションぐらいには入れてもらえたと思います。でも自分はよそ者だから、どこか離れていないとダメだと思っていました。そして今は距離を置いています。

各務さんは、しがみついているような感じがしますけどね(笑)。

各務:はい、京都にのめり込み過ぎてます(笑)。岡崎さんがおっしゃった、“ボロもうけしない”という商売哲学は、京都の美学ですよね。京都にはフェアな状態をキープしておくための、仕組みがうまく出来上がっていると思います。

しかし、時にそんな関係性がしがらみとなりイノベーションの妨げになります。そういう部分を、よそ者である自分がお節介してお役に立てればと思っています。

魅せる「伝統の価値」とは?(後編)各務氏

細尾:外の文化を取り入れていくことは、伝統を残していく上でも大切なことです。常に環境が変化していますから、それに対応するため伝統も異質なものを取り込んでいかなければいけないと思います。

その点、フランス人は伝統をつくり上げるのがうまい。ドン・ペリニヨンのブランド責任者に会ったとき、「おまえたちはそんなにいい物を持っているのに、世界に出すのがなんて下手なんだ」と言われました。

岡崎:ドン・ペリニヨンのシャンパンは、きちっと型を守っているところがすごいですよね。ロマネ・コンティは、畑の土がローマ帝国の土だから高額なもので1本150万円以上の価値がある。けれど、その隣の畑のワインはほぼ同じ土なのに区画が違うから1本3万円程度なんですよ。こんなふうにもう変えられない“時間”に価値を置くという方法は、フランス人が得意です。

細尾:GO ONのメンバーに朝日焼の16代目がいます。そこで使っている土は100年前の土なんです。でも彼にとってはそれが当たり前だから、わざわざ言わないんですよ。僕も最近知ったくらいですから。

京都には本人も気付いていない価値がたくさんあるんだろうと思います。約3600社の伝統工芸の会社があるのに、そこから経済が生まれる仕組みができていません。例えば京都で1000年という時間をコンセプトに、世界中からクラフトの才能が集まるような祭ができないかと妄想しています。そして伝統工芸の担い手を一人でも多く増やしていきたいです。

<了>
こちら
アドタイでも対談を読めます!
企画プロデュース:電通ライブ クリエーティブユニット第2クリエーティブルーム 金原亜紀

 

電通と電通デジタル、ツインプラネットと共同でインスタグラム動画広告の制作・配信ソリューション「MOVIE GENIC」を開発・提供

9月15日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年9月15日

電通と電通デジタル、ツインプラネットと共同でインスタグラム動画広告の制作・配信ソリューション「MOVIE GENIC」を開発・提供

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)とその100%子会社である株式会社電通デジタル(本社:東京都港区、CEO:榑谷 典洋)は、株式会社 TWIN PLANET (本社:東京都渋谷区、代表取締役:矢嶋 健二、以下「ツインプラネット」)との共同で、Instagram(インスタグラム)の動画広告を制作・配信するソリューション「MOVIE GENIC」(ムービージェニック)を開発し、9月15日よりサービス提供を開始します。

今日、動画広告はブランド認知や購買意向を高めることのできる手法として重要視されています。その背景にはスマートデバイスユーザーによるSNS利用の一般化と、SNS投稿における動画コンテンツの増加傾向があります。
インスタグラムもその一つですが、とりわけ女性や若者世代を狙うマーケティング活動においては重要なSNSと考えられており、広告需要も急増しています。

こうした状況を踏まえ、3社ではインスタグラムに特化した動画広告の制作と配信を行うソリューションを開発・提供することにしました。
今回提供する「MOVIE GENIC」の特徴はその映像センスにあります。インスタグラム動画広告においては、そのフォトジェニックな世界観にふさわしい映像センスが求められるため、本サービスではインスタグラムで人気の写真投稿を行っているインスタグラマーたち自らの参加によって、彼らのセンスを取り入れる仕組みを構築しています。これにより、顧客企業はインスタグラムへの動画広告展開を通じて、ブランド認知や、アプリのインストール、購買意向などの指標を向上させることが可能になります。

本サービスにおける3社の主な役割は、電通はインスタグラムに関する独自の調査データを生かした戦略的な広告コミュニケーションの提案とコンサルティングを、電通デジタルではクリエーティブチームが動画広告の企画・ディレクションを、運用チームがInstagram Stories(※)に広告を配信し、その結果をレポーティングします。ツインプラネットは映像センスを兼ね備えたインスタグラマーたちのマネジメントを行い、所属しているインスタグラマー自身が撮影・編集をします。

今後も電通グループは、顧客企業のさまざまなニーズに応えていくため、多様なプラットフォームを対象に、より効果的な広告コミュニケーションのあり方を研究し、新しいサービスの開発・提供を進めていきます。

「MOVIE GENIC」ロゴ

「MOVIE GENIC」ロゴ

<ツインプラネットについて>
社名:株式会社 TWIN PLANET
所在地:東京都渋谷区神宮前5-3-13 TWIN PLANET BLDG.
設立:2006年11月1日
代表者:代表取締役 矢嶋 健二
資本金:1,340万円
従業員数:40名
事業内容:IP(Intellectual Property=知的財産権)を軸に、エンターテイメント分野において幅広い事業を展開。「ヒト・モノ・コト」などあらゆるコンテンツをIPとして捉え、市場調査・企画・PR・コンテンツ開発・商品開発・メディア開発などを手掛ける。また、さまざまなジャンルで活躍する個性的な人材が所属する芸能プロダクションとしての側面も持ち、独自のキャラクタービジネスやイベント事業を実施している。

※Instagram Stories広告は、Instagram初のフルスクリーン広告です。
動画や静止画のオーガニック投稿の間に自然に広告が挟まれ、表示されます。

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0915-009362.html

動画から直接お買いもの。インタラクティブ動画を作成・配信できる「EICHI ビデオコマース」

EICHIロゴ

http://www.ddf.dentsu.co.jp/service/eichi/

電通ダイレクトフォースは、「ビデオコマース機能」を持つインタラクティブ動画の制作・配信プラットフォーム「EICHI ビデオコマース」(以下、EICHI)を提供開始した。

インタラクティブ動画とは、ユーザーが動画上の任意の箇所をタップまたはクリックすることで、その先のストーリーを選択できたり、動画に表示されているアイテムを購入したりできるタイプの動画のこと。従来は受動的だった動画の視聴態度を能動的に変えるものとして注目されている。

「EICHI」のビデオコマース機能により、視聴者は動画内の気になったアイテムや情報をタップやクリックでブックマークでき、そのままアイテム購入や詳細情報の閲覧ができる。

従来のように、動画を見ていて気になったアイテムをいちいち検索したり、Eコマースサイトの一覧表示の中から見つけ出すといったストレスから解放されることで、リアル店舗でショッピングしているような購買体験が実現する。

eichi01
eichi02

企業が活用する際は、動画を管理画面上からアップロードし、簡単な操作でインタラクション機能を実装できる。インタラクティブ化された動画は、そのままウェブサイトに動画プレーヤーとして埋め込むことができ、パソコン、スマートフォン、タブレットといったデバイスで視聴可能だ。

ダイレクトマーケティングとデジタルマーケティングを専門領域とする同社では、「EICHI」を企業における動画マーケティング活用支援の一環として位置付けている。

電通ダイレクトフォース:http://www.ddf.dentsu.co.jp

Q2 日本でやりたいことは?

刻々と変わりゆく今の日本は、世界の人々の目にどう映っているのでしょうか? 日本の観光や食、製品などの“ジャパンブランド”は海外でどんな評価を得ているのでしょうか?

2017年2~3月に世界20カ国・地域で行った「ジャパンブランド調査2017」の結果を紹介します。今回は「日本でやりたいこと」です。

A. 「日本食を食べる」がほとんどのエリアで1位、「ショッピング」が東アジアを中心に引き続き人気

日本でやりたいこと(タイトル)
日本でやりたいこと(図表)

全体結果は、昨年とトップ3が変わらず、1位「日本食を食べる」、次いで「自然・景勝地観光」「ショッピング」。

東アジア諸国では「ショッピング」、欧米では「史跡・歴史的建造物観光」が人気を集める傾向も昨年に引き続きですが、より各国ごとの特色が濃くなる結果となりました。

例えば、インドネシアでは「日本旅館に宿泊」が4位、フィリピンとインドは「テーマパーク」がそれぞれ7位、3位、ベトナムは「日本の酒」が8位、オーストラリアは「バー、パブ、居酒屋を楽しむ」が9位、イタリアは「夜景を見る」8位など、上位項目で特徴的な人気の差が出ています。

大きなエリアごとの傾向がありながらも、各国ごとに日本の楽しみ方の流行が出てきているのかもしれません。

 


<ジャパンブランド調査2017の概要>
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20歳~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B200ssずつ計400ss、アメリカは400ss、それ以外の地域は各200ss 合計4400ss
●調査期間:2017年2月13日~3月10日

電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。電通は経済産業省のクールジャパン機構(ファンド)へも出資。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。

魅せる「伝統の価値」とは?(前編)

10年にわたる海外勤務を終え、京都に赴任した電通京都支社の各務亮さんは2012年、伝統工芸を扱う6社と、日本の伝統工芸の新たな価値を発信していくプロジェクト「GO ON (ゴオン)」をスタートしました。そこから立ち上げた、新ブランド「Japan Handmade」がミラノやパリで好評を博すなど、今注目を集めています。今回は一緒にプロジェクトを推進してきた西陣織老舗「細尾」の12代目 細尾真孝さん、各務さんの戦略ブレーンとして関わっているソナーの岡崎孝太郎さんを迎え、日本の伝統の未来を俯瞰しつつ、京都から世界に仕掛けていくたくらみを紹介します。

魅せる「伝統の価値」とは?(前編) 登壇者全員
(左から)ソナー 岡崎孝太郎氏、細尾 細尾真孝氏、電通 各務亮氏


京都の伝統工芸の価値を世界に伝える

各務:今日は細尾12代目の細尾真孝さんと、アカウントプランニング専門会社ソナーの岡崎孝太郎さんと共に、伝統の価値とは何か、そして、その伝統をどのように未来につなげていけばいいのか、ディスカッションしていきたいと思っています。

私は5年前に海外勤務から電通京都支社に異動して、そこで触れた「京都の文化」にとても感動しました。そして京都の伝統業界がこの20年間で大幅に縮小していることを知り、その魅力を海外に発信するお手伝いがしたいと、伝統工芸6社の若旦那衆とGO ONというプロジェクトを立ち上げました。

国内外の企業やクリエーターに伝統工芸の技や素材を提供して、今までにない新しい価値を生み出そうという活動です。中でも細尾さんはGO ON結成前から、海外のインテリア・ファッション業界とコラボレーションするなど、先駆的な取り組みを行っています。

細尾:西陣織には、1200年の歴史があります。特に京都に都が置かれていた1000年間で、天皇や貴族といった層の権力の象徴として、その美しさを追求し続けてきました。現代のように誰でも西陣織に触れることができるようになったのは、戦後になってからです。この西陣織をひとつの「素材」として捉え、海外のマーケットに売り込む事業を8年前に社内ベンチャーとして立ち上げました。

例えば、高級ブランドのクリスチャン・ディオールは銀座を含む世界100都市の店舗の壁紙や、椅子の張り地に西陣織を採用しています。さらにシャネルやブルガリ、ルイ・ヴィトン、国内ではザ・リッツ・カールトンや宝飾品を扱うミキモトがカーテンやクッションに採用しています。

他にも、現代アートやバイオテクノロジーなどともコラボレーションしました。パナソニックとは、金や銀を織り込んだ「箔」という織物の通電性を利用して、人が触っている間だけ音が鳴るスピーカーを搭載したウエアラブルな織物の開発にも取り組んでいます。

魅せる「伝統の価値」とは?(前編)細尾氏

各務:GO ONを始める前から、伝統工芸の後継者たちと、一緒になって挑戦を始めていたんですよね。

細尾:そうです。もともと僕は家業を継ぐ気がなくて、ずっとミュージシャンをしていたんです。8年前に伝統工芸をクリエーティブ産業に転換させたいと思い立ち、実家の西陣織を継ぐことにしました。

西陣織は1200年間ずっと国内だけを市場としてきたため、世界の人は西陣織の技術・素材・ストーリーをほとんど知りません。これは見方を変えれば、大きなチャンスだと思ったんです。

そこでまず、手探りでミラノサローネに出展したのですが、初めてということもあって当然うまくいいきません。でもフッと横を見ると、同じように悪戦苦闘している日本人がいたんです。それが今のGO ONのメンバーです。

伝統工芸の世界は、横のつながりがほとんどありません。ですから、彼らの名前は知っていても面識はありませんでした。しかし同世代が自分と同じような思いで、海外に挑戦していると知って、一緒に伝統工芸の在り方を変えていこうという話になったんです。

日本人の感性を武器に世界に出る

各務:私も彼らの話を聞いているうちに、熱い思いが伝わってきて、自分もその壮大な夢の一部になりたいと思いました。

GO ONのコンセプトは、細尾さんが当時取り組んでいた、西陣織を素材として海外に輸出するという手法を明文化したものです。つまり伝統工芸品を物としてではなく、技術・素材・物語に分解して、他の産業の中に忍び込ませるということです。

このコンセプトから事業計画をつくり、資金調達して商品を開発し、海外展開するということを続けてきています。最初は、その方法が分かりませんでしたので、岡崎さんに協力していただきました。当時、岡崎さんに「ルールを変えなければダメだ」と言っていただいたことが印象として残っています。

魅せる「伝統の価値」とは?(前編)各務氏

岡崎:そのときは、日本人の豊かな感性で生み出したものを世界のプラットフォームに入れてしまえば、海外の企業やクリエーターはそこから二度と抜けられなくなるという話をしたんだと思います。

各務:そうです。それを僕らは「忍び込む」と表現して、「忍び込むクリエーティブユニット、GO ON」を掲げました。

岡崎:参考にしたのは、クリスタルガラスで有名なスワロフスキーです。彼らはアルプスの水の力でガラスを削る機械屋さんに始まって、カットデザイン、液を塗布して虹色に輝かせたりする技術を開発し特許化し、ブランドとして進化しながら今に至っています。完成品はスワロフスキーとして、ハリウッド映画やアカデミー賞の装飾など芸術や文化の世界にも浸透しています。

実はスワロフスキーの商売の源泉になっているのは、ガラス細工ではありません。平らな石の裏に塗ると絶対に離れない糊(のり)なのです。その糊という技術があるから、スワロフスキーは世界中で使われるようになった。

それを京都で実行しようとしているのが、西陣織から着物や帯という枠を取り払った細尾くんです。視点を少し変えることで、ルールを大きく変えることができると思います。

魅せる「伝統の価値」とは?(前編)岡崎氏

細尾:最初に岡崎さんにお会いしたときは、話すことの1%ぐらいしか理解できませんでした(笑)。ですが、言われたことはずっと引っ掛かっていました。

岡崎さんは、「日本のような四季がある国は少ないし、京都はそれをめでる文化を1000年以上も育んでいる。そこが一番の強みになる」と言った。

それを聞いたときは、本当にそうだなと思いました。例えば、一口に「白」といっても、日本にはいろんな白があって、それぞれに呼び名があります。それを季節の移り変わりなどに応じて使い分けて、着物の柄に落とし込んだり、和歌に詠んだりします。

日本人はそういう敏感なDNAを持っていて、常にそれを感じる訓練をしている。そこが一番の武器になると、岡崎さんに教えてもらいました。

各務:つい先日、細尾さんがオープンされた宿泊施設「HOSOO RESIDENCE(ホソオ・レジデンス)」は、四季の感性という京都独特の価値観を体現されていて、すごく感動しました。

細尾:約100年前の京町家をリノベーションしてホテルにしています。飛鳥時代の版築という伝統的な左官の技術を駆使し、庭には白砂利を敷き詰めて、そこからの反射光を室内に取り込んでいます。室内が薄暗いため、明るさに対する感覚が敏感になるのです。

これは先ほどの色の話と同じで、かつて日本人は、月明かりのような1ルクスにも満たない世界でも光の変化を感じていました。その世界観を感じてもらえるような宿になっています。

各務:ホソオ・レジデンスよりも前につくられたのが、西陣織の工房に併設したショールームでしたよね。今は海外からも、たくさんのお客さまがいらっしゃっています。

細尾:そこも京都の町家を改装した場所で、一番古い部屋は200年前のものです。

今、世界中のラグジュアリー層がプライベートジェットで京都を訪れています。彼らは、伝統工芸の持つ世界観に関心を持っています。そこで工房をショールーム化したのです。今では観光の流れも変わって、クラフトツアーが増えているようです。

各務:細尾さんが取り組んでいることを横展開しようと、普段は入っていけないような“ものづくりの現場”を案内する、コンシュルジュサービスのプロジェクト「Beyond KYOTO」も立ち上げました。

※後編に続く
こちら
アドタイでも対談を読めます!
企画プロデュース:電通ライブ クリエーティブユニット第2クリエーティブルーム 金原亜紀

大塚製薬「ウル・オス」  “ウルムロ”さん登場で、笑いの絶えない 発表会

大塚製薬は9月13日、東京・目黒区の恵比寿ザ・ガーデンルームで、男性用スキンケアブランド「UL・OS」(ウル・オス)の新製品「フェイスウォッシュfor スキンケア」(8月21日発売)と新テレビCMの発表会を開催した。
2008年に販売を始めたウル・オスは、男性の頭から足先までのケアができるブランドとしてアイテムを拡充。今回の新製品で全17品目のラインアップとなった。

櫻井千秋常務執行役員は、男性の年代別洗顔料使用頻度や洗顔方法の調査データを示し、洗顔料を使わない洗顔や使用法は、肌の劣化につながると説明。新製品は、「超濃密泡」により、誰でも簡単に短時間でやさしく洗顔できると話し、正しい洗顔方法をレクチャーした。
会場では、肌の再生を助ける成分“AMP”の紹介動画に続き、10月14日から放送される新CM「洗顔(新登場)」編と「ウル・オス『習慣』」編が上映された。
両編とも、以前からCMキャラクターを務める俳優のムロツヨシさんが出演。肌の劣化に気付いたムロさんが、雨に打たれながらや電車の中でコミカルな演技を見せている。すでに、ユーチューブの同社公式チャンネル(https://www.youtube.com/user/otsukaseiyaku)で公開中だ。

ステージには、手のひらに洗顔料を付けたムロさんがダンスをしながら登場。動いても落ちない超濃密泡をアピールした。ムロさんは「“ウル”ムロ」「“オス”ツヨシ」ですと自己紹介し笑いを誘った。
CMについては「40代男性の切実な肌の悩みを描いた、とてもいいCMになった」と話し、雨中の撮影でも、スタッフを気使い「寒い、つらい」など言わなかったことも仕上がりに貢献したと自画自賛し、会場を沸かせた。また「新製品は、洗顔しているというより、洗われている感覚。ウルムロの役目として、同世代の正しい洗顔の割合を増やしたい」と語った。

ムロさんは、事前に肌診断器「VISIA」で肌年齢をチェック済で、その結果が、同社の大津スキンケア研究所の原野史樹所長から発表された。41歳のムロさんの肌年齢は45歳と明かされ、典型的なミドルエージの状態と診断された。

ややショックの様子のムロさんは、目標とする肌年齢を35歳として、決意のタスキに書き入れた。そして最後に「実年齢を超えた結果は、まさかの失態。若々しい肌を取り戻せるようにウル・オスで頑張る! 同世代にも強く強く勧めたい」とメッセージを述べた。
公式サイト:
http://www.otsuka.co.jp/ulos/

 

会場では、「VISIA」体験も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セミナー「人間とロボットが共生し協働する世界の実現に向けて」レポート

モノづくり日本会議と日刊工業新聞社は8月30日、特別講演「人間とロボットが共生し協働する世界の実現に向けて~Robotics for Happiness~」を東京・千代田区のイイノホール&カンファレンスセンターで開催した。

本セミナーは、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2018年と20年に予定する「ワールド・ロボット・サミット」(WRS)へ向けて開催されたもの。WRSは、政府が「ロボット新戦略」で重要な政策の一環として、ものづくり・サービス・災害対応など4分野で計8種類の競技を実施する。

セミナー当日は、WRSのメッセージである「Robotics for Happiness」をテーマに、有識者による最新のロボット技術動向や各自の取り組みについて紹介した。

東京大 佐藤知正名誉教授
佐藤知正氏

まず、WRS実行委員会委員長で東京大の佐藤知正名誉教授が開会のあいさつ。「研究者には二つの発表の場がある。一つは学術学会など研究者としての知識と知見の発表の場、もう一つはロボットのパフォーマンスを見せるのに適したコンテスト。その場できちんと動かなければならないのでパフォーマンスは大事。そういった競争がイノベーションを生む」と語った。

経済産業省製造産業局産業機械課ロボット政策室 安田篤室長
安田篤氏

次に「ロボット革命の実現に向けて~ロボット政策とWorld Robot Summitについて~」と題し、経済産業省製造産業局産業機械課ロボット政策室の安田篤室長が登壇。現在ニーズが伸びている分野として、介護と社会インフラについて解説した。

「世界的にも高齢化社会を迎えることから、介護ロボットのニーズは日本だけでなく、世界が注目している。また、50年以上経過した道路や河川に架かる橋などの社会インフラは5年に1回点検が必要なため、これからロボットの力が必要になる」と語った。最後に政府のロボット革命実現会議についても触れ、新戦略では2015年からの5年間を集中実行期間と位置付け、官民で1000億円以上の投資を行うとした。

カーネギーメロン大 金出武雄教授
金出武雄氏

特別講演1は、「Real World Robots: Actors, Helpers and Enhancers」と題し、カーネギーメロン大ワイタカー冠全学教授で、WRS実行委員会諮問会議の金出武雄委員長が登壇。金出氏は現代のロボットがメカニズムという概念から離れ、情報による駆動(インフォメーションドリブンメカニズム)に進展していると語った。また技術進化により、単に顔を認識するだけでなく、人の動きを完全にトラッキングできるようになり、ロボットは人と共に働く機械になってきていると強調した。

カリフォルニア大 ヘンリック・クリステンセン教授
ヘンリック・クリステンセン氏

特別講演2は、「The future of robotics - challenges and opportunities」と題し、カリフォルニア大サンディエゴ校コンピューター理工学部教授で、状況適応型ロボット技術研究機構ディレクターのヘンリック・クリステンセン氏が登壇し、ロボティクスの未来について語った。

クリステンセン氏は「世界は高齢化で労働人口が減少しており、その問題を解決するのがロボティクス。例えば電気自動車のテスラはロボットが作りやすく設計されている」とし、他にロボットが活躍する分野として流通サービスや病院などを挙げた。また2025年には自動運転が実現し、2030年には無人航空機が主流になる、さらに教育の分野についても触れ、今後はロボットによるパーソナライズ化した教育が増えていくと予想した。

トヨタリサーチインスティテュート ギル・プラットCEO
ギル・プラット氏

特別講演3「Lessons in Empathy from the DARPA Robotics Challenge」は、トヨタリサーチインスティテュートCEO、前米国防総省国防高等研究計画局(DARPA) プログラムマネージャーのギル・プラットSEOが登壇した。

プラット氏は「深層学習と機械学習により、ロボットは世界を認識できるようになった。これはカンブリア紀に生物に視覚ができ、短時間で進化を遂げたことと同様だ。ロボットの脳であるAIがクラウド化すれば、ロボット同士の情報共有やコミュニケーションが起き、さらに進化していくだろう。私は、これからロボットが社会を構築すると見ている」と説明した。

また、ロボット競技会などで例えばロボットが転倒した際に「かわいそう」と感じる人間の心理が、ロボットが進化する過程で起きる「不気味の谷」を克服すると語った。

電通など4社、黒柳徹子さんのアンドロイド「totto(トット)」を開発

9月14日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年9月14日

電通など4社、黒柳徹子さんのアンドロイド「totto(トット)」を開発

―高齢者や子どもたちとの「おしゃべり」を通じて黒柳さんの社会活動を拡張―

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)、株式会社電通テック(本社:東京都千代田区、社長:松原 靖広)、株式会社テレビ朝日(本社:東京都港区、会長兼CEO:早河 洋)、株式会社エーラボ(本社:東京都千代田区、社長:三田 武志)は、10月からスタートする帯ドラマ劇場「トットちゃん!」(テレビ朝日:月~金 午後0:30~0:50)の放送開始を記念して、タレント黒柳徹子さんのアンドロイド「totto」を共同開発しました。

「totto」は、テレビ朝日主導のもと、電通、電通テック、エーラボと、アンドロイド研究の第一人者である大阪大学・石黒浩教授(ATR客員所長)(※)監修によって開発されました。

「totto」の声は、テレビ朝日が保有の42年にわたる「徹子の部屋」の会話データをもとに、NTTテクノクロス株式会社が開発した最新の音声合成技術を用い作成しました。2018年には、さらに自律会話システムも搭載し、さまざまな場所で徹子さんとの「おしゃべり」ができるようにする予定です。

制作においては、黒柳さんを3Dカメラでスキャンして等身大の型を作成。表情やしぐさ、癖なども研究し、さらに発話に合わせてリアルな口の動きを生成するATRの技術を採用するなど、最新工学技術を駆使したアンドロイドです。

黒柳さんの個性である「好奇心旺盛」「おしゃべりが好き」をコンセプトに、高齢者とのコミュニケーションや子どもたちへの読み聞かせなど、日本中、世界中の老若男女に黒柳さん自身の社会活動を拡張していく「トットの夢」プロジェクトを通じて世界に笑顔をお届けします。

詳細は公式ウェブサイトtotto-android.comをご覧ください。

<アンドロイド「totto」の 概要>

●名称:totto

アンドロイド「totto」

●ロゴ

「totto」ロゴ
 
※石黒 浩氏
大阪大学基礎工学研究科教授・株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)客員所長

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0914-009361.html

Q1 日本のことを好きな国は?

東京オリンピック・パラリンピックまであと3年。訪日観光客もますます増え、行政、自治体、各企業での取り組みも活発になっています。

刻々と変わりゆく日本は、世界の人々の目にどう映っているのでしょうか? 日本の観光や食、製品などの“ジャパンブランド”は海外でどんな評価を得ているのでしょうか?

電通の「チーム・クールジャパン」は、2017年2~3月、世界20カ国・地域で「ジャパンブランド調査2017」を行いました。本連載では海外消費者の意識を紹介します。第1回は「日本への好意度」です。

A. 「ベトナム」「フィリピン」「タイ」の3カ国が同率1位に

日本への好意度ランキング
日本への好意度ランキング 図表

昨年も上位だった3カ国が、同率1位という結果でした。引き続き、ASEAN諸国からの好意度が高い傾向にあります。

全体数値は、82.8%と昨年より1.3ポイント上昇。大幅ダウンしている国もなく、世界各国から好意が高まっていることがうかがえます。

また、ロシアが昨年比で10ポイント近く上昇し、トップ10入りしました。18年は日本では「ロシア年」、ロシアでは「日本年」と位置付けられ、政治・経済・文化などさまざまな行事が催される予定です。この調子で来年を迎えれば、2国間での交流のさらなる活性化が期待できそうです。


<ジャパンブランド調査2017の概要>
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20歳~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B200ssずつ計400ss、アメリカは400ss、それ以外の地域は各200ss 合計4400ss
●調査期間:2017年2月13日~3月10日

電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。電通は経済産業省のクールジャパン機構(ファンド)へも出資。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。

タイムシフト視聴率 8/28~9/3 ─ 人それぞれでいいんだと思う、どんな景色が見えるかは ─

ビデオリサーチの視聴率調査データから、「8月28~9月3日のタイムシフト視聴率・総合視聴率5」をリサーチボーイがお届けします。

リサーチボーイ

今日は、緋山先生から名取先生に贈られた言葉から。
人それぞれでいいんだと思う、どんな景色が見えるかは

フジテレビ「 コード・ブルー3 」第7話より

< タイムシフト視聴率5 >

1▶︎12.3%:コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]13.4% [総合視聴率]23.2%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/28(月):21:00-54分間

2▶︎8.9%:過保護のカホコ

[視聴率]11.5% [総合視聴率]19.0%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/30(水):22:00-60分間

3▶︎6.9%:日曜劇場・ごめん、愛してる

[視聴率]9.2% [総合視聴率]15.1%
 放送局:TBS、放送日:2017/9/3(日):21:00-54分間

4▶︎6.7%連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]23.0% [総合視聴率]27.7%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/31(木):8:00-15分間

4▶︎6.7%:金曜ドラマ・ハロー張りネズミ

[視聴率]8.1% [総合視聴率]13.9%
 放送局:TBS、放送日:2017/9/1(金):22:00-54分間

< 総合視聴率5 >

1▶︎27.7%:連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]23.0% [タイムシフト視聴率]6.7%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/31(木):8:00-15分間

2▶︎25.4%連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]21.2% [タイムシフト視聴率]5.9%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/30(水):8:15-15分間

3▶︎25.0%2018FIFAワールドカップロシアアジア地区最終予選・日本×オーストラリア

[視聴率]24.2% [タイムシフト視聴率]1.1%
 放送局:テレビ朝日、放送日:2017/8/31(木):19:31-124分間

4▶︎24.3%世界の果てまでイッテQ!

[視聴率]22.0% [タイムシフト視聴率]2.9%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/9/3(日):19:58-56分間
 

5▶︎23.2%:コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]13.4% [タイムシフト視聴率]12.3%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/28(月):21:00-54分間

 


期間:2017年8月28日(月)~9月3日(日)
地区:関東地区

▶︎タイムシフト視聴率と総合視聴率の定義については、ここからご覧いただけます。
▶︎上記以外の番組についてもご覧になりたい方は、ビデオリサーチのサイトからご覧いただけます。

【禁】無断転載
転載に関するお問い合わせは以下までご相談ください。
株式会社ビデオリサーチ 
コーポレートコミュニケーション室
Tel  03-5860-1723(直通)

1万人調査で判明した、生活者に重視される企業の“魅力”

電通パブリックリレーションズの研究組織「企業広報戦略研究所」のさまざまな調査・研究を起点に、「鍛えよ!コーポレートコミュニケーション力」と題して連載を行っています。今回は、2017年3月に調査した第2回「企業魅力度調査2017」について、性年代別の視点からレポートをお届けします。

Point
生活者は、性年代別で重視する企業の魅力が異なる!
・「人的魅力」はM1(20~34歳の男性)が最も重視しているが、他の属性も重視している。
・「商品的魅力」は女性に重視される傾向がある。
・「会社的魅力」は一般的な生活者にはあまり重視されていない。
・企業の活動(Fact)を情報発信する際は、ターゲットの属性に合わせて戦略的に決めるのがよい。

 

性年代別に重視される企業の魅力の3要素

連載第1回でもお伝えしたのですが、企業魅力度モデルは企業の行動(Fact※)を「人的魅力」「会社的魅力」「商品的魅力」の3要素に分類し、分析しています。この3要素のうち、生活者がどの要素を重視しているのか、性年代別(M1:20~34歳の男性、M2:35~49歳の男性、M3:50歳以上の男性、F1:20~34歳の女性、F2:35~49歳の女性、F3:50歳以上の女性)にまとめたのが以下のグラフです。
※企業行動そのもの、およびそれに伴う事実ベースの企業構成要素。

属性別3つの魅力の構成比

性年代別に見て、まず目に付くのは、M1の「人的魅力」重視です。42.1%と唯一4割を超えています。また、「人的魅力」はM1以外の属性も、おおむね重視しています。

「人的魅力」とは、リーダーシップや誠実さなど、企業を構成する個人や事業活動を通じて周囲に感じさせる法人としての魅力を指します。すでに多くの企業が、企業トップはもちろん、名物社員や若手社員を生活者との“接点”となる自社サイトや企業説明会など企業コミュニケーションの場に登場させています。これらの手法が実際に生活者に好ましく思われていることが分かります。

次に、女性(F1~F3)を見てみると、「商品的魅力」の数値が「人的魅力」よりも高いか、ほぼ同値となり、男性に比べて「商品的魅力」に敏感です。

「商品的魅力」とは、商品・サービスの独創性やアフターサービス力、コストパフォーマンスなど、商品・サービスを通じて伝わる魅力を指します。このことから、女性に対する情報発信においては、商品・サービスにフォーカスする方がよいことが分かります。多くの女性誌や女性向け情報アプリで、商品やサービスの「お得情報」や「活用術」などが好まれるのも、こういった女性の心理と合致しているといえるでしょう。

なお、残る「会社的魅力」とは、成長戦略や収益性など、優れた財務パフォーマンスとそれらを支える仕組みや取り組みに関する魅力を指します。投資家やビジネスパーソンなど企業のビジネス面に関心が高い層にとっては重要な指標といえますが、性年代別の分析では大きな割合は占めていません。

各属性に響く魅力にフォーカスしたコミュニケーションを

「人的魅力」「会社的魅力」「商品的魅力」の3要素をさらに細かく、6領域(リーダーシップ、リスク・ガバナンス対応、ソリューション力など)に分類し、18項目でデータを見てみます(18項目の詳細は第1回参照)。

属性別の18項目の反応

表の中で色付けされている項目は、全体の数値よりも3ポイント以上高い数値(赤色)と低い数値(青色)を示しています。

各属性の主な特徴は以下の通りです。

M1:「人的魅力」のリーダーシップと職人のこだわりが高い数値を示している一方、「商品的魅力」は全体的に低い。

M2:職人のこだわりが高いが、それ以外に目立った特徴なし。

M3:全体よりも3ポイント以上低い数値はない一方、全体よりも数値が高い項目が「人的魅力」で4項目、「会社的魅力」「商品的魅力」でもそれぞれ3項目、2項目あるなど全体的に敏感。中でも「人的魅力」のアイデンティティーは全体よりも9.2ポイント高くなっている。

F1:全体的に低い数値が目立つが、「商品的魅力」のソリューション力において高い数値を示している。

F2:「人的魅力」と「会社的魅力」では全ての項目において、全体よりも3ポイント以上低い数値を示している。また、「商品的魅力」においても、目立った特徴はない。

F3:F1、F2と異なり、全体よりも3ポイント以上低い項目はなく、「会社的魅力」の社会共生と「商品的魅力」の安全性・アフターサービス力・クレーム対応の2項目で全体よりも3ポイント以上高くなっている。

属性別に反応しやすい魅力が分かれば、コーポレートブランドや商品ブランドのコミュニケーションにおいて、企業の行動(Fact)のどのような側面を重点的に打ち出していけばいいのかのヒントになります。例えば、M2層向けの商品展開を行っている企業であれば、その商品の開発に当たって、どのように職人のこだわりが生かされているのかという企業活動を中心に据えて発信していくのもいいかもしれません。自社がターゲットとする生活者の属性の特徴を踏まえて、今後のコミュニケーション活動に生かしてみてはいかがでしょうか。

ACC賞   新設部門でグランプリ他の 受賞作が決定

全日本シーエム放送連盟(ACC)は9月11日、東京・千代田区のヤフー オープンコラボレーションスペース「LODGE」で「2017 57th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」クリエイティブイノベーション部門の最終審査会を開催した。
同アワードは、テレビ、ラジオCMの質的向上を目的に、1961年にスタートした広告賞「ACC CM FESTIVAL」を前身としている。2010、14年に新部門を創設したのをはじめ、2017年はメディアクリエイティブ部門とクリエイティブイノベーション部門を加えることで、対象をあらゆる領域のクリエイティブへと拡大。日本のクリエイティブ業界最大級のアワードとして認知されている。

今回が初となるクリエイティブイノベーション部門には、109作品の応募があった。
審査はビジネスの大きさよりも新しいチャレンジを高く評価するもので、「ビッグ・アイデア×テクノロジー」をテーマに、未来をつくり出す、世の中を動かす可能性のあるプロダクト&サービスやプロトタイプについて表彰を行った。

最終審査会は、7月25日の二次審査会を通過した5チームによる公開プレゼンテーション形式で行われ、小さな力で移動することが可能な足こぎ式の車いす「COGY Wheelchair」が総務大臣賞/ACC グランプリを受賞した。
同作品を応募したTESS/東北大/M2デザイン/TBWA\HAKUHODOは、「車いすの歴史は2600年くらいある。その間に、多くの人が立ったり歩いたりすることをあきらめてきた。今日、この受賞をきっかけに、日本発のこうした車いすがあることをたくさんの人に知ってもらい、『あきらめなくていいんですよ』と伝えたい」とコメントした。

ACC ゴールドはシタテルの「服づくり4.0『WE ARE』」、ACC シルバーはソニーの「toio」、ACC ブロンズは慶応大大学院メディアデザイン研究科/東京大 先端科学技術研究センターの「MetaLimbs」と博報堂/ワン・トゥー・テン・ホールディングス/博報堂プロダクツ/AOI Pro.の「ELI」がそれぞれ受賞した。

審査委員長を務めた東京大の暦本純一教授は、グランプリの「COGY Wheelchair」について「車いすは、これからわれわれもお世話になる。歩ける、歩けないの間にいる人は増えてくる。そこをデザインとテクノロジーで解決している」と評価理由についてコメントし、「ACCクリエイティブイノベーション部門は今年開設された賞で、今後は受賞した皆さんがこの賞を形づくると言っても過言ではない。最終審査では多くの議論が交わされた。応募作品はそれぞれに技術や個性があり、優劣をつけるのが難しかった。それぞれが独立した賞であると言ってもいい」と総評を述べた。

ニューズピックス編集長の佐々木紀彦氏がモデレーターを務めるトークセッションでは、安宅和人氏(ヤフー CSO)、鈴木雅穂氏(トヨタ自動車 未来プロジェクト室 室長)、池澤あやか氏(タレント/クリエイター)が「来る未来社会におけるクリエイティビティ」をテーマに議論を展開。
第2部では井上裕太氏(QUANTUM Startup Studio 事業責任者)がモデレーターを務め、「未来をどうやってつくるか クリエイティブインダストリーの可能性」をテーマとし、パネリストの暦本純一氏(東京大教授/ソニーコンピュータサイエンス研究所副所長)、深田昌則 (パナソニック アプライアンス社 Game Changer Catapult 代表)、稲田雅彦氏(カブク 代表取締役 CEO)とトークセッションを行った。

公式サイト:
http://www.acc-awards.com/festival/2017fes_result/ci.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電通、ゲノム技術をビジネスに活用する社内外横断組織「Smartcell & Design」を発足

9月12日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年9月12日

電通、ゲノム技術をビジネスに活用する社内外横断組織「Smartcell & Design」を発足

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、国内外のゲノム技術に関する知見を集め、ビジネスに活用していく社内外横断組織「Smartcell & Design」(※1)(スマートセル・アンド・デザイン、URL:www.smartcell.design)を本日付で発足させます。

バイオ分野では近年、ゲノム解析・編集の技術革新により、大幅なコスト削減・高速化が実現しています。医療分野がパーソナルゲノム(※2)時代に突入する一方で、食品、衣料、エネルギー、化学原料などをはじめとした医療以外の分野においても、スマートセル(※3)の普及に伴い、2030年には工業分野(スマートセルインダストリー)がバイオ産業の約4割を占めるようになるとの予想(※4)もあります。

スマートセルを活用したビジネスデザインに着目する当社はこれまでも、ゲノム編集や合成生物学の世界的権威・研究機関とのネットワーキングを通じて、「Smartcell & Designキッズイベント」(※5)など多様な取り組みに関わってきました。
さらに今後は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など他の先進技術とも親和性の高いスマートセルインダストリーが本格化する社会を見据え、それを先取りし、顧客ニーズに柔軟かつ迅速に対応できる組織を目指します。

提供するサービスはコミュニケーション領域にとどまらず、ビジネス開発のアイデアやソリューションなど多岐にわたります。
そのため、メンバーは、ゲノム・スマートセル領域の第一人者のみならず、技術の価値を多様な産業に接続して最大化させることが可能な専門・非専門混合チームで構成しており、オープン・イノベーションのスタンスで、今後も幅広い拡張を見据えて体制を強化していきます。

当社は、工業、農業、物性、医療、エネルギーなどのゲノム関連分野で、今までの前提を覆すアイデアと実現手段をもって暮らしに役立つサービス、ソリューションを提供し、豊かな社会の実現に貢献してまいります。

■「Smartcell & Design」のロゴマーク

「Smartcell & Design」のロゴマーク

※1 Smartcell & Designは、電通が商標出願済みです。
 
※2 パーソナルゲノム医療:一般の人々が遺伝子解析を受け、パーソナライズした遺伝子治療や予防医療を受けること。
 
※3 スマートセル:ゲノム編集などの技術を用いて、高度に機能がデザインされ、機能発現が制御された生物細胞。
 
※4 The Bioeconomy to 2030: designing a policy agenda, OECD, 2009、および、バイオテクノロジーが生み出す新たな潮流〔スマートセルインダストリー時代の幕開け〕中間報告書,経済産業省、より。
 
※5 Smartcell & Designキッズイベント:これからの社会を支える小中学生に、早期にゲノムやスマートセルの概念に触れてもらい、社会への利活用の可能性を考えてもらうイベント。

www.smartcell.design/projects/kids/genomekids_170820/

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0912-009359.html

キーパーソンと語る、コンテンツマーケティングのあるべき姿とは?

ミレニアルズが市場の主役として脚光を浴びる今、コンテンツマーケティングに向けた取り組みが本格化しつつある。この分野の先駆者であるアウトブレインは、コンテンツディストリビューションには欠かせないプラットフォームとして、日本でも存在を増している。ただ、当初の盛り上がりは一段落し、「やはりコンテンツを継続的につくるのは至難の業だ」「感覚的にコンテンツマーケティングへの期待はあるが、効果が定量化できなければ実施できない」などの声も現場からは聞こえてきている。

こうした中、アウトブレイン創業者のヤロン・ガライ氏が3年ぶりに来日した。今回は、コンテンツ提供と、支援業務を行うニュースクレドと一緒に日本のマーケターらと交流を深めた他、7月12日に行われたイベントに登壇するなど精力的に活動した。

電通報では、ニュースクレドの上級副社長チャールズ・ハフ氏と彼が行った対談をお届けすることで、ミレニアルズに向けたマーケティングにおいて、コンテンツマーケティングは有効なのかという根源的な問いを読者と一緒に考えていきたい。対談には、アウトブレインジャパンの嶋瀬宏氏、電通ビジネス・クリエーション・センターの青木圭吾氏も参加した。

左から、嶋瀬 宏氏、ヤロン・ガライ氏、チャールズ・ハフ氏、青木圭吾氏
左から、嶋瀬 宏氏、ヤロン・ガライ氏、チャールズ・ハフ氏、青木圭吾氏

──ヤロンさんには2014年7月にも話を聞きました(記事:消費者にコンテンツをどうやって届けるか?)。あれから3年たち、日本のブランドや企業の中にもコンテンツマーケティングに取り組むところが増えました。その一方で、実施し始めたからこそ湧く疑問や、そもそもコンテンツマーケティングって有効なの?という不安を持つ方もいます。

まず、お二人の現状認識からお願いします。

ヤロン・ガライ(以下、ヤロン)アドブロッカーがよく使われていること、フェイクニュース問題など、今マーケティングを取り巻く課題を見るに、われわれが会社をつくった際のテーマが重要性を増してきていると思います。

そもそもコミュニケーションでは、「消費者が何を求めているか」を理解することが重要です。消費者が何に対して一番注意を払うかといえば、自分にとって興味関心のあるコンテンツか否かです。マーケターはこの現実を知るべきです。

チャールズ・ハフ(以下、チャールズ)ヤロンさんに同感です。

そして少し補足をすると、コンテンツを起点としたコミュニケーションを進めていく際、効果検証に対する意識が変わっている。それはテクノロジーに伴い、コンテンツの効果を具体的に可視化したり、アクティビティーのROI(投資収益率)の効果を測定できるようになってきたことが大きな要因ではないかと思います。

アドブロッカーの普及スピードからも明白なように、消費者はコンテンツ体験を邪魔されることに対して明確に反発している。そのような状況を考えれば、コンテンツを起点としたマーケティングは、単なるファンの獲得にとどめずに、もう一歩踏み込んで具体的な事業収益の向上に用いるべきです。そのような、より効果的に本来のビジネスの目的達成に貢献させようという動きが加速しています。

チャールズ・ハフ氏
チャールズ・ハフ氏

青木圭吾(以下、青木)チャールズさんたちは、「科学的なコンテンツマーケティング」を掲げ、コンテンツとサイエンスの良い部分を生かすことで、コンテンツマーケティングは事業の成長に貢献すると考えています。自分たちのソリューションを通じて実際に事業に有用なアイデアを提供することが彼らの重要なコンセプトです。

──野心的なコンセプトですね。でも、このテーマは、コンテンツマーケティングに疑問を持っている人にとっては興味深い話だと思います。

ヤロン:コンテンツマーケティングは、(AIDMA/AISASモデルを前提とした購買ファネルにおける)ファネルの上部にアプローチする、つまり消費者の潜在的なニーズに訴えかけるケースが多いので、ROIを証明するのが難しいというのは実際あるかと思います。

現状では、コンテンツがどれくらい事業に貢献したかを全て可視化し、評価する手法は発展途上段階です。けれどコンテンツがマーケティングに効果のあることを否定するマーケターは恐らくいないはず。なので、今後はこういったトップ・オブ・ファネルに向けて提供したコンテンツに確固とした価値があることを証明することがますます重要になるでしょう。

ヤロン・ガライ氏
ヤロン・ガライ氏

チャールズ:アメリカでも5年前の段階では、オンラインでのコンテンツマーケティングは始まったばかりでした。ですがこの5年の間にブランドはコンテンツをどのように活用すべきかを学び、その経験が蓄積されています。単に数多くコンテンツをつくるだけではなくて、どのようなコンテンツをつくり、どのように届けたら、ビジネスとしての結果が出るかを考えるほうにシフトしていると感じます。

そうした声に応えて当社が提供しているのが「The Content Marketing Maturity Curve」(コンテンツマーケティング成熟度曲線)と呼ぶツールで、これにより企業やブランドは自分たちのコンテンツマーケティングの現状を把握することができます(図版1)。また、このツールとは別に、1~100までのスコアリングを行うCMMI(The Content Marketing Maturity Index、コンテンツマーケティング成熟度指標)という指標も用意しています。このCMMIにはさまざまなパラメーターが包含されていて、過去に成功したコンテンツマーケティングのプログラムの要素などに基づき、自己評価を行えます。このCMMIは、別の使い方もあります。図版2は、コンテンツマーケティングの活用度を業界別に算出したものです。ここではオフラインのリテールは苦戦していますが、オンラインのリテールのコンテンツマーケティングのプログラムは非常に高いレベル、つまり高い成熟度を達成しているということが分かります。

図版1

図版1

図版2

図版

この二つのツールに加えて、私たちは成功に導くための方法論を用意しています。この点は強調しておきたいのですが、コンテンツマーケティングは、ビジネス戦略との整合性を目指さなければならないと考えています。よって私たちの方法論は、戦略からスタートし、トラフィック、エンゲージメント、アクション、マネタイゼーションの五つを段階的に実施し、繰り返し最適化していくことで、成功に導く。そのためのバリュー・フレームワークです(図版3)。

図版3

図版3

青木:チャールズさんたちは、コンテンツマーケティングをコミュニケーションだけの施策にせず、いかに事業全体へ貢献するかを戦略的に考えるべきと提案しています。そのためには現在の置かれた状況を正しく見極め、その上で施策の全体設計を行い、何を目指すかを明確にすることで、初めてコンテンツマーケティングのROIは可視化できる。マーケターが抱える期待値とズレは、そうすることで補正できるのではないでしょうか。

青木圭吾氏
青木圭吾氏

嶋瀬 宏(以下、嶋瀬)私が実際に日本のクライアントとやりとりする中では、メジャーメント(効果の測定方法、計測方法)が適切でなかったり、メジャーメントすべきものを見失っているというケースもあります。

先日、トラフィックの流入のほとんどがメールマガジンからになっているブログについて、こんな相談がありました。来訪者数は安定しているのだが、直帰率が非常に高くて困っているというものです。このケースでは、「直帰率=悪い」を前提に考えると、何か改善策を講じなくてはとなりますが、実際にはほとんどの読者がレギュラーカスタマーで、過去にメルマガ経由でほとんどの記事を読んでいるユーザーが多いので、新しいコンテンツを読むと帰ってしまう。なので、直帰率が高いことは悪くなく、むしろ重視すべきは、コンテンツの拡充、および新規のユニークユーザーの集客・定着に向けた施策などです。デジタルマーケティングには、さまざまな指標がありますが、いずれもコンテクストがある。そのコンテクスト抜きで、指標だけで物事を判断することは良い結果を生みにくいと考えます。

さまざまな技術革新やミレニアルズの台頭など、変化の激しい現在の状況では、デジタルマーケティングの定石が通用しない。むしろ定石通りにやると失敗してしまう。なので、失敗して当たり前、その失敗からいかに学ぶかも含めてROIを考える必要がある。とはいえ、当然ながら失敗は具体的な経験の蓄積から防ぐことができるようになるので、それを確立できた企業がイニシアチブを握ることになる。われわれソリューション側やエージェンシーの存在意義は、いかにクライアントのサポートをできるかにあるでしょう。たとえ当初の目標に届かなかったとしても、ラーニングカーブにおいてどこにいるかなど、マーケターと一緒に考えることができますので。

嶋瀬 宏氏
嶋瀬 宏氏

──ニュースクレドがアマナ・グループと連携し、日本で事業を展開(詳細はこちら)すること、そしてアウトブレインの利用が広がることで、コンテンツマーケティングを加速させるわけですね。そこは期待しましょう。

ただラーニングカーブの途中といっても、やはり自分たちの施策が、どんな貢献をしてくれるのか、コンテンツマーケティングの成功事例での心構えなど、マーケターの率直な疑問はあると思います。いかがでしょう?

ヤロン:繰り返しになりますが、やはり根本的な情報消費の在り方の変化を捉えることが重要です。ミレニアルズたちは、消費性向が変わっている他、広告への反応が全く違う。これはコミュニケーションの在り方を根本的に見直すことを迫っているのです。

チャールズ:私からは、三つの「O」、オーガナイゼーション、オペレーション、オプティマイゼーションを挙げましょう。オーガナイゼーションは、自分の組織が、どういうサービスを提供していて、何を伝えたいかをきちんと理解する。そして、消費者が何を求めているかを理解した上で、何をしたらいいかを見つける。このときに独り善がりになってはいけません。そして、やることがきちんと分かっても、それを実現するオペレーションがなければ、実際に届けることができない。よって、どうやって行うのかをしっかり考えるべきでしょう。三つ目のオプティマイゼーションは、KPIやROIの重要性が叫ばれるパフォーマンスマーケティングの時代には不可避です。そのことを前提として、一つ一つの結果を可視化する。そして可視化の努力を続けることです。

青木:さらに加えるなら、アウトブレインやニュースクレドといった優れた“手段”で自社の“目的”を達成するために何をするべきかという問いに向き合うことが重要だと考えます。その際にわれわれエージェンシーは生活者の動向や業界のトレンドなその知見も生かせるはずですし、彼らの海外での取り組みなどを日本の状況に合わせて、トータルにコンサルテーションすることもできる。

海外の先行事例ではコンテンツマーケティングが事業に貢献しつつあります。日本では、マーケティング手法のひとつと認識されがちで、事業に貢献するという本当のポテンシャルが十分に理解されていない傾向もある。本当のコンテンツマーケティングは、具体的な事業成長へ貢献する。この部分をわれわれが一緒になって考えていく必要がありますし、今後のエージェンシーはクライアントの事業成長にいかに具体的に貢献すべきか、という問題意識が求められると私は思っています。

──「本当のコンテンツマーケティングは、事業成長に貢献できる」というのは、野心的な話ですね。それを提唱するからには、エージェンシーの気構えも変わっていくということでしょう。今後が楽しみです。ありがとうございました。

※この記事には、関連記事[「本当のコンテンツマーケティング」を加速させるためにできることhttps://dentsu-ho.com/articles/←仮URL]があります。こちらも、併せてご覧ください。

デイリーポータルZの林編集長が提唱「これからは常にネット映えを考えないといけない」

デイリーポータルZの林編集長が、電通国際情報サービス(ISID)の研究開発組織、オープンイノベーションラボ(イノラボ)のプロジェクトに対してグロースハッカー(※1)として提案をしていくこの企画。4回目となる今回は、約1年ぶりの更新となりました。当初は「月1回更新の全6回」を予定していました。「途中で終わったら、何かあったな…と考えてください」と1回目の冒頭で述べていますが、1年ぶりとはいえ4回目が更新されますので、何もなかったと考えてください。

そして、今回から書記係として合流した住正徳です。普段は、執筆、映像制作、デザイン、コメディアンなどいろいろなことをやっています。林さんとは古い付き合いです。林さんの提案は、ふざけているようで真面目だったり、真面目なようでふざけていたり、ただふざけているだけだったり、癖のある変化球が多いです。僕の役割は林さんの球種を見極めて皆さまにお伝えすることだと思っています。ですので、今回から所々に注釈を加える方式で、林さんのプレゼンの様子をレポートしたいと思います。

第4回のお題は「DigSports」というプロジェクトです。イノラボの野崎和久さんと阿部元貴さんに、林さんがグロースハックな提案をしていきます。

※1「グロースハッカー」:製品やサービスの成長を新たな手法で加速させる人たちのこと。今回のプレゼンの冒頭で「1年たったらグロースハックって聞かなくなりましたね」と林さんが言っていた。次回から、この企画からグロースハックという単語が消える可能性も。

(左から)イノラボの阿部元貴さん、野崎和久さん、デイリーポータルZの林雄司編集長、住正徳書記係
イノラボの阿部元貴さん、野崎和久さん、デイリーポータルZの林雄司編集長、住正徳書記係、イノラボの野崎和久さん

参加への障壁をなくすために。ぬるぬる、言い訳、見えぬ化

 

林:終わってしまったかと思いました。

阿部:すいません、ナマハゲのプロジェクトにかまけておりまして。今回、林さんに提案をお願いしたい「DigSports」について、開発責任者の野崎から説明を。

イノラボの野崎和久さん
イノラボの野崎和久さん

野崎:DigSportsは、「子どものできるを発見しよう」というコンセプトから始まった企画です。基本的には文科省が推奨している運動テストをITで測ってみようというシステムで、光学センサーを用いてスポーツ動作を測定します。ITを導入することで、運動テストに詳しい人がいなくても自動で正確にテスト結果を測れるものを目指しました。

林:先日、僕も体験させていただきました。今、住さんがやっているところ(※2)も見たので、大体どういうものか分かりました。それを踏まえて1年ぶりにお話ししたいと思います。

デイリーポータルZ林編集長越しに、運動テストを受ける住書記係
デイリーポータルZ林編集長越しに、運動テストを受ける住書記係

林:この1年間、僕は顔がでかくなる箱(※3)を作って、それで海外に行ったり。プライベートではジョギングを始めたり。だんだん、分かりやすい方向に向かっていました。そして、今日の資料はオール手描きです。

DigSportsグロースハック案
お休み中のできごと

阿部:なぜスライドを手描きに?

林:イラストが多くなったので、これ全部イラストのヘロヘロな線に合わせた方がいいかなって。それで、修正しにくい資料になっています(笑)。で、次のような三つに分けて考えました。

きょうの話

林:まずは最初のプロット。「参加したくなる」ための方法を三つ考えました。基本、僕は運動ができないという立場から考えてしまうのですが。

林:一つ目は、単純に身体的な面白さ、言語化できない面白さを増やそうということで。

身体的なおもしろさを増す

林:例えば、床をぬるぬるにする(※4)とか。ほら、中華屋でぬるぬるのお店とかあるじゃないですか。あれ、面白いですよね。

阿部:面白いですけど。

林:あとはリストバンドと効果音。海外のメーカーフェアとか出ると、光っているものには必ず子どもが寄ってくるので。シャキーンとか音が出ればさらにキャッチーです。

デイリーポータルZの林編集長

阿部:光っているものに寄ってくるって、虫みたいに。

林:この前DigSportsを体験させてもらっている時に、「あ、いいスコアですね!」って言ってもらえるとうれしかったので、ああいうMCって大事だなと。「おっ、いいスコア!」とか、全然いいスコアじゃなかったんですけど、言ってくれている人の気遣いを感じられたり。そういう分かりやすい面白さを増すのが、現場では大切なのではと。

阿部:確かに。運動会でも放送入りますね。「赤組、速い!」とか。

林:僕が使っている筋トレアプリ(※5)も、筋トレに時間がかかると「自分を信じて!」とか言ってくれて。

野崎:なるほど、機械に言われてもうれしいんですね。

林:いや、機械に言われると少しイラっとするんですけど(笑)。

ほかの目的をもたせる

林:最近はスポーツを憎んでないのですが、かつてスポーツが苦手で憎かった者として、他の目的があるといいのでは? って思うんですよね。みんながみんな、ナイキランの数字をアップさせたい人じゃないと思うので。「俺の目的はうどんだから」みたいな。参加する人に言い訳を残すというか。

阿部:これはスポーツじゃなくて、ワインを作りたいからやっている!

林:そうそう。俺、ワイン好きだからさぁ、みたいな。そういうのが必要なのではと。あるじゃないですか、エッチな本を買いたいわけではない。

阿部:資料なんだ! みたいな。

野崎:あくまでも仕事の一部です、という。

林:そうすることで、かつての僕のような「スポーツ憎い層」を取り込めると考えました。

見えないようにする

林:あとは、見えないようにする。完全にこれ僕のためですけど。今、個人ジムとかありますからね。やっぱり、あれは、恥ずかしいからなのではと。

阿部:なんですかね。プライバシーの問題ですかね。

林:ジムに行けない最大の理由って、みんなすごくムキムキ(※6)だから行けないという。あと、ジョギングしている人も、みんな妙に格好いいですよね?

阿部:そうですね。みんなオシャレなウエア着ていて。

林:アメリカで「いいな」と思ったのが、結構ぷよぷよした人たちがジョギングしている。

阿部:はいはい。

林:ああいう人の目を気にしない感はうらやましい。でも、ここは日本なので一蘭形式かなと。一応、「見えぬ化」って書いておきました。

野崎:はははは! 見える化ならぬ、見えぬ化ですね。

阿部:確かに、トレーニング中を見られる恥ずかしさはありますね。

林:そうなんですよね。一生懸命走ってるのに、ふざけてるように見られてしまう人とかいますもんね。

※2「住さんがやっているところ」:書記係の住も「DigSports」を体験。身長、垂直跳び、50メートル走、ソフトボール投げ、反復横跳びを測定された。運動テストを受けただけなのに翌日以降、筋肉痛に悩まされることに。

※3「顔がでかくなる箱」:ダンボール箱、フレネルレンズ、LEDライトを使用して林さんとテクノ手芸部よしだともふみ氏が開発した。国内、海外において数々のイベントに出展し、いずれも大好評を得ている。英訳はBigfacebox。

※4「床をぬるぬるにする」:どんなプロジェクトでも林さんは常にこの提案を盛り込んでくる。今回は運動テストのシステムなので床がぬるぬるだと正確な数値を測れないのでは? と常識的には考えてしまうが、林さん的には「身体的な面白さ」の方に重点を置いている。

※5「筋トレアプリ」:健康診断で数値が悪かった林さんは、薬を飲むか運動をするかの二択を迫られて、ジョギングや筋トレを始めた。最近はふくらはぎに違和感を覚え始め、少しトレーニングを休んでいるという。

※6「ムキムキ」:筋トレを始めて以来、「僕がすごくマッチョになったら面白いと思うんですよ」とよく言っている。ボディービルの大会に出るくらいムキムキになった林さんは確かに面白いし、ぜひ実現してもらいたい。

もう我々はネットに生きている

体験+ネット映え

林:次に、実際に体験するという部分の話なんですけど。今、イベントに行くと必ずフォトスポットがあって、左上の写真はこの前行ってきた小規模な音楽フェス(※7)ですけど、こんな立派な看板があってみんなその前で写真撮るんですよね。日常でも、スノー的なアプリで顔を加工してインスタ映えを気にしていたり。みんな、もうネットに生きてるというか。

阿部:ネットに生きている?

林:実際に阿部さんに会う回数よりも、ネットを通じて阿部さんと接触する回数の方が多いじゃないですか。

阿部:それはそうですね。

イノラボの阿部さん
イノラボの阿部さん

林:ってことは、みんなネットの世界に生きてるんです。で、イベントを企画する時にそれがネットにどう映えるかっていうのを考えないといけない。「経験を売る」とかよく言いますけど、それプラス、ネット映えしないと。むしろ、ワークショップとか楽しくなくても、ネット映えすればいいじゃないかなっていう。

阿部:ワークショップは絵が地味ですもんね。みんな真剣な顔をしていて。

林:そうなんですよ。だから、このDigSportsもネット映えする必要があるのではないか、ってことで二つ考えました。

ネットを意識した体験

林:DigSportsにはベストショット機能というのがあるんですよね? 一番格好いい写真をキャプチャーしてくれる。

野崎:そうなんです。今、推してる機能なんですけど、いつも説明し忘れちゃうんです(笑)。

林:そのベストショット機能はネット映えするなとは思ったんですけど、さらにシェアしやすさが必要なのではと思いました。次の画面がベストショット機能で撮られた写真なんですけど。

ベストショットを加工1

阿部:結構飛んでますね(笑)。

林:ええ、それをさらに加工して、かっこいい背景(※8)と合わせるとすごくシェアしたくなる。こういう機能があるとネット映えするんじゃないかなと。

ベストショットを加工2

野崎:大気圏突破してますね。

阿部:飛びすぎだ!

林:画像の中に、♯付きでDigSportsとか入れるのもいいと思います。クロマキーでやれば、実現できそうですし。

野崎:クロマキーを使わなくても、キネクトだと切り抜きができるんですよ。

林:そうなんですか!すごいな。

野崎:カメラからの距離が分かるんで、被験者の距離と違うものは全部消しちゃうってことができます。

林:それならすぐにできますね!

野崎:技術的には、できます(※9)。

イノラボの野崎さん(左)と阿部さん
イノラボの野崎さん(左)と阿部さん

林:もう一つ、シェアしたくなる方法として「とにかく1位にしてくれる」という仕組みを考えました。

とにかく1位にしてシェア

林:年齢と体格でジャンル分けがあったんですけど、なかなか1位になれないんで。1位になれるように(※10)、なるべく狭い、属性が全てn=1になるくらいの集合にして。

阿部:それだと絶対1位になれますね。

林:練馬区出身で学生時代ボブと呼ばれていた部門で1位とか。品川区在住で視力0.2でホッピー好きとか、こういうの良いなって思ったんですけど。

阿部:これはうれしいですよね。

野崎:1位になるまで自分で絞り込みができるといいかもですね。n=15人の部門でも1位になれた、みたいな。

林:なるほど。品川区では何百位で、視力0.2でギュッと絞り込まれて、母親の旧姓(※11)とかを条件に加えると1位になる。これで、みんなシェアしたくなるはず。自分語りが好きですからね。診断ものとか。

野崎:事前にものすごく細かいアンケートを取らないとですね(笑)。

林:ちょっとね、データを作るのが大変ですね…。フェルミ推定とかでできないですかね?

野崎:品川区在住かどうか、データがないと分からないですものね。

林:例えば視力0.2の人の割合ってデータがどこかにあって、ホッピー好きっていう割合のデータもあって。そしたら、品川区の母数で絞っていけますかね?

野崎:ホッピー好きの割合が区にひも付いていれば…。

林:そうか、そうすると僕が品川区の飲み屋でホッピーの空き瓶数えるみたいなことが必要なのかな。

野崎:ははははは! ホッピー好きなの人は昭和の後半生まれとか、いろいろなもので推定して、42歳、視力0.2でホッピー好きなあなたは可能性として0.2%くらいなので1位じゃないか、みたいな。

林:適当でもいいんじゃないですか!検証しようがないですから。

阿部:適当だとしても、1位って出たらうれしいからシェアしたくなりますよね。

林:24時間以内に異議申し立てがなかったら1位ってことにしちゃっても。

野崎:そこで異議が出たら、もう一つ条件を加えて本当の1位に。

林:それはすごくハッピーな感じがしますね。

野崎:ジャンルの文章が長くなる感じがしますが(笑)。

林:ブロックチェーンみたいですね。だんだん長くなっていく。ま、はやりの言葉を言っただけですけど。弱い社会みたいでいいですよね。

野崎:ユーザー、全員1位なんですもんね。

林:「俺が1位」ってサービス名でどうでしょう。

野崎:ローンチしたくなってきましたね。開発は簡単そうですし。

デイリーポータルZの林編集長(左)と住書記係
デイリーポータルZの林編集長(左)と住書記係

※7「小規模な音楽フェス」:加賀温泉郷で開催された音楽フェス。TOKYO No.1 SOULSET、TOWA TEI、マキタスポーツら、多数のアーティストが参加。林さんはここにも「顔がでかくなる箱」を持ち込み、アーティストたちが大きくなった顔の写真をSNSで拡散させていた。

※8「かっこいい背景」:林さんがかっこいと思い選んだ背景は宇宙。衛星軌道に達したロケットのような写真になってしまったことを林さんは後悔していた。

※9「技術的には、できます」:「技術的にはできるけど実際にやるかどうかは別問題」というニュアンスが「技術的には」の後の句読点から感じ取られた。

※10「1位になれるように」:林さんは「俺このマンションの中で一番みかん食べている」などと言いながら、常に1位になれるジャンルを探しているという。

※11「母親の旧姓」:条件の絞り込みの話をしているうちに、パスワードを設定する際の「秘密の質問」の話になってしまった。

データを活用してロマンのある出会いに持ち込む

 

林:そして、たまっていったデータをどう活用するかっていう話ですが。そこのBtoBのようなアイデアを三つ考えてきました。

Afterデータ活用

林:まず、データがあるってことは、測定数値を上げるためのデータも残っているということですよね? 例えば、こうやって足を上げたら数値が良くなる、というような。

野崎:そうですね。例えば器用さが低いのであれば、投げる動作を練習しましょう、っていうアドバイスの仕方になりますね。「こうやって足を上げて」のような細かいアドバイスというよりは、トレーニングの種類を診断するような形式です。

林:いずれにしても、そういうデータがあるわけなので、それをC向けにしたらいいんじゃないかなって。会場の隅で予想屋さんのように、ああいう感じで売る。買った情報を見てみたら、「腕を大きく振る」とか割と普通のことが書いてあったり。

スコアを挙げる情報を生む

阿部:ま、100円ならいいだろう、っていう?

林:そうですね。で、これをガチャガチャ(※11)に入れたら絶対子ども買いますよ。回すのがカタルシスなので。それに、今の子どもって課金慣れしていますから、「あ、課金か」って。クールに。

阿部:ガチャ、いいですね

野崎:…。

林:あと、最後の診断結果に「あなたにぴったりの競技は」って3種類出ますよね。野球とか、サッカーとか。そこにマイナースポーツの団体から出稿してもらって、お金もらっているスポーツ団体は[PR]ってつけて優先的に出すっていう、グルメサイトのように。

マイナースポーツレコメンド

阿部:ネイティブアドですね。

林:そう。おすすめ順っていうのは、つまりお金もらっている順っていう。

野崎:5000円キャッシュバックって書いてある…。

林:ここから申し込むとキャッシュバック、みたいな。こういうリコメンド枠をつくる。

出合い要素

林:最後に、自分と同じ体力の人がどこか遠くにいるという、そういうロマンに走るという。あなたの体力は、なんと何とかさんと同じです。スリジャヤワルダナプラコッテ(※12)とか全然知らない街に、自分と同じ体力の人がいるんだっていうロマン。もし万が一、それが近くの人だった場合、追いかけっこがずっと続くんですよ。体力が同じだから、楽しい時間がずっと続く。へろへろになっても続く。

阿部:なぜなら体力が同じだから、同じタイミングで疲れるし。

デイリーポータルZの林編集長(左)と住書記係
デイリーポータルZの林編集長(左)と住書記係

林:そうそう。こういうエンドレスな幸せが手に入るという。同じ体力の人で競争するやつはあると思いますが、それが恋人同士だといいですよね。

野崎:いいですね。今度のイベントで初めて披露する機能として、自分のタイプが動物で(※13)出るんですよ。

林:おお!

野崎:なので、あなたと同じ象タイプの人はこの人だ、みたいにはできますね。

林:そうですね。象と象は相性がいいみたいな。

阿部:占いのように。

野崎:象とライオンは相性が悪い。基本は体格や特徴が大きい動物と大型の動物で、小型だとかわいいラッコとか、そういうのが出るようになっていますね。

林:ゴリラは?

野崎:ゴリラも入れていましたが、自分がゴリラって言われたら嫌だっていうメンバーがいたりしたんで。

阿部:すでにあだ名がゴリとか言われていたらかわいそうですもんね。

野崎:いじめにつながるからやめてくれっていう意見も。

阿部:最近はそういうところも難しいですからね。

野崎:なので16タイプつくるまですごく大変で、7回くらいは改定しました。

林:全部象の種類でいくのも面白かも。インド象、アフリカ象、ナウマン象。

野崎:それならけんかにはならないけど…。

阿部:違いが分かりづらい(笑)。

イノラボの野崎さん(左)と阿部さん
イノラボの野崎さん(左)と阿部さん

※11「ガチャガチャ」:林さんが手がけたプロジェクトの中に、「巨大いらないものガチャガチャ」というものがある。いらない物を巨大ガチャガチャに入れて交換し合うという企画だ。大阪でのイベントでは、4日間で2400回転された。

※12「スリジャヤワルダナプラコッテ」:スリランカの首都。名称の由来は、スリ(聖なる)・ジャヤワルダナ(第2代大統領名)・プラ(街)・コッテ(元々の街の名前)。

※13「自分のタイプが動物で」:16種類の動物のうち、唯一架空の動物「ドラゴン」が含まれているという。動物占いでも唯一架空の動物「ペガサス」が入っていて、どうしても既存の動物の特徴に合わない変わった人はペガサスにした、と動物占いの開発者から聞いたことがある。ちなみに林さんの動物占いはペガサスだ。


林さんからのご提案を受けて、先日のイベントではパネルを準備して、シェアしたくなるような場所を作りました。このシリーズでついに提案が採用されました。

digstagram

 

 

ブランドの物語を豊かにするためのコンテンツマーケティングの可能性

オウンドメディアなどを通じて能動的にコンテンツを提供し、継続的な関係を生活者とつくり上げていくコンテンツマーケティング。デジタルマーケティングの新潮流として日本でも数年前から話題になっているが、別記事でも触れている通り、この手法が根源的に持つ、「事業の貢献」という視座に対する認知が進んでいない面がある。

このテーマをめぐって、今年7月からアマナ・グループと提携して日本市場に進出した米ニュースクレドの上級副社長チャールズ・ハフ氏、アウトブレイン創業者のヤロン・ガライ氏とアウトブレインジャパンの嶋瀬宏氏、そして電通ビジネス・クリエーション・センターの青木圭吾氏の4人が議論した。

左から、嶋瀬 宏氏、ヤロン・ガライ氏、チャールズ・ハフ氏、青木圭吾氏
左から、嶋瀬 宏氏、ヤロン・ガライ氏、チャールズ・ハフ氏、青木圭吾氏

嶋瀬 宏(以下、嶋瀬)コンテンツマーケティングの世界では、「コンテンツ・イズ・キング、ディストリビューョン・イズ・クイーン」と考えます。両者は、どちらが欠けても成り立たない。良いコンテンツをつくれば人は見てくれるであろう、という考えは、コンテンツ消費行動がこれまでの世代から大きく変化したミレニアルズには通用しにくくなっています。よって効果的なコンテンツを届けるプランニングも一緒に考えておく必要がある。このあたりは、日本のマーケターの間でも認知されつつあります。

嶋瀬 宏氏
嶋瀬 宏氏

チャールズ・ハフ(以下、チャールズ)ただ大事なことは、コンテンツをつくる人たちがいわばアーティストやクリエーターになってはいけない。素晴らしいコンテンツは大切ですが、これは一つのピース(部分)です。これを組み合わせて全体をつくること。アートとサイエンスの融合、私たちが提唱する「科学的なコンテンツマーケティング」のポイントはここにあります。まずコンテンツをつくって、後でデリバリーを考えようというやり方ではなくて、前もってどういったストラテジーを持って、どのようなコンテンツをつくり、どうやってデリバリーすることで、それを適切な人に届けるかを考えることが、コンテンツやトピックの正しい選定にもつながります。当然ですが全てのアクションは深く関係し合っているからです。

チャールズ・ハフ氏
チャールズ・ハフ氏

青木圭吾(以下、青木)そして「科学的なコンテンツマーケティング」のゴールは、事業への貢献です。コンテンツづくりが目的化してはいけません。例えばニュースクレドではライセンスコンテンツを用意することで、スピード感のあるコンテンツマーケティングのスタートを可能にしています。

チャールズ われわれは、エコノミスト、フォーブス、ウォールストリート・ジャーナルなど約5000社のパブリッシャーと契約を結び、4000万本を超える記事を著作権利処理済みの状態で保有しています。これらのコンテンツを提供することで、クライアントがオウンドメディア上で自社のサービスをブランディングするときに、パブリッシャーの信頼性を生かしてユーザーのエンゲージメントを獲得するサポートができる。またライセンスコンテンツを使うことで一定量のトラフィックを自社のオウンドメディアに生み出すことができるため、オリジナルコンテンツをつくる際の方向性を把握することが可能になります。

ネットフリックスを例にしてみましょう。彼らはサービスの初期段階ではオリジナルのコンテンツはつくらずにライセンスコンテンツ、既にどこかで放送されたコンテンツを大量に用意してユーザーに提供していくという形をとっていました。そのコンテンツ消費の傾向を分析していく中で、どういうコンテンツに対してどのようなトラフィックの傾向があるか、どういうものがいつ見られているかなどを計測し、人々は何を求めているのかということを学習した。その上で、良質なオリジナルのコンテンツをつくり、成功につなげていきました。

これと同じように、われわれのライセンスコンテンツを活用してユーザーの動向を理解した上で、自社のオリジナルコンテンツを提供していく。まずは自社のコンセプトにフィットするライセンスコンテンツを大量に展開してサイト全体のコンテンツ量を確保し、その上でサイトのパフォーマンスを精緻に計測しながらライセンスコンテンツだけでは埋めることのできない“ミッシングピース”を把握して、そこに高い効果が期待できるオリジナルコンテンツを展開する。それによって優れたパフォーマンスを持つメディアを運営することを提案しています。

──ライセンスコンテンツで一定のトラフィック量を確保し、そこで動向を把握することで、どのような方向性でオリジナルコンテンツをつくればユーザーに支持されるかが分かるんですね。それは、目からウロコの話です。

青木:ライセンスコンテンツでユーザーの傾向を大まかに知っておくと、オリジナルコンテンツのパフォーマンスをより正確に把握できるようになるし、それぞれのオリジナルコンテンツのKPIへの貢献度を可視化できるようになります。オリジナルコンテンツは、コンバージョンへの貢献度は高いのですが、それにはコストも時間もかかる。オリジナルコンテンツの貢献度が個別に分かれば、どういった順序でどのようなコンテンツをユーザーに提供していくのがユーザーにとって快適かつ最適なジャーニーなのか、ということが考えられるようになる。

われわれがニュースクレドに期待していることは、彼らが持つ膨大なライセンスコンテンツを活用できること、そしてコンテンツのパフォーマンスを管理・運用できるプラットフォームを備えていることです。それによって、アウトブレインでどのコンテンツを、どのユーザーに届けるべきなのかが分かるようになる。つまり、まずニュースクレドで質の高いコンテンツを効率的に集め、オウンドメディアに配信する。次に個別コンテンツのパフォーマンスを鑑みながら、ユーザーのコンテンツに対するエンゲージメントの状況を把握して、最適なジャーニーを理解するそうなれば、アウトブレインにおいても的確なコンテンツ配信プランを設計できるようになる。このようにして、クライアントがユーザーにとって価値のあるコンテンツ体験を自社のオウンドメディア上で提供できる仕組みが構築できると考えます。

青木圭吾氏
青木圭吾氏

嶋瀬:そこに加えると、私たちはコンテンツのKPIに対する貢献度を一元管理できる「トレンディーモン」というツールを扱っています。現在の分析ではラストクリックをもたらしたコンテンツへの評価にとどまっていますが、全てのコンテンツジャーニーには興味関心の入り口となるコンテンツがあって、態度変容を促すナーチャリングのコンテンツを経て、最後のアクションにつながっている。その相関性を把握しないことには正しいコンテンツ評価はできません。これを可視化するのがトレンディーモンであり、彼らのツールをクライアントへ紹介することでコンテンツへの正しい評価軸を持っていただきたいと考えています。

チャールズ:あと私たちは、日本のパブリッシャーに大きな期待を持っています。それが、アマナと提携した狙いです。この提携により、世界中のパブリッシャーのコンテンツを日本へ紹介する他、日本の優れたコンテンツをアメリカやアジアをはじめとした世界各国へ発信していくということも、大きなビジョンのうちの一つであります。

──それは、日本のコンテンツマーケティング関係者にも、パブリッシャーにも朗報ですね。

チャールズ:私たちが強調したいのは、こうした活動が従来のものと大きく違うのは、キャンペーン型広告の効果はなかなか蓄積しにくいけれど、「オールウエーズ・オン・マーケティング」におけるコンテンツの効果は蓄積ができること。つまり、コンテンツは企業の資産になるのです。コンテンツマーケティングというのは、従来のやり方に加わった新しいものではなく、それらと競合せずに、むしろ、今までやってきたマーケティングを、より効果的に最適化する。その意味で、マーケティング自体の未来だと思っています。

──その意味では、ヤロンさん、チャールズさんが事業を通じて提案しているコンテンツマーケティングは、マーケティングの先祖返りというか、ピュアなマーケティング、「ザ・マーケティング」になっているようですね。

ヤロン・ガライ(以下、ヤロン)私はアウトブレインを起業する前に、サーチエンジンのマーケティングを支援する会社をしていました。当時、オフラインのマーケティングで、最も最前線にいる方々でさえ、「サーチ上で広告が出せますよ」と言っても、「いや、そんなのはマーケティングじゃない」との反応でした。今となっては、(SEOなど)検索エンジンのマーケティングは当たり前になっています。その経験からいうと、今後コンテンツを通じて、消費者に価値を提供していくということも、当たり前になっていくと思います。

ヤロン・ガライ氏
ヤロン・ガライ氏

チャールズ:コンテンツマーケティングというのを別の名前で呼び直すなら、オーセンティック・ストーリーテラー、本当の意味でのストーリーテリングと言えるかと思います。なぜサービスを提供しているか、なぜ商品を提供しているか、その価値は何か、などを突き詰めて考え、ブランド自体が、ブランド自身のストーリーを紡いでいけるかがマーケティング、ということになる。ストーリーのないブランドは、ただの製品です。その意味で本質を突き詰めていくと、ストーリーテリングできるかに帰結すると思います。

ヤロン:ミレニアルズは、あらゆる方法で、可能な限り広告をスキップするし、ブロックもする。彼らに対してメッセージを届けていくには、コンテンツというフォーマットを通しての価値提供以外にはありません。また当然、人それぞれで趣味嗜好は違うので、自分に向けてパーソナライズされたコンテンツであると感じてもらえるよう、多くのコンテンツが必要です。しかも態度変容を起こすことのできる良質なもので、適切なタイミングで届けられなければ意味がありません。そして、これは近未来の話ではなく、今日現在、この瞬間に起きている現実としてそこにあります。

──そうした中で、ニュースクレドでは、“プリセールス”という概念を提唱しているようですね。

チャールズ:私たちが「アドバイザリーサービス」と呼ぶものですね。われわれが事業を始めたときには当然、コンテンツと、それを管理・運用するプラットフォームを用意しました。しかし、事業を進めていくうちに、コンテンツマーケティングはそんなにシンプルじゃないと気付きました。そこで、アドバイザリーというファンクションを強化したのです。

コンテンツマーケティングには優れたストラテジストの存在が重要なことは自明なことですが、それは単にコンテンツの運用を請け負うだけではなく、案件を受注する前にプロジェクトに対するクライアントのKPIをクリアにすること、言い方を換えれば“正しい需要”を生み出すことに合意する必要がある。クライアントからわれわれのサービスのケイパビリティに対する正しい理解を得ながら、一緒にどのような目的を達成していくかをしっかり議論する、これがわれわれのプリセールスの考え方です。

──日本では、手付かずの領域という印象がします。そこの認知には、電通にもやれることがあるのではないでしょうか。

青木:おっしゃる通りです。コンテンツマーケティングが注目され始めた数年前は、とりあえずオウンドメディアを用意してコンテンツをつくり始めれば評価されました。しかし最近は「ところでコンテンツマーケティングって、売り上げに貢献しているのか?」と経営層などから質問されたときに、きちんと説明ができないケースがあることを耳にしています。そういった事態に陥らないためにも、新たな施策を実行する前の段階で最終的に何を目指すべきか、それを実現するためにどのソリューションをどのように活用し、関係する各プレーヤーはどこまで何をするべきなのかをしっかりと関係者全員で合意した上で、施策を実行する。これは別にコンテンツマーケティングだから必要なのだということではなく、パフォーマンスが細かく可視化できるデジタル時代のマーケティングである以上は、必然的なものだと考えます。

そういった意味では、単に優れたソリューションを紹介するだけではエージェンシーの存在価値は出しにくい環境になっています。極論すれば、クライアントにしてみると「良いツールを紹介してくれてありがとう。あとは自分たちでやるよ」というのが本音でしょうから。ただ、ヤロンさんやチャールズさんたちのお話にもありましたが、世界的に混沌が深まり、ミレニアルズの台頭などを含めて時代は大きな変革を迎えています。そうした中で、ブランドマーケターにとって大切なのは自社の事業の成長であり、デジタルソリューションは、その手段でしかありません。さまざまな出来事が目まぐるしく起こり、変化が激しい中で、ブランドマーケターの方々がそういった“手段”の情報収集や、良しあしの判断に時間を費やすことが果たして良いことなのでしょうか。

われわれは、最先端のグローバルブランドや企業と向き合いながら、海外ソリューションの動向を常にアップデートしています。そうしたわれわれのようなエージェンシーが、ツールの単品売りや機能売りをするのではなく、優れたソリューションが持つケイパビリティを組み合わせてブランド企業ごとにカスタマイズして提案をしていく。一方で、ブランドマーケッターは消費者に対してどのような新しく素晴らしい体験を提供できるのか、ということにフォーカスしていく。これこそが「本当のコンテンツマーケティング」のあるべき姿だと考えますし、われわれはそれを加速させる存在になるべきだと考えています。

──なるほど。デジタルマーケティングにおけるエージェンシーの役割も変わりつつあるわけですね。今日はありがとうございました。

※この記事には、関連記事[事業に貢献する「本当のコンテンツマーケティング」を始めよう]があります。こちらも、併せてご覧ください。

新聞広告大賞に東京都交通局「思い出ガタゴト 東京都電diary」

日本新聞協会は9月7日、第37回新聞広告賞の受賞作を発表した。
新聞広告大賞は、東京都交通局の「思い出ガタゴト 東京都電diary」に決まった。

東京都交通局「思い出ガタゴト 東京都電diary」

東京の街中を網の目のように走った都電の思い出を後世に語り継ぐため、読者からエピソードを募集し、新聞小説形式で紹介した。500件以上の応募の中から取材を経て掲載された50編は、いずれも懐かしい気分を誘う出来栄えで、ゆっくりと読むテンポが新聞にうまくマッチしている。情報収集力、取材力、記録性といった新聞の媒体特性を十分に生かした内容は、都電の歴史をつづる貴重な資料になった。読者が作った新聞広告という点も画期的として評価された。

新聞広告賞は、新聞広告の新しい可能性を開拓した広告活動を顕彰し新聞と広告の発展に資することを目的に1981年に創設。広告主部門と新聞社企画部門の2部門がある。新聞紙上で優れた広告活動を展開した広告主企業、新聞社に贈られる。

広告主部門299件(単独広告主297件、複数広告主2件)、新聞社企画部門66件(単独企画62件、共同企画4件)の計365件の応募があり、大賞1件、新聞広告賞10件を選んだ。また、広告主部門について10件の優秀賞を、新聞社企画部門について5件の奨励賞を決めた。

贈賞は10月20日、千代田区の帝国ホテル東京で開かれる第60回「新聞広告の日」記念式典で行われる。

受賞作品は次の通り。

[広告主部門・新聞広告大賞]

◇思い出ガタゴト 東京都電diary
 東京都交通局

[広告主部門・新聞広告賞]5作品(広告主名50音順)

◇11月11日はポッキーの日。ではなく、ポッキー&プリッツの日です。
 江崎グリコ

◇オロナミンC「20年分のありがとう新聞」
 大塚製薬

◇「熊本復興応援」新聞社連合特別企画! パノラマ6、ビッグクリエイティブでの展開!
 キリンビール

◇MADE IN MIYAGI
 東洋ゴム工業

◇神戸開港150年記念 神戸とマッチの素敵な関係
 日本燐寸工業会

[新聞社企画部門・新聞広告賞]5作品(会員名簿順)

◇最後だとわかっていたなら
 岩手日報社 広告事業局

◇みやぎ35市町村 地域愛新聞
 河北新報社 営業局営業部

◇けらっしゃい YAMAGATA プロジェクト
 山形新聞社 広告局

◇避難所もっとより良くプロジェクト
 神戸新聞社 営業局

◇「カープ」コンテンツを活用したパーソナルアドと特別号企画
 中国新聞社 広告局広告営業部

[広告主部門・優秀賞]10作品(広告主名50音順)

◇お正月はAbemaTVを見よう!
 AbemaTV

◇避難指示解除によせて 復興への思いと感謝を伝える
 飯舘村

◇NTTドコモ「最近、出番が減っています。」
 NTTドコモ

◇進もう、九州。
「進もう、九州。」推進活動実行委員会 

◇SMAP大応援プロジェクト
 SMAP大応援プロジェクト

◇「あたらしい服を、さがそう。」
 宝島社

◇JR貨物認知度向上キャンペーン
 日本貨物鉄道北海道支社

◇せかいを、ぬりかえよう。
 パナソニック

◇第四新卒採用
 森下仁丹

◇祭りののどに、龍角散。
 龍角散

[新聞社企画部門・奨励賞]5作品(会員名簿順)

◇いぐする!宮城サポーターズ
 河北新報社 東京支社営業部

◇8.11 祝 山日新聞
 山梨日日新聞社

◇Hello!ESSA「再発見SADO」
 新潟日報社 広告局

◇奈良遺産70-魅力再発見プロジェクト ~ええとこあるやん、奈良。~
 奈良新聞社 東京支社

◇本日4月1日はエイプリルフールです。
 南日本新聞社 営業局

 

「生鮮食品」のネット通販。Amazonフレッシュは、ここまでやる!

Amazonフレッシュ アイキャッチ

なんでもネットで買う世の中でも、なかなかEコマース(EC)化が進まない生鮮食品。日本の食品のEC化率は2%程度と他のカテゴリーに比べて低く、中でも生鮮食品は多くの人がネットではなく店頭で購入しています。“食品をネットで買わない理由”として、電通で実施したグループインタビューなどでは「品質や鮮度が気になる」という声が聞かれました。

そんな生鮮食品のECに真正面から取り組むべく、4月からスタートしたアマゾン(Amazon.co.jp)のAmazonフレッシュ。ネット通販の大手が満を持してスタートさせた新事業は日本人の購買行動を変えるのでしょうか。アマゾンジャパン、Amazonフレッシュ事業本部リテール事業部長の荒川みず恵氏に話を聞きました。

Amazonフレッシュ イメージ

米国でのスタートから10年。「このタイミング」だった理由

神野:改めてAmazonフレッシュの概要を教えてください。

荒川:Amazonプライム会員向けの「生鮮食品、日用品の宅配サービス」です。注文からお届けまで最短で4時間。受け取りは午前8時~午後12時まで可能です。

神野:アメリカではシアトルで2007年にスタートし、2013年にはシアトル以外の都市への拡大が始まっています。日本でのスタートが今年になったのはどういった理由でしょうか?

荒川:日本でもサービスの準備をずっとしてきて、全てが整ったのが今年だったのです。慎重にテストと検証を重ねて、「これなら品質、安全性などお客さまの前に出せる基準に達した」と判断できたので、このタイミングで開始しました。

Amazonフレッシュ PCサイト

神野:非常に丁寧に準備されたということですね。具体的にはどういった準備をしてきたのでしょうか。

荒川:お客さまに喜んでいただくためにやるべきことを、ひたすら積み重ねてきました。アマゾンだけで考えるのではなく、日本市場をよくご存じのメーカーや卸業者などパートナー企業と、品ぞろえから物流まで細かく相談しつつ、保管テストや輸送テストも何度も行いました。

神野:特に、日本市場ならではの品ぞろえは重要ですよね。国によって季節ごとの旬の商品も変わってきますし。

荒川:品ぞろえの豊富さはアマゾンが常に重視している点です。旬のものはもちろん、牛乳や豆腐など毎日消費するものが当たり前に手に入るように、充実させました。商品の入れ替えについては、現場のスタッフがパートナー企業と相談しながら、旬の野菜やフルーツ、魚などをいち早く取り入れられるようにしています。

鮮度を保つために温度、梱包、配送まで配慮

神野:生鮮食品のECとなると、専門的なノウハウも必要かと思います。先行してサービス開始していたアメリカなどのノウハウを基にされたのでしょうか。

荒川:アメリカやイギリスの輸送や倉庫運営を参考にはしましたが、日本の食品衛生管理の厳しさだったり、日本のお客さまならではの鮮度に対するこだわりにも応えるため、独自にさまざまな工夫をしました。サービス開始前には、実際に日本のお客さまにも「注文」や「受け取り」などのテストに協力いただいています。

まず、鮮度を維持して商品を保管するためのコールドチェーン(低温物流体系)の実現が必須でした。試行錯誤の結果、「6温度帯の倉庫を持ち、3温度帯での輸送を常時行う」という仕組みを実現できました。

宅配時のパッケージやボックスにも気を配っています。宅配の紙袋に防水加工をしたり、カスタマーサービスの電話番号を表示するのは日本独自の工夫ですね。

Amazonフレッシュ 倉庫内

神野:特に日本の消費者は、食の品質やサービスへのこだわりが強いです。他に現場で気を付けていることはありますか。

荒川:リアルの店頭と違ってお客さまが実際の商品を見たり触ったりできないので、倉庫スタッフが“お客さまの目”になり、商品をチェックします。傷みやすい肉や魚や果物は、“6面チェック”をしています。入荷の時点でも厳しい検査をしていて、返品する商品もあります。入荷後は毎日専門スタッフが巡回して商品をチェックし、ピッカーが商品を持っていく時にも最終チェックをします。

また、気持ちよく受け取っていただけるよう、梱包時は「重いもの」「固いもの」を下に、「軽いもの」「柔らかいもの」を上に詰めるように気を配っています。お客さまがスーパーで買い物をするときに当然やっているような詰め方をしているんです。

「アマゾンでこんなにおいしいお刺身が食べられるなんて!」

Amazonフレッシュ 倉庫内

神野:Amazonフレッシュはどういう層を狙ったサービスなのでしょうか? また、現状の利用者層についても教えてください。

荒川:特定の層に向けたものではなく、配送エリア内の全てのプライム会員がターゲットです。実際に使われ方は多様で、例えば毎日お仕事で忙しい方なら1週間分の食材をまとめて購入したり、あるいは二人暮らしの方が週末の贅沢のために「専門店グルメ」(※)の商品を購入するケースもあります。

商品は、野菜、肉、魚、日配品などまんべんなく売れています。特にこれが売れているというものはなくて、いろいろなお客さまの需要に応えられていると考えていますし、手応えを感じています。

※専門店グルメ……Amazonフレッシュに出店している各専門店のこだわり食材・食品やスイーツ等を購入できるコーナー。

配送時間も特定の時間に集中せず、朝、昼、晩まんべんなく配送枠が予約されます。主婦の方、働いている方、帰宅時間が遅い方など、いろいろなライフスタイルで使われています。

神野:全てのお客さまに向けたサービスとして開発し、あらゆる層のお客さまに利用されているのですね。お客さまからの声はどのようなものがありますか。

荒川:うれしかったのは「アマゾンでこんなにおいしいお刺身が食べられると思わなかった!」といった声です。アマゾンは、無機質なデジタルテクノロジーの印象が強いようで、Amazonフレッシュも全てオートメーション化しているのではないかと思われることもあります。

でも実際は入荷からお届けまで、何人ものスタッフが「人の目」を通し、「人の気持ち」を入れてお届けしているので、そこがもっと伝わればいいなと思います。

神野:お話を聞くと、品質管理から梱包まで、倉庫スタッフのレベルが高くないと実現できないサービスだなと感じます。

荒川:倉庫スタッフには、「倉庫ではなくスーパーで働いている気持ち」で働いてもらっています。スタッフとは緊密に意見交換をしながら日々改善をしていますし、パートナー企業にスタッフ向けの「商品勉強会」を開いてもらうこともあります。

神野:現場の意見も大事にしておられるのですね。倉庫スタッフからの意見で改善したものとしては、どんなことがありますか?

荒川:例えば棚の幅、区割りの可動性などの部分は、毎日のようにスタッフの意見を反映しつつ変更しています。同じく、温度に敏感なデリケートな商品は、スタッフの声を吸い上げて保管温度や場所を変更したりしています。

後は、保冷剤が商品に近過ぎると野菜などは傷んでしまうため、トートと呼んでいる輸送容器に保冷剤を入れる際は、保冷剤と商品との間に緩衝材や保護シートを挟み、直接冷気が当たらないようにしています。この工夫もスタッフの声から生まれました。

何より、届いた時に「わぁー!」と、「買ってよかった!」と感動してもらうための工夫をどんどんしていきたいですね。

店頭購入とは違ったクロスセル施策

Amazonフレッシュ 倉庫

神野:新鮮な食材を「仕入れる」ことについては、どういったところに力を入れておられますか。

荒川:さまざまな生産者やメーカー、卸業者とパートナー関係を結んでいます。火曜、金曜限定の「新鮮市」は、まさに鮮度にこだわってつくったサービスですね。野菜はフレッシュ専用倉庫の近所の野菜農家からその日の“朝採れ”を入荷していますし、魚も築地でその日の朝にパートナーが加工したての商品を出しています。

神野:パートナーからアマゾンが新鮮な食材の仕入れを行い、それをアマゾンの倉庫で梱包してお客さまに届けるという流れですね。

荒川:はい。「新鮮市」に限りませんが、生鮮食品の包装については食材の専門家であるパートナーと徹底的に話し合い、輸送が必要なECに堪え得る包装にこだわっています。

魚の加工は、専門パートナーがさばいてすぐ真空パッケージで包装してくれています。空気に触れないのでドリップが出ませんし、鮮度を保ったままお届けできます。肉も同じく鮮度を保ちつつ、ドリップが出ないように、ガスパックしているものもあります。

Amazonフレッシュ 新鮮市

神野:店頭で購入するのと同等以上の体験を実現するため、あらゆる面で気を配っておられるのがよく分かります。他のリアル店舗やネットスーパーなどとの差別化は意識されていますか。

荒川:他社は特に意識せず、最高の品ぞろえや鮮度を目指していますが、ECならではの要素としては「情報のリッチさ」を生かしたいのはあります。「この野菜はどんな人がつくっているのかな」という、店頭では語りきれない生産者の詳細情報やこだわりなどを文字や画像で伝えていけると思います。

神野:リアルのスーパーマーケットでは、生活雑貨など食品以外の商品も販売されていて、お客さまは一緒にカゴに入れて購入していますよね。ECでもいわゆる「クロスセル」は重要かと思います。

荒川:ウェブは「どのように購入されたのか」というデータがとれますので、クロスセルの取り組みはいろいろできそうです。

今好評を頂いているのは、お客さまへの「メニュー提案」ですね。夏なら例えば「ひんやりさっぱり特集」で、そうめんとミョウガとシソが同時に買えたりします。「まとめ買い割引」などもありますので、ぜひご利用ください(笑)。

神野: ECの壁として、「1個だけ買う」という買い方がしづらかったのが、Amazonフレッシュでは対応されていますよね。

荒川:はい、トマト1個から購入できます。トマトを例に挙げると、40~50種類あり、お求めやすいものから高級品まで幅広い品ぞろえをご用意しているのもAmazonフレッシュならではです。

生鮮食品をアマゾンがカバーすることで広がる可能性

神野:日本における食品のEC化率は他のカテゴリーと比較して低いですが、食品のECをどのように浸透させていきたいですか。

荒川:私たちはEC化率を意識していません。あくまでも他のサービスと同様に、「アマゾンを利用しているお客さまにこれまで手に入らなかったものが手に入るようになってほしい」「アマゾンのウェブサイト上で、生鮮食品も当たり前のように提供していきたい」という思いで取り組んでいます。

神野:今は、東京都、神奈川県、千葉県などの一部で展開されていますが、今後さらなる対象エリア拡大の予定はあるのでしょうか。

荒川:今後のことは未定ですが、お客さまの要望がある限り、準備ができ次第エリア拡大をしていきたいと考えています。

Amazonフレッシュ 2017年9月時点での配送エリア

神野:ご当地グルメなどを扱う「Nipponストア」に代表されるように、Amazonフレッシュと外部のタイアップキャンペーンも可能性が大きいと思います。今後の展望をお聞かせください。

荒川:「生鮮食品の取り扱いが始まったことでできること」は今後も増えていくと思います。Amazon.co.jp、楽天市場、Yahoo!ショッピングの各サイトで福島県産品を特集する「ふくしまプライド。体感キャンペーン」にも協力させていただいています。さまざまなパートナーと一緒に、サービスを良くしていきたいですね。

あとがき:アマゾンの強さ、本当の秘密

穏やかな笑みを浮かべ、丁寧につくり込んできたフレッシュ事業について語る荒川さんと話していると、アマゾンの社是である「地球上で最もお客さまを大切にする企業」「地球上で最も豊富な品ぞろえ」という言葉が頭に浮かびました。荒川さんご自身が10年以上アマゾンで働き、その哲学を理解し、実践されてきたからなのかもしれません。

これは、昨年お話を聞いた市川さんにも共通したことです。当時、日本におけるAmazonプライム事業の責任者だった市川さんは、「お買い物に関わるフリクション(摩擦、不都合)を取り除く」ことの重要性を繰り返しお話されていました。地道に見えることでも顧客視点でサービスを磨き上げていくということですが、荒川さんの視点もまさに同じです。

このアプローチを採用するアマゾンは、既存の体制や仕組みにとらわれずひたすら顧客中心に事業をつくり込んでいくので、あたかも「異次元から現れた事業者」であり、既存勢力に対する脅威と捉えられがちです。しかし、実際には地道な準備の積み重ねを行っていることに気付かなければならないでしょう。

アマゾンは、かつては「品ぞろえに制限がない(=物理的な棚の制約がない)」「購買行動に基づいた効果的なレコメンデーション」といったネットの特徴が武器だと思われていました。しかし、実はこれらのことは比較的容易に模倣可能です。

一方で、アマゾンがこれまで地道につくり込んできた物流体制はコマースにおいてはいわゆるGPT(General Purpose Technology)的なものであり、一朝一夕に成し遂げられるものではありません。そこに上述のようなネットの特徴を生かした補完的サービスアイデア、テクノロジーが組み上げられることで、相乗効果を生み、競争優位のサービスが複数生み出されているのです。

「Amazonフレッシュ」は、自社の強みだけでなくパートナー企業との協業も生かしてスタートした、コマースの先端事業です。「生鮮食品もネットで買う」という新たなスタンダードとなる可能性は大いにあると思います。

そんなAmazonフレッシュの今後の課題は、大きく言えば以下の三つです。

1.豊富な品ぞろえの持続性、拡張性
現在、フレッシュ倉庫での食品の品ぞろえは約1万7000千点。周辺の倉庫から“横持ち”可能な日用品などの商品も加えれば、17万点以上の商品の販売が可能で、一般的なネットスーパーの品ぞろえを点数ではるかに凌駕します。
品ぞろえはこの事業の根幹ですから、パートナー企業の協力を得ての調達力の強化は、今後も取り組んでいく課題だと思います。

2.配送エリア拡大の実現
生活者(荒川さんの言葉を借りれば「Amazonのお客さま」)全体にとって「ネットで生鮮食品を買う」ことが当たり前になるためには、サービスをいかに全国レベルに拡大させられるかが鍵です。
一方で、小売り業界では狭小商圏化が課題となり、「地域に根差したサービス」の開発が、価格や品ぞろえと同等に重要な論点です。多様化する地域のニーズに対してネットの世界でどのようなサービス設計をしていくのかが、二つ目の課題です。

3.生活者の意識変容
冒頭で挙げた「ネットで買わない理由」に丁寧に対応しているAmazonフレッシュですが、買える体制をどれだけ整えても、買う気にならなければ人は物を買いません。
まずはアマゾンに慣れ親しんだ上顧客であるプライム会員の中で、いかに生鮮食品の購買を「当たり前の行動」として位置付けられるか。これを三つ目の課題として挙げたいと思います。購買力のあるアクティブなプライム会員に「ネットで生鮮食品を買う」ことが根付けば、日本の生活者にも広まっていく可能性が大です。

Amazonフレッシュのローンチ以降、筆者が日頃お付き合いのある食品メーカーからもEC活用の相談が増えている実感があります。日本の「食の流通」に大きな影響を与える可能性のあるAmazonフレッシュに注目です!(神野)

東京2020パラリンピック  22競技537種目が決定  選手は最大で4400人

国際パラリンピック委員会(IPC)は9月4日、アブダビで開催した理事会で、東京2020パラリンピックについて、22競技537種目の実施を決定するとともに、参加選手の上限は4400人になると発表した。
(写真は、国内のパラスポーツ大会の様子)

今回のIPCによる発表のポイントは、

・少なくとも1756人の女子選手枠を確保する。(ロンドン大会と比較して17%増)

・東京大会から新たに実施されるバドミントンでは14種目、テコンドーでは6種目が行われる。

・障がいの程度の重いアスリートの参加を増やすというIPCのコンセプトに沿い、ボッチャではリオ大会から8人増の116人の枠になる。

・陸上競技と水泳では種目が減るが、カヌー、射撃、卓球、車いすフェンシングの種目数が増える。

などが挙げられる。

今回の決定について、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は、歓迎の意を表明した。「過去最大となる女子選手枠や、障がいの重いアスリートの出場機会の増加は、東京大会を契機にパラリンピック・ムーブメントのさらなる推進を図るIPCの戦略の表れで大変重要だ」とコメント。また、「コスト増加や会場数増加につながらないように、という意向を尊重してもらったことに感謝する」と述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電通と電通デジタル、”人”基点でグループ内のマーケティング手法を結集・高度化した統合フレームワーク「People Driven Marketing」を開発

09月07日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年09月07日

電通と電通デジタル、"人"基点でグループ内のマーケティング手法を結集・高度化した統合フレームワーク「People Driven Marketing」を開発

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)とその100%子会社である株式会社電通デジタル(本社:東京都港区、CEO:榑谷 典洋)は、"人"基点で電通グループ内のマーケティング手法を結集・高度化した統合フレームワーク「People Driven Marketing」(ピープル・ドリブン・マーケティング)を開発しました。

今日、企業が抱える課題は高度化し、単発のデジタルノウハウ・メソッドだけで解決することは難しくなってきています。企業はあらゆるマーケティング施策の統合を進めていますが、より大きな視座からの施策統合が待たれていました。

今回開発した「People Driven Marketing」では、当社グループがこれまで蓄積してきたマーケティングにおける多様な打ち手を、"人"を基点として統合しています。これにより、ターゲットの可視化はもちろんのこと、認知から購買、さらに再購買までをモデル化したファネルにおいて、全段階を一貫して評価指標でマネジメントしていくことができるため、企業の求めるマーケティングROI(Return on Investment:投資収益率)の向上にも応えていくことができます。

具体的には、ビジネスやマーケティング課題を人(People)基点で改めて捉え直し、「本当に必要な人に、必要な場所で、必要なタイミングで、求められるコンテンツを提供する」ことを理想のマーケティングゴールとして施策を統合、運用していきます。
また、「People Driven Marketing」では、人の<意識>と<行動>に着目して、ROI視点で人が動く全体構造を立案していくため、実施後の効果やフィードバックをもとに従来より高度な視点でPDCA(Plan→Do→Check→Action)を回していける大きなマーケティングサイクルと、実際に人が動いたかどうかKPI(Key Performance Indicators)でマネジメントができるところにその特徴があります。

<プランニング思想やツール、ソリューションを統合した電通オリジナルフレーム>

プランニング思想やツール、ソリューションを統合した電通オリジナルフレーム

なお、統合フレームワークの開発にあたり、そのデータ基盤となるDMP(Data Management Platform)を、従来の「dPublic」(電通独自のパブリックDMP)から「People Driven DMP」に改名し、機能を強化しました。
「People Driven DMP」は、従来のdPublicが、保有していたcookieなどのオーディエンスデータに加え、スマートフォン由来のオーディエンスデータやテレビの実視聴ログデータ、購買データなどを人(People)基点でつないだ統合マーケティングプラットフォームです。潜在顧客の掘り起こしからロイヤルカスタマー化までの全行程、すなわちフルファネルをカバーしています。当社はその機能強化のため、「メディア/コンテンツ」「デジタルプラットフォーム」「EC/購買」「パネル/メジャメント」など各分野の企業との提携で「People Driven DMP パートナーシップ」を構築しており、データやテクノロジーによる高度なソリューションを可能にしています。

今回、"人"基点のインサイトデータ強化の第1弾として、全国で20万サンプル規模の大規模調査「PDM Tunes1.0」を実施しました。これは電通のマーケティング各業種担当スペシャリストの監修のもと、あらゆる業種の調査をブランド単位で行ったものです。これにより、例えばテレビ視聴履歴やネット上でのオーディエンスデータ、さらには購買データなどの各種行動データを、この調査データと掛け合わせることで、従来のペルソナ(顧客像)に人の意識や感情をも加味した精緻な広告コミュニケーションの企画や効果検証ができるようになります。

今後も当社グループは、"人"基点での各種データや最新テクノロジーを保有する企業との提携を通じて、「People Driven Marketing」の基盤を強化し、顧客企業の目標達成に対して、より精緻な企画と実施で貢献していきます。

<People Driven DMPパートナーシップ>

People Driven DMPパートナーシップ

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0907-009356.html

タイムシフト視聴率 8/21~8/27 ─ 何とかするって言うのは、解決策が見えないやつのせりふだ ─

ビデオリサーチの視聴率調査データから、「8月21~27日のタイムシフト視聴率・総合視聴率5」をリサーチボーイがお届けします。

リサーチボーイ

「何とかするって言うのは、解決策が見えないやつのせりふだ」
は麦野初のせりふだ

日本テレビ「 過保護のカホコ 」第7話より

< タイムシフト視聴率5 >

1▶︎11.7%:コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]13.7% [総合視聴率]23.2%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/21(月):21:00-54分間

2▶︎8.3%:過保護のカホコ

[視聴率]10.8% [総合視聴率]17.2%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/23(水):22:00-60分間

3▶︎7.2%:日曜劇場・ごめん、愛してる

[視聴率]8.0% [総合視聴率]14.3%
 放送局:TBS、放送日:2017/8/27(日):21:00-54分間

4▶︎6.9%連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]22.1% [総合視聴率]27.1%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/26(土):8:00-15分間

5▶︎6.3%:火曜ドラマ・カンナさーん!

[視聴率]9.7% [総合視聴率]14.9%
 放送局:TBS、放送日:2017/8/22(火):22:00-54分間

5▶︎6.3%:金曜ドラマ・ハロー張りネズミ

[視聴率]8.1% [総合視聴率]13.7%
 放送局:TBS、放送日:2017/8/25(金):22:00-54分間

< 総合視聴率5 >

1▶︎28.8%:24時間テレビ40愛は地球を救うPART10

[視聴率]28.4% [タイムシフト視聴率]0.6%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/27(日):19:00-114分間

2▶︎27.1%連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]22.1% [タイムシフト視聴率]6.9%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/26(土):8:00-15分間

3▶︎26.5%24時間テレビ40愛は地球を救うPART9

[視聴率]26.1% [タイムシフト視聴率]0.5%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/27(日):17:23-97分間

4▶︎26.4%24時間テレビ40愛は地球を救うPART1

[視聴率]25.9% [タイムシフト視聴率]0.6%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/26(土):18:30-168分間
 

5▶︎26.1%24時間テレビドラマスペシャル・時代をつくった男阿久悠物語

[視聴率]25.6% [タイムシフト視聴率]0.8%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/26(土):21:18-120分間

 


期間:2017年8月21日(月)~27日(日)
地区:関東地区

▶︎タイムシフト視聴率と総合視聴率の定義については、ここからご覧いただけます。
▶︎上記以外の番組についてもご覧になりたい方は、ビデオリサーチのサイトからご覧いただけます。

【禁】無断転載
転載に関するお問い合わせは以下までご相談ください。
株式会社ビデオリサーチ 
コーポレートコミュニケーション室
Tel  03-5860-1723(直通)

町工場を元気にするインパナトーレ

とある夕方、向かった先は横浜八景島近くの株式会社ミナロ。「全日本製造業コマ大戦」を主催するNPO理事長も務める緑川賢司社長のお話を伺うためです。

緑川社長
緑川社長

全国の中小製造業、いわゆる町工場が自作のコマを持ち寄ってベーゴマ方式(1対1)で戦うこの大会。テレビなどでも話題になっているのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。

直径2センチ、高さ6センチ以下のコマが直径25センチの土俵で長く回り続けたら勝ちというルール。第1回グランプリこそオーソドックスなコマが優勝したのですが、回を重ねるたびに「事件」が起きます。ほとんど横回転になって相手を土俵外に吹っ飛ばす「ぶっ飛ばし君」。回転すると羽根が開いて敵の回転軸を妨害する「ねこパンチ」。モーターを使って回りり続ける「天下布武」に至っては、もはやそれがコマなのかどうか。参加各社が知恵を絞り、ルールの網をくぐり、相手の出方を読む対決はアイデアにあふれていて見応え十分です。

ぶっ飛ばし君
ぶっ飛ばし君
ねこパンチ
ねこパンチ
「全日本製造業コマ大戦」
画像をクリックするとYouTubeで動画が閲覧できます

先月1カ月だけでも全国で8大会が実施されるほど手のかかるコマ大戦の運営を、なぜやり続けるのか。「日本の製造業を元気にしたい」というビジョンはもちろんですが、緑川さんの課題意識はもっと明確でした。

「日本にインパナトーレを育てたいんです」

日本と同様に中小企業が多いイタリアの繊維業界。そこでは「インパナトーレ(Impannatore)」と呼ばれる人々が活躍しているそうです。かつてはただの「御用聞き」でしたが、時代とともに「あの人はこれを欲しがっているよ」「こういうモノをつくった方がイイよ」という情報を流通させる機能を身に付け、今では地方の中小企業と世界中の市場をつないでいます。

「最近ちょっと自信を失っているけれど、日本の町工場はとてつもなくレベルが高い。ただ長年、大企業の下請けをやってきて、情報収集力が弱いのも確か。日本中の町工場が一丸となって素晴らしい技術や商品を世界に発信するためにも、日本版インパナトーレを育てたいんです」

なるほど「コマ大戦」は、そこに参加して楽しむこと、あるいは町工場の存在を一般にアピールすることだけが目的ではないのです。日頃つながることのない町工場同士が知り合い、連携する機会をつくるという大目的があることを初めて知りました。

そして、そういう町工場のネットワークづくりと並行して、緑川さんはコンサルタントや専門商社の方々と一緒に世界の市場動向に詳しいチームを始動させました。すでに、たとえばドバイを通じて世界の超富裕層にチャレンジしています。

十字フレーム

「日本の製造業を元気にしたい」というビジョンをただの美辞麗句とせず、それと真剣に向き合ったからこそ、「情報収集力が弱い」という課題が見え、「日本版インパナトーレ」というコンセプトが明確になったのでしょう。そしてそれを実現するための手段(具体策)としてコマ大戦を実施し、またアラブからの情報調達に取り組んでいます。コマ大戦が証明するように、日本の町工場は単に技術が高いだけでなく、実はアイデアも豊かです。日本版インパナトーレが機能すれば、製造業復活の日も遠くはなさそうです。

熱いお話を伺っているうちに喉も渇いたので、帰り道、さぁどこに寄り道しよう。かつて「小柴のシャコ」で名をはせたこのかいわいでうまい魚? いやいや、中華街で広東式の皮付き焼豚? いろいろ迷った揚げ句、たどり着いたのは「オッサンの聖地」野毛。会社の後輩、森本紘平さんと立ち食いフライや餃子のハシゴ酒です。

「広告会社のようなモノづくりの門外漢が『こういうモノをつくったら』という着想を得たとき、大企業に持って行っても門前払いされそうだけど、緑川さんたちと『とりあえずつくってみる』というアプローチはありそうですよね」

「あるある。面白くなってきたっ!!」

 興奮のあまり飲み過ぎたのは、いつものことでした。

どうぞ、召し上がれ!

コンセプトのつくり方

電通、母親視点で企業のマーケティング活動を支援する「ママラボ」をアジア太平洋地域へネットワーク展開

09月06日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年09月06日

電通、母親視点で企業のマーケティング活動を支援する「ママラボ」をアジア太平洋地域へネットワーク展開

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、母親視点から企業のマーケティング活動を支援するチーム「ママラボ」をアジア太平洋地域でも展開し、各拠点をつなぐネットワークを構築することで、顧客企業ニーズに対応していきます。
「ママラボ」を当社海外本社「電通イージス・ネットワーク」の新事業として位置付け、まずは月内にシンガポール、インドネシア、フィリピン、台湾の4市場でローンチし、年内にはタイにも展開していく予定です。

電通は、2009年3月、東京本社内に「ママラボ」を設置し、独自の消費者研究データやメソッドをベースに、母親視点での企業マーケティング支援サービスを提供してきました。ママラボのサービスは、「ママの本音」や家族へのインサイトに基づくコンサルティング、ママ・家族向けの商品・ブランドの開発、販売チャネルやメディアの開発、キャンペーンの提案・実施、レポートや書籍の刊行など、コミュニケーション全般にわたります。
そして2014年には中国、15年にはインドへも展開し、小学生以下の子供を持つ母親と家族に関する環境変化の予測や、次世代家族市場の開拓に向けたマーケティング支援を実行してきました。

今後は各地の「ママラボ」が、電通ならではのマーケティング手法とも言える"ママの、ママによる、ママのためのモダンマーケティング"を推進していきます。

電通イージス・ネットワークでは、このネットワーク展開に向けて、すでに独自のアジア消費者データ「SenseAsia」(センスアジア)を活用した戦略プランニングツール「MamaNavi」(ママナビ)を開発しています。これにより、個別市場はもちろん汎アジア全地域で、戦略立案から実施にいたるマーケティング・ソリューションの提供が可能となり、顧客企業とママたちのエンゲージメント強化に更なる貢献ができるものと考えています。

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0906-009355.html

電通、第10回釜山国際広告賞(AD STARS 2017)において、「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」などを受賞

09月05日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年09月05日

電通、第10回釜山国際広告賞(AD STARS 2017)において、「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」などを受賞

第10回釜山国際広告賞(AD STARS 2017)(※)の授賞式が8月26日に韓国の釜山で行われ、当社は「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。これは当社のクリエーティビティーが高く評価されたことによるものです。

また、当社グループ全体では、グランプリ2、ゴールド2、シルバー15、ブロンズ11の合計30の賞を受賞しました。その部門別の受賞数は次のとおりです。

(以下、数字は受賞数)

・フィルム部門(ゴールド1)
・プリント部門(シルバー2)
・ラジオ部門(ブロンズ1)
・インタラクティブ部門(シルバー1、ブロンズ2)
・モバイル部門(グランプリ1、シルバー4、ブロンズ3)
・プロモーション部門(シルバー2、ブロンズ1)
・ダイレクト部門(ゴールド1、シルバー1)
・メディア部門(シルバー2)
・デザイン部門(シルバー2、ブロンズ2)
・フィルムクラフト部門(ブロンズ1)
・ビデオスターズ部門(グランプリ1、シルバー1、ブロンズ1)

 
※釜山国際広告祭(AD STARS)は2008年に釜山市、韓国政府の支援を得て創設されました。Spikes Asia (スパイクスアジア)やADFEST(アドフェスト)と並ぶアジアの祭典ですが、これら2つの広告祭とは異なり、釜山国際広告祭は全世界からの広告作品を対象としています。インテグレート部門を除いてはエントリーフィーが無料で、応募の門戸が大きく開かれていることも特徴の一つとなっています。2017年は、フィルム、プリント、アウトドア、ラジオ、インタラクティブ、モバイル、プロモーション、ダイレクト、PR、インテグレート、メディア、イノベーション、デザイン、フィルムクラフト、PSA(公共広告)、ダイバースインサイト、プレイス、ビデオスターズの全18部門で、21,000点以上の応募がありました。
 

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0905-009353.html

おっぱい、ウンチ、そして育休

生後2カ月目に入りました

いま一番欲しいものは?と問われたなら、暇でも評価でもお金でもなく、「おっぱい」と即答するだろう。母乳を飲みたいんじゃない(当然だ)。飲ませるための乳房が自分にも備わっていたらどんなに良いか、と思うのです。さもなくば「わが家の母乳」がクラウド上にあって、「乳首」端末を持つ家族なら誰でもコネクトできるシステムだったらいいのに!などとSFな発想すら浮かんでしまうほどだ。

6カ月間にわたる育休生活が、とうとうはじまった。
わが娘コケコは、生後2カ月目に突入。機嫌の良い時は笑顔(に見える表情)を見せるようになった。意味がありそうでなさそうな、クーイングと呼ばれる声(※1)を発しはじめた。でもそれ以外のほとんどの時間、これでもかというほど泣いている。あらゆる種類の泣き方をカタログ的に繰り出してくる。なんなんだこれは。

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グラフィックデザイン:第2CRプランニング局 三宅優輝

わかっていなかった男

き…きつすぎる!世の母親たちはこんな毎日を乗り切っているのか?無理無理。破綻する。
というのが差し当たっての感想です。本当に。
いや、事前に聞いてはいた。母親たちの孤独や焦燥を。芽の出ない植物に水をやり続ける気分だとか、夜泣きが永遠に続くように感じるとか、3時間おきの授乳とオムツ交換で全然寝られないとか。
しかし僕が漠然とイメージしていたのは、恥ずかしながら次のようなタイムテーブルであった。
先に書いておくと、わが家は母乳と粉ミルク(以下、ミルク)を併用する、いわゆる「混合育児」でいく。

おいおい、なに寝言いってんだ、と育児経験者なら思うだろう。すみません。僕もいまではそう思う。なんだか精度の甘い香盤表(※2)みたいだ。でもここはひとつ、「よくわかってない男性」だった一人としてその無知をさらしておきます。

3時間おきに母乳もしくはミルクを与えて、オムツ交換。これを繰り返す。ならば、夫婦でひたすら交互にやればいいんじゃないかと考えていた。あるいは僕が夜間、妻が日中を担当するとか。自分が育休を取ってずっと家にいればそれも可能だろう、と。しかしリアルはどうだ。生後2カ月目のとある1日は、たとえばこんなだった!

 

呆れるほど単純な真実だが、授乳もそれ以外も、プロット(点)ではなく線だった。ずっしりとした、ひとかたまりの時間だった。
授乳を起点とした平均的なフローはこんな感じだ。

【1】母乳を左右1〜2回ずつ与え、それだけでは不充分なので続けてミルクを70〜80ccほど与える。ここまでで30〜45分。
【2】そのままあっさり寝ればいいが、ゲップさせたりオムツを替えたり鼻の穴を掃除したりするうちに、コケコの目はたいてい冴えてくる。機嫌が良くなるのは1日1〜2回で、だいたいは泣き出す。
【3】なので、ありとあらゆる手段で「あやす」。抱っこ、カドルミー(※3)、スワドリング(※4)、バウンサー(※5)など。なんとか寝かしつけた時点で、さっきの授乳開始から100分ぐらい経過している。
【4】ようやく僕たちはひと休みするが、30分ほどでコケコは目を覚まし、またグズりだす。で、またあやす。
【5】気がつけば、次の授乳タイミングがもうすぐそこに!

要するに全部「つながっちゃってる」のだった。これが24時間、毎日続く。
日中は数十分の小休止をコマ切れで取れるばかり。ごはんを食べるにも、こういう隙間を使うしかないし、ときにはコケコ(約4kg)を抱っこしながら立ち食いもする(座ると泣くから)。両手をふさがれる時間も多い、まだ外出の機会も作りにくい、睡眠はもっぱら仮眠、などなど身体的負荷が予想以上にこたえています。
会社と違って、後輩からのサポートも、「22時までに退館」ルールも、ここには一切ないわけで。ミッション:インポッシブル。パパとママは、CIAに関与を否定されたIMF(※6)のようだ。

「育児休暇」は、間違いです

僕の主な担当は、毎度の「ミルクをやる」と「オムツ交換」と「沐浴させる」(一緒に入浴するのはもうちょっと先)です。あやすことは、だいたい半々でやる。サラッと書いたが、「毎度の」というところが育休ならではだと思う。でも、僕のパートを全部合わせても、妻の大変さには到底及ばない。母乳にまつわる苦労がかなり手強いからだ。あえて男性の言葉で書いておこう。

まず物理的に、それは身体を酷使する行為である。コケコがうまく吸ってくれないと乳首が傷つき、とても痛いらしい。でも痛むのは身体だけじゃない。コケコの求めるぶんだけ母乳が出ないと、妻はいたたまれない気持ちになったり落ち込んだりする。このやり方でいいんだろうか?各回の授乳量はこれで本当に大丈夫なのか?助産師さん数人に助言を仰ぐ機会を得たけれど、人によって言うこともバラバラなのです。

おっぱいを持つ者ゆえの苦悩がここにある。だったら母乳をやめて「完ミ」すなわち「すべてミルク」にすればいい?妻も産む前はそう思っていた。でも腕の中で空腹を訴えるコケコを見ると、本能的に母乳でなんとかしたくなってしまうのだという。なるほど。

ここで冒頭の話に戻るのだが、もし僕にもおっぱいがあり、なおかつ24時間在宅していれば、授乳の身体的・精神的な負担をシェアし、半減できるだろうに、と思わずにいられない。僕の分担であるミルクを、うちではいま「父乳(ふにゅう)」と勝手に呼んでいて、これはまあ自家製の造語、いわば“わが家スラング”ですが、そう名付けたところで同じ痛みは味わえないのだ。

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分担については改善を検討すべき点もある。たとえば妻は僕より料理がうまく、母乳のために多品目まで考慮した献立を手際よく作れてしまう。それに甘えてつい彼女に料理を任せてしまうが、そここそ俺がやるべきでは?とか。そもそも育児を半々にするより、よく聞くように家事と育児で分業するほうが賢明?とか。こういうのは、一般論よりも「わが家の正解」を模索していくほかないだろう。育休を半年取ることで、いろいろ試せるのがありがたい。

いずれにしても、二人で協力したところで余暇なんてものはろくにないのだった。普通に会社に通っていたほうがよほど暇はあるんですね。1時間かけてランチ(なんて優雅)とか、仕事帰りに映画(もはや貴族)とか、できるわけですから。
育休は、「長い有給休暇」なんかじゃ全然なかった(※7)。あくまで「育児休業」であって「育児休暇」ではない理由が、よーく分かるこの頃です。
でも、妻の悩みや育児の大変さを思い知れて良かった、という話で原稿を終えたくはない。育休がくれる醍醐味は、決してそこにとどまらないからだ。

黄金の瞬間を待とう

ずっと、本当にずーっと、赤ちゃんと一緒にいなければ立ち会えない「黄金の瞬間」とでもいうべきものが、たまに、前触れなく訪れるのである。

ある午後、Corneliusの「あなたがいるなら」(※8)という曲を流した途端、コケコが泣き止んだ。そして「ただ 見てるだけで なぜ わけもなく 切なく なるのだろう?」という歌い出しに同期するように、ピカピカの黒目でこちらを見ていた。心が通じた!というのは錯覚だろうが、この喜びは本物だ。

コケコが突然、「ふぃ〜〜〜」と聴いたこともないような声を発し、「フィーを要求してんのかな(※9)。何に対して?可愛さ?」とか思った朝もある。
「えあ!」と叫んだと思ったら、次に「あくあ!」と言った夜などは、「とすれば、次はファイヤー?それともウィンド?」などとワクワクしたものだ。
い、いまの沐浴…俺カンペキだったんじゃ?とか(服を着せるまでの全工程を、コケコを眠らせたまま完遂)。

こうして例示すると陳腐に見えるほど儚いあれこれだが、これらは線ではなく点として、まれに発生する。ドラクエのはぐれメタル(※10)のように、出会ったそばから逃げていく。それをとらえるためにできることは、赤ちゃんという自然現象と1日中一緒にいること。糸を垂らす釣り人や波を待つサーファーになることなんだろう。育休が、さりげなくそれを可能にしてくれた。

その意味でウンチは象徴的だ、とオムツ担当は思うわけです。コケコがまる1日ウンチを出さないだけで、僕たちはそれを日照りにおける雨のごとく渇望するようになるが、待ちわびたその瞬間はやはり突然到来する。ブリューゲル!とかブリュッセル!といったSE(※11)とともに。

これをわが家スラングで「ブリット砲」と称しているが、そのカタルシスは四六時中待つ者にしか得られないものだ。ブリット砲のときほど、オムツ交換という手柄は俺のもの!と思ったりもする。数十時間待ったわりに出た量が少なければ、「コケコ先生の次回作に期待!」という気持ちにもなる。ああ、まさかウンチが何かの醍醐味になる日が来ようとは。

ずっと家にいることで、こうしたすべてに二人で同席できるのはうれしいことだ。「いまの見た?」「見た見た!」とか言い合える。むしろこの共有こそが黄金だったりして、といま書きながら思いましたね。赤ちゃんの言動の面白さって、その場にいなかった人にあとから伝えにくいものばかりだから。ugaeri_2-3

 

育休はそれでも快楽だ

そんな些細なこと、とあなたは言うだろうか。そうかもしれない。でもこれ、僕が電通でやっている業務にたとえるなら、いいコピーが降りてきた!とか、プレゼンがクライアントに刺さった(※12)!とかには匹敵する快楽なのだ。それって、お酒を美味しくするじゃないですか。
そう、いま「快楽」と書いた。ここが肝腎なところだと思ったのです。

育休を取るつもりだと仕事仲間に伝えたとき、何度か「えらいですね!」と言われたが、「えらいとかじゃないんすけど」という居心地の悪さがあった。ミもフタもないけれど、僕が育休を取るのはもうちょっとこう、自分の欲望からはじまったことだからだ。新しい“pleasure”を得たいがためだ。

妻を支えるため?その側面はもちろんある。でも結局のところ、妻のためになること自体、自分の快楽だったりするわけです。この時期の思い出や、その効能(妻の笑顔、懐古など)がのちのちまで残ることは、自分にとっての利益なんだし。
ジョン・レノンが、息子(※13)誕生からの数年間、活動を休んでいたというエピソードが僕は好きで、それをちょっと真似したい、みたいな好奇心もあった。

ま、それでいいんじゃないかな、と思います。楽しさや好奇心に勝るモチベーションはないってことを、広告の仕事をする僕たちは知っている。それを見つけるのが得意でもある。父であれ母であれ、広告人はだから育休に向いていそうな気がしている。

さて来月は、と予告したいところだけど、まだ何も決まっていない。いまはただ、本日のブリット砲を待機するのみです。

※1
クーイングは、生後数ヶ月の赤ちゃんが発する「あーー」「うーー」などの音声。言語以前の、なんと母音だけで構成される世界がそこにある。
※2
香盤表とは、広告・映像・写真・演劇などの業界用語で、タイムテーブルのこと。お香の燃え方で時間経過を計測していた「香盤」なる道具、を語源とする説が有力。
※3
「カドルミー」(Cuddle Me)とは伸縮性の丈夫な布でできた、さや状の道具。赤ちゃんをその中に横たえ、たすき状に肩にかける。装着できるハンモック、みたいなもの。
※4
スワドリングとは、布を使って行う「おくるみ」のこと。モロー反射(説明は省略)によって動きがちな赤ちゃんの両手をがっちり固定する効果も。
※5
バウンサーとは、赤ちゃんを斜めに寝かせ、自発的に振動させることができる道具。ロッキンチェアーの現代版だと思ってもらえればよい。
※6
IMF(Impossible Mission Force)とは、映画「ミッション:インポッシブル」シリーズで主人公が所属する架空の諜報組織。その活動がバレると外交的にまずいため、危機に陥ると国家やCIAからは無関係なものとして見捨てられる宿命。
※7
育児休業中は会社からの給料がストップする(代わりにハローワークから育児休業給付金が支給される)という意味においても「有給休暇じゃない」というのは全くその通りなのだが、文脈上それはまた別の話だ。
※8
Corneliusが長い沈黙を破って2017年4月にリリースしたシングル「あなたがいるなら」。作詞は坂本慎太郎。アルバム「Mellow Waves」に収録。
※9
フィーとは、あるサービスに対する対価・報酬のこと。広告業界においては、クライアントから広告会社に直接支払われる報酬を指すことが多い。
※10
はぐれメタルは、「ドラゴンクエスト」シリーズに登場するモンスター。遭遇率がとても低い上に逃げ足が速いが、倒すと異常に高い経験値が手に入る。だがドラクエをやる暇など筆者には当然ない。
※11
SE は、Sound Effectつまり「効果音」のこと。ラジオCMのスクリプトやCMのコンテには、この略称で表記されることが多い。
※12
相手の心を捉えることを「刺さる」と表現するのは、どれぐらい一般的なのだろう。
※13
ショーン・レノン(1975年〜)。ミュージシャン。

 

 

 

 

VUCAの時代に「対話」が必要なワケ

初めまして、江上広行と申します。電通国際情報サービス(ISID)で主に金融機関をお客さまとするコンサルタントをしています。7月3日に金融財政事情研究会から『対話する銀行〜現場のリーダーが描く未来の金融』という書籍を発表しました。

この本は、タイトルの通り「金融」をテーマにした本ですが、そこで描いたことは、金融業界にとどまらない、どのビジネスにおいても適用できる対話の大切さについてです。そこで、この連載では、あえて金融という領域を離れて、複雑化したビジネス環境における「対話」の大切さについて、6回に分けてつづっていこうと思います。

本コラムは次の三つのパートで構成しています。
■VUCAの時代に「正しい」はあるのか?
V:Volatility、U:Uncertainty、C:Complexity、A:Ambiguity

■「議論」と「対話」はどう違う?
■対話の中から立ち現れる創発(Emergence)とは

VUCAの時代に「正しい」はあるのか?

「VUCA(ブーカ)」とは、 Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、 Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をとった造語です。これら四つの要因により、今日のビジネス環境が、極めて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表したものです。

このVUCAの時代、われわれのビジネスを取り巻くステークホルダーも多様化しています。そんな中でも誰もが「正しい」とい言いきれるようなビジネスの戦略は存在するのでしょうか?

数学など公理が確立されている領域では、「正しい」という概念は人によって異なるということはありません。しかし、ビジネスの意思決定おいての「正しい」は、人の数だけ存在しています。人には人の数だけの立場や経験、そして大切にしている価値観の土台があり、その上に乗っているのがその人にとっての「正しい」です。そしてVUCAとは、さらに「正しい」の多様性が増していく複雑な時代であるということを意味します。

そもそも一人一人の「正しい」は違っていて当たり前なのです。むしろ、違っていて、分かり合えないものだからビジネスは面白いのです(人との出会いがある、あなたの人生もそうでしょう)。それぞれにとっての「正しい」が摩擦を起こしながらも混じり合い、カタチが変わっていくところにイノベーションが起こります。もし、全員の「正しい」が同じもので、お互いに分かり合えるものであったら、われわれのビジネスは人工知能とコンピューターで代替できてしまいます。

われわれが持っている「正しい」という決め付けには厄介な一面もあります。「正しい」という決め付けは、しばしば「人より劣っていたくはない」というような恐れの感情からやってきます。「正しくない自分には価値がない」と思う気持ちが「自分が正しくなくてはいけない」という抵抗となって表れるのです。

実はビジネスにおける「正しい」という意見の大半は、表向きは市場調査や経営分析などから合理的に説明されているようで、根っこのところは人の中にある「自分が正しくありたい」という欲求とその裏側にある恐れの感情からきていることが多いのです。

この恐れの感情が強くなるほど、組織の中で「正しい」と主張するもの同士の対立は激しくなります。自分の「正しさ」を否定されたくないと思っている者同士が会話するのですから当然のことでしょう。

「議論」と「対話」はどう違う?

対立を対立のままにしておいてはビジネスが前に進みませんから、私たちは「対立」をなんとか収めようとします。偉大な物理学者にして思想家のデヴィッド・ボームはこの対処方法について、二つに区分して説明しています(参考『ダイアローグ』英治出版2007)。

一つは、誰の意見が「正しい」かについて勝敗をつけることです。これを「議論」といいます。英語ではディスカッション(discussion)です。ディスカッションの語源はパーカッション(percussion)と同じ「たたく」「壊す」ということ、つまり「相手を打ち負かす」というところからきています。

議論とは、自分が正しいことを証明するための戦いです。引き分けになったり、落としどころが決まったりする場合もありますが、いずれにせよ、そこで勝敗は決します。負けた方は、自分が「正しい」という矛を収めるか、またはそのフリをすることで議論が収束するのです。実は、われわれが企業や組織の会議でやっていることの大半はこの議論です。淡々と進んでいるような会議でも静かに、勝ち負けがその場で決められていきます。

議論の場でいつも用いる武器は「分析」です。そして、PDCAという管理手法を使いながら、KPI(重要業績評価指標)という勝敗のスコアボードの上で戦います。われわれが慣れ親しんでいるいつものやり方です。しかし、そのやり方だけでは失われているものがあります。

対立を収束させるもう一つの方法は、「対話」です。英語でいうとダイアログ(dialogue)です。ダイアログの語源は「意味や言葉(logos)の流れをつくること(dia)」だといわれています。対話には、誰かが誰かの「正しい」を打ち負かすというような戦いはありません。「対話」は全ての意見がその人にとっての真実であるという考え方に立ちます。

「対話」の手法にはいろいろなものがありますが、全ての意見をテーブルの上に乗せて、話し、聴き、そして感じるという基本の所作は同じです。「対話」でテーブルに乗せる全ての意見とは、そこに参加する人全ての意見ということですが、もう一つの意味もあります。それは、ずっと言わずにいた、抑圧されていたもう一人の自分の中にあった感情も開放させるという意味での「全て」です。「対話」では表層にある意見だけではなく、裏にある感情さえもがテーブルに乗せられ分かち合われていくのです。

ネーティブアメリカンは持続的な社会を形成していくために、対話という手法が有効であることを知っていました。車座でたき火を囲んで行われる対話の場では、長老の意見が特に重視されるわけではありません。一人が話しているときは、その話が終わるまで誰かがそこに割って入るようなこともしません。皆が平等の立場に立ち、話し合いを進めながら、コミュニティーの課題を解決していったのです。

対話の中から立ち現れる創発とは

対話を重ねていくと、元々各人が持っていた意見の単純な総和にとどまらない性質が全体として現れてくることがあります。相手の立場に立ち、多様な見え方を受け入れることによって、モノの見え方がガラっと変わってしまう、あんなに自分が一生懸命に証明しようしていたことさえバカバカしく思えてくる、つまりパラダイムシフトが起こるのです。そして、最初には存在していなかった、新たな意味のようなものが、突然立ち現れる、この現象を創発(emergence)といいますが、この創発は「議論」をどれだけ繰り返しても絶対に起こり得ません。

創発されるものは、これまでの概念を超えた価値であるイノベーションだったり、新たな組織文化だったり、チームワークだったりします。参加者が元々持っていた範囲を超えずにその内側で物事が決着していくか、そこに新たな創発が立ち上がってくるかどうかが、「議論」と「対話」の大きな違いです。

鳥の大群に例えられる創発
「創発」は鳥の大群にも例えられる。一羽ずつは周りの鳥との距離を保って飛行しているだけなのだが、それが一貫性を持って行われると、集合として新しいカタチが立ち現れる。

今というVUCAの時代に「対話」が必要であるのは、過去の延長ではない未来をわれわれが「創発」するタイミングに来ているからです。われわれが「議論」の中で証明しようとしていた「正しい」とは、小さな器の中にある私という個人の過去の体験の中で築かれた概念でしかありません。その思考だけではVUCAの時代には、「過去の延長としての未来」しか設定することができません。その「設定された未来」の範囲でわれわれは縮小するパイを奪い合うビジネスを行っているのです。

しかし、こと日本のビジネスの領域おいては残念なことに、「対話」という手法はなじんでいません。これからこのコラムでは、ビジネスの領域での「対話」について扱っていきたいと思います。

本コラムの筆者、江上広行氏が金融業界におけるパラダイムシフトを「対話」の中から引き起こすさまを描いたのが、7月に刊行された書籍『対話する銀行〜現場のリーダーが描く未来の金融』です。「対話」されるテーマは「リーダーシップ」や「分権経営」「貨幣の本質」など盛りだくさん、金融業界に関係がない方も、ぜひ手に取ってみてください。

FIFA ワールドカップ・アジア最終予選、auのパブリックビューイングに菅田将暉さんらが「全力」で集結!

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KDDIは8月31日、「au 全力を全力で応援するパブリックビューイング」を東京・港区のニコファーレで開催した。本イベントは、サッカー FIFA ワールドカップ・アジア最終予選の日本対オーストラリア戦を一般招待客100人で応援するというもの。

残り2節、大詰めを迎えたアジア最終予選でグループBの首位に立つ日本は、あと1勝で本戦出場の権利を獲得できる状況にあった。しかし、この日ホームの埼玉スタジアム2002で対戦するオーストラリア、9月5日にアウェーで対戦するサウジアラビアは、いずれも強豪チームとして知られる。

パブリックビューイング会場には、日本代表を全力で応援するため、南海キャンディーズの山里亮太さん、バンビーノの藤田裕樹さんと石山大輔さんが駆けつけた。

「全力」をテーマとする夢を尋ねられた山里さんは「予選突破」と書いたフリップを掲げ、「あと、auの三太郎シリーズのCMに出たい。まだ何か『太郎』が余っているだろう。『三年寝太郎』とかどうだろう」とCM出演をアピールし、笑いを誘った。

夢は「全力の笑いで皆を笑顔にする」と表明したバンビーノの二人は、コントの持ちネタを披露。さらにサッカーでブラジルへ留学していた経験を持つ藤田さんは、巧みなリフティングで会場を盛り上げた。

キックオフの合図が響くと、巨大スクリーンに囲まれた会場は大きな声援に包まれる。そして前半41分、日本が先制点を挙げると、サムライブルーのTシャツを着た100人のサポーターから大歓声が上がった。

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日本が1点リードのまま前半を終了しハーフタイムに入ると、auのCMキャラクターでもある菅田将暉さんがゲストとして登場。サッカーをプレーしていた自身の青春時代のエピソードを交えつつ、注目選手について語った。

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後半戦に入り、1点を追うオーストラリアの猛攻が続く中、チャンスをものにしてリードを2点差に広げた日本が勝利を決定的なものとした。

試合終了のホイッスルが鳴り、ワールドカップ本戦出場が決まると、会場に集まった100人のサポーターは総立ちとなり全力を尽くした日本代表に拍手を送った。

2対0で日本が勝利する予想を的中させた菅田さんが「すごく感動した。日本はすごい」と興奮した表情でコメントすると、山里さんは「ボクが最初に2対0と予想したのに、菅田くんが同じ予想をしたため途中から全員に忘れられてしまった」と苦笑いしながら話した。

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第5回日経「星新一賞」作品募集中

日本経済新聞社は、第5回日経「星新一賞」の作品を募集している。同賞は2013年日本で初めて創設された「理系文学」の賞で、SF作家として著名な星新一氏にちなむ。

日本経済新聞社は、第5回日経「星新一賞」の作品を募集している

作品募集は、一般、学生、ジュニアの3部門で、それぞれ「あなたの理系的発想力を存分に発揮して読む人の心を刺激する物語を書いてください」「30年後の未来を想像して物語を書いてください」「100年後の未来を想像して物語を書いてください」というもの。

一般部門はグランプリ(星新一賞)と優秀賞6作品、学生部門とジュニア部門はグランプリ・準グランプリ・優秀賞を選出する。

審査員は、太田光氏(タレント)、貴志祐介氏(小説家)、山崎直子氏(宇宙飛行士)、松尾豊氏(東京大学大学院工学系研究科特任准教授)、石田秀輝氏(合同会社地球村研究室代表、東北大学名誉教授)、滝順一氏(日本経済新聞社編集委員)。

その他、中間審査員として、大森望氏(翻訳家、書評家、SFアンソロジスト)、鏡明氏(SF作家、評論家)、牧眞司氏(SF研究家、文芸評論家)、山岸真氏(SF翻訳業)が名を連ねる。

締め切りは9月30日。詳細は、同賞サイトで閲覧できる。http://hoshiaward.nikkei.co.jp/

 

【マンガ】紙ヒコーキ

過ぎ去りし昭和を振り返ってみない?
ショーワン7-1 ショーワンもうあらわれないのか…
ショーワン7-2 なんか、昭和の話いろいろ聞けて楽しかったな…
ショーワン7-3 できた!箸置き
ショーワン7-4 箸袋で箸置き、ナイスですね。昭和も紙ヒコーキ流行ったんですよ。
ショーワン7-5 違うのキター!
ショーワン7-6 色んな紙ヒコーキが作られてね・・・
ショーワン7-7 ものすごく飛ぶ紙ヒコーキに夢中になったもんさ
ショーワン7-8 懐かしいなぁ
ショーワン7-9 へえ
ショーワン7-10 って、いない

紙飛行機といえば、かつては新聞のチラシなどでつくって遊ぶという、小さな子どもの遊びでした。そんな時代に登場したのが元電電公社エンジニア、二宮康明さんによる「よく飛ぶ紙飛行機」。

ケント紙を機体の部品図通り切り抜き、接着剤で貼り合わせる。すると、1分近く飛び続ける高性能の紙飛行機ができるのです。ちゃちな紙飛行機しか知らなかった昭和の子どもたちの心をつかみました。

現在も毎年、二宮康明杯・全日本紙飛行機選手権大会が開催されています。紙飛行機は少年の心を持った大人の遊びにもなりました。

(50代男性の話・当時神奈川在住)

※漫画およびコメントは、一個人の体験と記憶を基に作成しています。

データ主導でパーソナライズされた体験経済、そこにおけるブランドの役割とは?(後編)

多くの人々がスマートデバイスから商品購入やサービス利用を行うようになり、コネクティッドデバイスが個人のデータを生成するようになった昨今、企業はどのように顧客の信頼を得て個人情報を収集し、活用すべきなのでしょうか。消費者は、個人情報の提供に、納得できる理由と対価を求めます。

前編では、これからの企業のブランディング、マーケティングの四つの課題のうち、「価値の交換」「ブランドの信頼フレームワークの構築」という二つの課題を、さまざまな企業の実例を交えながら説明しました。引き続き、後編で残りの課題について解説します。

3.ブランド価値とプライバシー対策の整合

プライバシー対策とブランド価値が整合していますか?

ダイレクトマーケターは何十年も前から消費者データを扱っていますが、スマートプロダクトがもたらすデータの量と詳細さは過去の比ではありません。データの用途も強力です。現場が変化するにつれ、各事業部のエグゼクティブ、ITチーム、マーケター、製品/サービス企画担当者、法務顧問は、次々と新たな課題に取り組み続けています。

長文のプライバシーポリシーを掲げるだけでは意味がない

 

ローリー・フェイス・クレイナー氏(カーネギーメロン大学 計算機科学および機械工学・公共政策学科教授)が2012年、人が通常1年間に利用するウェブサイトとアプリのプライバシーポリシーをすべて読むには244時間かかるだろうと推計したのは有名な話です。

これに加え、エンドユーザー使用許諾契約(EULA)とサービス利用規約もあるのですから、自分の生成するデジタルエキゾースト(ユーザーによる日常的なデジタル技術の使用で生成される情報)の意味を理解する、ましてや管理する時間のある人などほとんどいないのは明らかです。

これだけ労力がかかると、消費者は、企業のデータポリシーや個人データの扱いに関する信頼性をいちいち評価できません。企業のデータポリシーを合理的に評価できないとなると、近道が必要です。つまり、企業の個人情報保護方針を支持する感情的な意思決定メカニズムです。

プライバシー保護に対するブランドの明確な姿勢

 

プライバシーポリシーは、ブランドイメージの一環になる必要があります。ブランドキュレーター、マーケター、熟練したデザイナーは、データ/プライバシーポリシーの管理を法律家から奪い取らねばなりません。これはすでに始まっています。

2014年から、アップルは、消費者のデータとプライバシーの保護を強く打ち出しています。iPhoneとiPadに高度な暗号化機能も装備しました。2016年には、警察や保安局が犯罪者やテロリストの電話にアクセスできるよう、米国司法省がiPhoneのバックドア作成を要請したのに対し、アップルは抵抗しました。

その姿勢を政治的にどう思うかは別として、アップルは、プライバシーと顧客データの保護を支持するという明確なメッセージを送っています。

4. 信頼エコシステムの構築

消費者データやデジタルエキゾーストを他社と共有する機会が増えている一方で、消費者の信頼を維持する方法を考えていますか?

前に述べたように(スキーヤー向けのスマートフォン用アプリEpicMixによるサービスの事例については前編を参照)、消費者データとデジタルエキゾーストを利用して優れたブランド体験を実現している例の多くは、リゾート、テーマパーク、キャンパスなど、一つの組織が全てのコンタクトポイントを管理する環境にあります。例えばEpicMixアプリは、Vail Resorts Management Companyが所有し、運営するスキーリゾート内でしか使えません。しかし、都市、車、家がますますスマートになり、接続機能を多用するようになれば、体験はさらにカスタマイズされ、計画的なものになります。

特定のカスタマージャーニーを中心として、体験がいずれは複数のブランド、企業、組織にわたるようになるでしょう。ここで新しい課題が生じます。カスタマージャーニーの幅が広くなり、複数のブランドが関与するようになった場合、どのようにブランドは自己を表現すればよいのでしょう? 消費者データとデジタルエキゾーストを企業の壁を越えて共有しながら、どのように消費者の信頼を維持すればよいのでしょう?

複数企業のデータ共有で可能になる体験

この戦略を実行している例として、再びUberを取り上げます(UberのGPSデータ追跡サービスの事例については前編を参照)。Uberのサービスは、独自のモバイルアプリケーションでクルマを呼ぶことから始まりました。しかしUberはその後、他の企業のアプリケーション内の機能としてサービスを発展させました。

例えばUnited Airlinesモバイルアプリでは、フライトにチェックインした後、Uberで空港までのクルマを予約するボタンがあります。これは、顧客の標準的なカスタマージャーニーにぴったり馴染みます。同様に、Facebook Messengerからも、Messengerを開いたままでUberを予約できます。新しいアプリを開かずにクルマを予約できる利便性を考えれば、消費者は2社の間に情報が流れてもかまわないと考えるでしょう。

提携のカギはブランドの信頼性

コネクテッドカーや自動運転車の車内体験をデザインする自動車メーカーも、同様の状況にあります。現在、ほとんどの自動車メーカーは、Sirius XMやAndroid Autoなど他社の体験を提供しています。また一方で独自の体験を構築している企業もあります。私たちは、その両方をブレンドした体験の方が市場で成功すると思いますが、マーケティングの最高責任者(CMO)は信頼エコシステムを慎重に管理し、信頼を増すようなブランドと提携する必要があります。信頼の低いブランドはエコシステムの弱点となり、信頼の高いブランドまで同レベルに引き下げてしまいます。

この記事(後編)の全文はウェブマガジン「AXIS」にてご覧いただけます。

※「Journal of Brand Strategy」2016年夏号に発表された記事を転載。


クリスティン・クラジェツキ
frogのブランド戦略リーダー。クライアントであるブランドとその顧客の間の感情的な絆づくりを担当。ストーリーテリングとキャラクター開発をライフワークと志し、17年間のキャリアにおいて、Fortune 500企業にもスタートアップ企業にも強力なブランドエンゲージメントをデザインしている。

クリスティン・クラジェツキ

サントリー  角瓶80周年記念で「角ハイボールガーデン」 をオープン

サントリースピリッツは8月31日から9月3日の期間限定で、東京・港区の六本木ヒルズ大屋根プラザに「角瓶80周年記念 角ハイボールガーデン」を出店した。
1937年に発売された角瓶は、戦後の高度経済成長期におけるウイスキー市場の拡大を経て、変わらぬ魅力で不動の地位を確立。近年のハイボール人気もあり、成長を続けている。
角瓶のボトルデザインは、長寿のシンボルである亀甲模様がカットされたもので、薩摩切子にヒントを得たものといわれている。また、商品のラベルには、「角瓶」の表記はなく、ボトルの形から誰からともなく「角瓶」と呼ばれるようになり、後に商品名として定着した。角瓶が世の中で広く愛されていることを示すエピソードだ。

初日に開催されたオープニングイベントで、仙波匠社長は「この10年ほど角ハイボールなどの需要創造活動に注力した結果、今年は過去最高の売り上げを達成する見込みだ。本日オープンのハイボールガーデンで、キンキンに冷えた角ハイボールと揚げたてのからあげを楽しんでほしい」とあいさつした。

9月2日から放送される角ハイボールの新テレビCM「新顔」編の上映後、2014年からスタートしたシリーズCMでバーの店主を演じる女優の井川遥さんが登場した。
最新作には、若手俳優の矢本悠馬さんがバーの“新顔”として出演。常連客の加瀬亮さんやピエール瀧さん、田中圭さんらの会話に加わりながら、井川さん自慢の“ハイカラ”(ハイボールとからあげ)を初めて味わう。ずうずうしくも憎めない矢本さんと、息の合った常連客のコミカルな掛け合いが描かれ、それを見守る井川さんの穏やかで優しい笑顔が、角ハイボールと相まって印象的なCMになっている。

井川さんはCM撮影について「新顔が現れて、新風が吹いたようだった。会話の微妙なやりとりも面白かった」と話し「現場にからあげの香ばしい匂いが漂うと、皆の気分が盛り上がるのが分かる。私も撮影後に頂きました」と笑顔を見せた。

80周年とガーデンのオープンを祝して乾杯すると「やっぱり、“ハイカラ”の相性は抜群です。どんな料理とも合う、飽きのこない味が長く愛される理由ですね」と語った。夏はプライベートでもハイボールを愛飲しているという井川さんは、パーティーなどでもハイボール作りを頼まれることが多いといい、おいしく作るコツを披露。
「ぜひ、ハイボールガーデンに足を運んでほしい」と述べた。
公式サイト:http://www.suntory.co.jp/news/article/12977.html

「月見バーガー」  26年目のリニューアルに 獅童さん絶賛!

日本マクドナルドは、秋の期間限定メニューとして愛されている「月見バーガー」を、発売26年目にして初めてリニューアルし、9月6日から販売すると発表した。

月見バーガーは、日本の秋の伝統的な習慣「お月見」をイメージした商品で、1991年に発売された。月に見立てたたまごと100%ビーフパティ、スモークベーコンの組み合わせが秋の風物詩として好評を得ている。今回、秘伝のソースのうまみとコクをより濃厚に仕立てた「“二代目”月見バーガー」シリーズとして生まれ変わった。

販売開始に先立つ8月31日、都内の同社施設では同バーガーのお披露目会が開催された。
足立光上席執行役員は商品・キャンペーン概要について話し、「月見バーガー」「チーズ月見」「満月チーズ月見」に加え、“朝マック”に「月見マフィン」を投入すると説明。また、キャンペーンアンバサダーに、歌舞伎役者の中村獅童さんを起用したテレビCMの放送や、抽選で限定マックカードが当たるリツートキャンペーンの実施を明かした。
メニューマネジメント部の若菜重昭上席部長は、リッチに進化させた秘伝のソースなど、新商品の詳細を説明するとともに、二代目の登場に合わせ「シャカシャカポテト明太マヨ」や「マックフィズ/マックフロート ゆず」も発売すると話した。

ステージの幕が開くと、歌舞伎さながらの舞台に中村獅童さんが登場した。
獅童さんは「本日、二代目を襲名いたしました月見バーガー。皆さまの熱い熱いご声援のほどを、ひとえにお願いたてまつりまする!」と襲名披露口上を述べた。
「マクドナルドで口上をさせてもらうとは思わなかった、緊張したがうれしかった」と話す獅童さんは、昔からの月見バーガーファン。「秋の味覚は、マツタケと月見バーガーです!」と会場を沸かせた。また、子どものころからのマクドナルド好きを明かし、歌舞伎の稽古帰りに食べさせてもらったことや、店舗での誕生日会、スタッフとの交流など、思い出を語った。

秘伝のソースの「コク、パネぇ!」
獅童「ドナルドって、昔はほとんど話さなかったでしょ?」
ドナルド「しゃべってましたよ」
獅童「何代目のドナルド?」
ドナルド「初代です!」(笑)

ステージにはこもだるが用意され、鏡開きならぬ“ソース開き”が行われた。獅童さんは、初代と二代目のソースを味見して「コク、パネぇ!」と笑わせた。月見バーガーを試食し「リニューアルは冒険だったと思うが、この三位一体のおいしさは最高だ」と絶賛。あっという間に完食し、満足げだった。獅童さんは「昔からの月見バーガーファンも初めての人も、納得のおいしさだと思う。ぜひ、食べてみてください」と結んだ。
同社は、9月6日の販売開始に先駆けて、全国15店舗で先行販売を実施する。
公式サイト:http://www.mcdonalds.co.jp/campaign/tsukimi2017/

 

伏見稲荷大社で夕闇に溶ける“幽玄”を味わう「夕暮能」

金剛能楽堂財団は9月8日、新感覚で楽しめる能公演として「夕暮能」プロジェクトをスタートさせる。発起人は海外公演にも積極的に取り組んできた金剛流若宗家・金剛龍謹氏。

京都・伏見稲荷大社

プロジェクトの第1回公演は同日17~19時に、京都・伏見稲荷大社 外拝殿&神楽殿で無料イベントとして行われる。問い合わせは公式サイトから。

演目は幽玄を体現する「羽衣」と、稲荷明神のご神体が狐の精霊として現れる「小鍛冶」。

夕暮能01
夕暮能02

see the invisible(見えないものを観る)をコンセプトとした夕暮能は、視界が闇にまぎれる時間帯に、社寺仏閣で気軽に屋外観劇するという、古くて新しい観劇スタイルの再生を目指す。

従来の能ファンにとどまらず、次世代のファン層獲得を目指しており、SNS映えする京都の社寺の空間を生かして、日本固有の“幽玄”の魅力をグローバルに発信する。

また、今回は地域資源である伏見の日本酒と連携。お酒と伝統芸能の掛け合わせで、ハレの日を祝うイベントとする。

今後、京都観光の新たなスタンダードとなるか注目したい。

夕暮能公式サイト:http://seetheinvisible.jp/

生活者のモチベーションの観点から企業課題を解決するフロンテッジ・モチベーション・ラボ設立

ソニーと電通が出資する総合広告会社フロンテッジは9月1日、デジタル時代の生活者の動き方を体系化し、企業の課題解決に結び付ける新しい取り組み「フロンテッジ・モチベーション・プロジェクト」を始動。

同時に、本プロジェクトの中心となって課題解決に当たる特別組織フロンテッジ・モチベーション・ラボを設立した。

フロンテッジ・モチベーション・ラボ

ラボのミッションは以下の三つ。

  1. デジタル時代の生活者の動き方を踏まえた課題解決の新しい方法(モチベーション・デザイン)を体系化する。
  2. さまざまなクライアントの課題に対し、モチベーション・デザイン・メソッド的見地から解決の方向性をディレクション(示唆)する。
  3.  モチベーション・デザインに関するセミナー・勉強会の開催や、研究成果を定期的に発信していく。

デジタル化が進む昨今、生活者の情報接触状況が大きく変わり、それに伴って「心の動き方」も大きく変化。従来型の「品質の高いものをつくり、広告を大量に投下する」という考え方で対応できない場面も急増している。

そうした状況を踏まえ、フロンテッジはデジタル時代に生活者を動かす「モチベーション」に着目し、本プロジェクトをスタートした。

ラボではフロンテッジの小里玄氏が所長に就任。刻キタルの間宮洋介氏をプロジェクトリーダーに、各界からさまざまなジャンルの専門家をメンバーに迎え、フロンテッジのソリューションチームと共に理論と方法論の研究、体系化を行う。

また、得られた知見を軸に、デジタル時代の消費行動におけるクライアントの課題解決に当たる。

フロンテッジ https://www.frontage.jp/

編集者入魂の「雑誌記事」をAIでデジタルコンテンツ化しませんか?

出典 株式会社ハースト婦人画報社
出典:株式会社ハースト婦人画報社 婦人画報7月号

「なんだかんだで、雑誌の記事はよくできている」

ウェブメディアのさまざまな問題が取りざたされる昨今、雑誌ならではの価値がクローズアップされています。

しかし、インターネットやスマホアプリといったデジタルメディア上で、「いったん紙の雑誌に掲載された記事」を目にすることはあまり多くありません。

なぜなら雑誌のレイアウトそのままだとスマホの小さい画面では見づらいし、リンクもしづらく、デジタル閲覧に適さないから。

かといって、雑誌用につくった誌面データからいちいちテキストや画像を手作業でコピペし、改めてウェブ用やアプリ用にデータをつくり直すのはとても骨の折れる作業です。

「紙の雑誌用につくった記事をもっと簡単にウェブやアプリで活用できたら…」

今回は、そんな雑誌業界の願いをかなえる新サービスを紹介します!

出版社の「貴重な財産」をデジタルの世界に広げよう

電通出版ビジネス・プロデュース局の照井と申します。

私は学生時代(今もですが)、「雑誌の編集者」になりたいなぁと思いながらも、同時に勃興期だった「インターネット」が本質的に持つカウンタースピリットにも魅了され、電通入社後も、一貫して「雑誌×デジタル」にフォーカスしてきました。

そんな私は、電通が提供する電子雑誌業務支援システム「Magaport(マガポート)」を2011年に立ち上げました。雑誌コンテンツの電子書店への販売、入稿、経理、広告などを統合的に管理できる、「雑誌コンテンツのための取次システム」です。おかげさまで出版社約150 社、1000 誌以上に導入いただき、国内屈指の電子雑誌プラットフォームに成長しました。

そして今回新たにMagaport内に実装したのが、雑誌など紙媒体の誌面データを自動で“マイクロコンテンツ”に変換する「Magaport記事サービス」です。このサービスは、富士山マガジンサービスの「fujisan 記事抽出システム」を独占的に使用することで実現しました。

※マイクロコンテンツ……汎用性の高い状態に変換されたテキストや画像単位の各種データのこと。例えば雑誌であれば、「タイトル」「サブタイトル」「写真」「キャプション」「イラスト」「図」などに分解された各パーツのデータ。

雑誌記事の良さは、幅広いジャンルをカバーしつつ、それぞれの記事に深みがあり、読み物としてのクオリティーも高いこと。各ジャンルのプロである編集者やライターが企画案を戦わせ、取材をし、事実確認を行い、プロの校閲を通す。一つ一つが手間暇のかかった、価値のあるコンテンツです。

一方で、後述しますが、「高品質な雑誌記事をウェブサイトやスマホアプリ上で使いたい」という企業側のニーズが高まっています。

せっかく魂込めてつくった雑誌記事を、一度本として販売するだけで終わらせてはもったいない。デジタルの世界で多くの企業に活用してもらい、もっと多くの人にその素晴らしさを感じてもらわない手はありません!

「雑誌1冊丸ごとのPDFデータ」が「記事単位のHTMLデータ」になる!

今回のサービスで実現する「雑誌のマイクロコンテンツ化」とは、「雑誌1冊分のPDFデータ」を入稿するだけで、AIが「1記事ごとのHTMLデータ」に自動変換してくれるというものです。

サービスイメージ図
図1 「Magaport記事サービス」を利用することで、出版社は自社の雑誌記事をデジタルで活用しやすい「マイクロコンテンツ」に変換し、記事単位で配信できます

マイクロコンテンツ化した記事のHTMLデータは、出版社自身のウェブメディア、電子書店、企業のオウンドメディア、ニュース系のキュレーションアプリなどに“記事単位”で配信・販売可能です。

このマイクロコンテンツ化から配信までを、Magaport内でサポートします!

【まとめ:本サービスのポイント】
・1冊分丸ごとのPDFデータからHTMLデータに自動変換
・出版社が用意するのは、雑誌1冊分のPDFデータのみ
・変換から配信までをMagaport内で完結可能

面倒な雑誌記事のマイクロコンテンツ化はAIにお任せ

「記事単位でのマイクロコンテンツ化」がどうすごいのかを説明しましょう。

雑誌の良さのひとつに、編集者の意図でレイアウトにさまざまな変化をつけられることが挙げられます。人物やプロダクトの「切り抜き写真」を使ったり、ページの「地」に画像を敷いてその上にテキストを乗せたり…結果、レイアウトが複雑なものも多くあります。

一方、ウェブブラウザーやスマホアプリは、スクロールしながら読むことを前提としており、ある程度シンプルなレイアウトが求められます。特に、画面サイズが小さなスマホではこの傾向が強く、雑誌の誌面をそのままPDFデータでデジタル配信しても、多くの人は「読みづらい」「使いづらい」と感じます。

そこで、雑誌記事のデジタル展開に当たっては「一度レイアウトを白紙に戻し、記事を構成する文字や写真をスマホ用に再構成する」といった作業が必要となります。

しかし、雑誌誌面のPDFデータは、「タイトル」「リード」「見出し」「本文」「写真」「キャプション」などの属性が何なのか、またパーツごとの関連性はどうなっているのかを、データとして保持していません。

従来この作業は、人の目で文字や画像を確認し、「このキャプションはこの画像のもの」「この本文はこの見出しの下に」といった関係性を一つ一つ判断するしか方法がありませんでした。

Magaport記事サービスでは、これら面倒な作業が全て自動化されるわけです。

本サービスのAIは、各パーツの属性と関係性を自動で判断し、適切に並べ替えてくれます。結果、配信先のウェブサイトや閲覧するデバイスに合わせて最適な形で表示されます。 

元の雑誌記事ページAIが自動変換
スマホに最適化
2 紙の雑誌を前提としたレイアウトの「各パーツの関係性」を、AIが自動で判断して適切な順番で並べてくれます。上図はスマホですが、もちろんパソコンやタブレットの画面にも最適化されます 

このAIによる変換システムこそが、富士山マガジンサービスの「fujisan 記事抽出システム」であり、Magaport記事サービスのコアです。

手動で行うと大変な労力と時間、コストがかかっていた変換・再構成作業が、AIに任せることで時間もコストも大幅にカットできます。

【まとめ:本サービスのポイント】
・「見出し」「本文」「画像」など記事の構成パーツをAIが判断
・紙の雑誌を読むように、各パーツを適切な順番に自動で並べ替える
・AIによる自動変換のため短期間・低コストで納品可能

電子書店からオウンドメディアまで、雑誌記事への「ニーズ」は無限大!

「Magaport記事サービス」でHTML変換された雑誌記事は、Magaportの配信システムを利用して、配信先ウェブサイトのCMS(記事配信サービスシステム)に流し込めます。

出版社自身が「自社の雑誌サイトで自社雑誌の記事を二次利用したい」というケースはもちろん、企業のオウンドメディアや電子書店にも簡単に配信できます。

さらにMagaportから、全世界向けのデジタルコンテンツマーケット「NewsCred」へ雑誌記事を配信することも可能です。

図3-1図3-2図3-3
図3-4
3 Magaport上での配信管理の例。登録したコンテンツを、各配信先企業へAPI経由で供給するため、出版社は1回の作業で複数書店への配信作業が完了します

以下に、HTML化した雑誌記事の活用事例を列挙します。

●出版社では…「自社サイトのコンテンツを効率的に拡充」
紙の雑誌用につくった記事を自社の雑誌サイトに活用すれば、効率的にコンテンツを拡充できます。普段お使いのCMSにMagaportからデータを流し込み、即座にウェブサイトに反映できるので(再編集ももちろん可能)、作業効率も大幅にアップします!

ウェブに最適化されて読みやすくなった記事なら、雑誌をあまり読まない若年層など新規顧客にも素晴らしさを伝えられるでしょう。SNSなどに雑誌記事を使うことも容易になります。

なお、「ウェブサイト構築システムがない」または「今使っているものに不満がある」という出版社には、Magaport記事サービスの一環として、CMSやEコマース、会員管理、DMP(データマネジメントプラットフォーム)といった構築ソリューションをセットで安価に提供しています。

●オウンドメディアを運営する企業では…「良質なコンテンツの充実」
質の高いコンテンツを効率的に増やせます。例えば自動車メーカーのオウンドメディアだったら、アウトドア関連記事や自動車の批評記事を各専門誌から調達するといった活用事例も始まっています。

今後Magaportでは、HTMLファイルに対して記事単位・ページ単位で「タグ付け」されるようになります。キーワード検索により、オウンドメディアにふさわしい記事を効率的にプランニングできます。

●電子雑誌サービスでは…「スマホに最適化したユーザー体験を実現」
従来の電子雑誌は、紙の雑誌の固定化されたレイアウトのまま配信されていました。マイクロコンテンツ化されたデータなら、画面の小さなスマホにはタテに長いデザインで、パソコンにはもう少し自由度の高いオリジナルデザインで、画面サイズに合わせて読みやすいレイアウトにできます。

より読みやすくなり、Eコマースや動画とのリンクも容易になるので、ユーザーの満足度は格段にアップするでしょう。

●パンフレット、DMなども…「あらゆる紙メディアをマイクロコンテンツ化」
本サービスは、実は雑誌記事に限定したサービスではありません。PDFデータなら全てマイクロコンテンツ(HTML)に変換可能です。企業パンフレット、自治体の観光案内などにも利用いただけます!

【まとめ:本サービスのポイント】
・配信先はオウンドメディアや電子書店、ニュースアプリなどに雑誌記事を使いたい企業
・もちろん出版社自身のサイトのコンテンツも拡充可能
・雑誌だけでなくパンフレットなどもデジタルコンテンツにできる

世界中の企業オウンドメディアはなぜ「雑誌記事」を欲するのか?

企業のオウンドメディアでの「雑誌記事」活用ニーズが高まっています。現在私たちは、グルメコンテンツサービス、旅行に関する旅情報サイト、自動車メーカーなど、さまざまな企業オウンドメディアへの雑誌記事提供を進めています。

企業がオウンドメディアを運用する目的は、自社のブランディング、製品・サービスの認知、Eコマース、会員化などさまざまです。どんな目的であれ、ユーザーと良好な関係を構築したいというのは、オウンドメディア担当者共通の願いでしょう。

そのためにも、良質なコンテンツを拡充する必要があるのですが、

「質の高いコラム記事をどんどん増やしたいのに、時間とコストが足りない」

「一本一本企画を立て、プロの外部ライターに取材や執筆を依頼して、ディレクションするのは大変だ」

といった課題を抱えているケースが多いのも事実です。

そんな企業のオウンドメディア担当者にも、このサービスを大いに活用してほしいと思います。

記事を提供する側である出版社は、Magaport上でライフスタイル誌、女性ファッション誌、グルメ誌、旅行誌、スポーツ誌、自動車誌など、多岐にわたる自社雑誌の中から「企業が希望するテーマの記事」をクリックひとつでチョイスし、マイクロコンテンツ化し、手間なく提供できます。

今後はタグ検索、全文検索などの機能も使えるようになるため、配信する側、される側ともに、「雑誌記事をデジタルマーケティングに活用する」というケースも広がっていきそうです。

このサービスの根底に流れるのは、編集者へのリスペクト

そもそも、なぜ私たちがこのサービスをつくったかというと、編集者へのリスペクト、からかもしれません。

どの記事からも編集者のこだわりが感じられるし、テーマごとの情報量も多い。濃密で、信頼できるコンテンツが満載です。それなのに雑誌の寿命は短く、多くの場合月刊誌であれば1カ月、週刊誌ならたったの1週間程度しかありません。よく考えたら、雑誌はとてもぜいたくなものなんです。

そんな価値のある雑誌記事を「もっと多くの人に見てもらいたい、使ってもらいたい!」というのが、アイデアの発端です。

今のネットメディアの傾向として、誰でも手軽に記事を作成・公開でき、そして間違えたらすぐに内容を書き換えられるということがあります。気楽な分、記事を掲載する覚悟が薄れつつあるのかもしれません。プロの編集者が真摯な姿勢でつくった“本気”の記事、雑誌記事への再評価は、そんなことも原因のひとつなのだと思います。

最後に、雑誌記事がHTML化されると、記事単位での「テキストデータ活用」も簡単になります。テキストデータは検索にも翻訳にも便利ですよね。近い将来、多言語への自動翻訳の精度が上がれば、日本の雑誌記事を世界各国に、その国の言語で同時配信することもできるでしょう。グローバル展開が容易になり、新規ビジネスの可能性が広がりそうです。

本サービスは始まったばかりです。将来的には「記事単位の閲覧情報」を活用したレコメンドやターゲティング、記事を使った新たな広告テクノロジー開発、ブロックチェーン技術と組み合わせた新サービスの創出など、さらに使いやすく改良していく予定です。

私たちは、雑誌の力を信じています。これからのMagaport記事サービスにご期待ください。

営業の「センス」って何なのか真面目に考えてみた『センス入門』

営業の上司や同僚と語り合う(飲む)ときの頻出ワード「センス」。

先輩「プレゼンお疲れ~!勝ててホンマよかった!」
後輩「お疲れさまで~す!本当によかったです!僕も間近で関われて、いろいろと勉強になりました!」
先輩「お、例えば?」
後輩「例えば…、プレゼンの最後の質疑応答での〇〇部長の対応とか!」
先輩「確かに。あそこであの切り返しできるんは、もはやセンスとしか言いようがないわ」
後輩「ですよね~!」

僕は広告業界でしか働いたことはないですが、こんな会話は(居酒屋の)そこかしこで聞こえてきそうです。

で、結局「センス」って何??

頻出ワードであるにもかかわらず、みんなの認識がちょっとずつ異なるような気がしますし、なんとなく、明文化することも難しい気がします。

上記の会話でも、先輩は分かっている風ですが「センスでしかない」と一言で片づけてしまうと、もはや後輩にとっても勉強になっていないですよね(笑)。

今回のコラムを書くにあたってビジネス書の新刊をチェックしに入った自宅付近の書店で、ビジネス書でも新刊でもないのに、なぜか平積みされていた『センス入門』(筑摩書房)なるストレートすぎるタイトルの一冊。著者は、エッセイスト、書店店主で『暮しの手帖』元編集長の松浦弥太郎氏。思わず手に取ってしまいました。

センス入門

まずは今の自分の「センス」と向き合ってお手本を見つける

最初に断っておきたいのは、本書で語られている「センス」や「センスがいい」ということは、人間全般に対しての言及ですのでビジネスパーソンに限ったことではありませんし、また、著者自身の思想だけではなく著者が出会った数多くの「センスがいい」ひとをお手本にされているということです。

僕にとって「センス」とは、まず最初に、「選ぶ」もしくは「判断する」ということだと思います。(中略)いつもよい選択や後悔しない選択ができればいいのですが、なかなかそうはいかないものです。(中略)ただたいていのことには、お手本になってくれる人というのが世の中にはたくさんいるものです。その人たちはお手本といっても特別なところにいるわけではなくて、僕たちと同じようにふつうの場所で仕事をしたり生活しているはずです。(P12,13)

素直に自分と向き合ってみて、今の自分にとって「このひとセンスいいな」とか「優秀オーラ出まくってるな」と感じる営業の先輩や同僚が社内に数多くいるというのはとても幸せな環境なんだなと改めて思うと同時に、その環境で自分はいったい何を学べているだろう?センスを磨けているのだろうか?と胸に手を当てました…(汗)。

なんでも知っている人より、なんでも考える人

本書には、著者がさまざまな角度、視点から考えた、性別や年齢を問わず「なるほど」とうなずけるような、「センス」についての言及がちりばめられていますが、われわれからすると「センスのかたまり」のように思える著者も「センス」と言われたら、手も足も出ない気持ちになるのは、僕だけではないでしょう。(P8)と本書の冒頭で宣言されています。

読み進めると、いくつも納得感のある言葉があったのですが、取って出しのような引用の羅列になりそうで、そうしてしまうと「センスないな」と思ったので(笑)、最も共感した箇所を紹介させていただきます。「センスのよさ」に替わる日本のことばは「美徳」であると説く著者が、本書執筆当時に強く思われていたことのようです。

自分の頭のなかでふわふわ漂っている、非常に感覚的なものをつかまえて、ひとつひとつことばに落とし込んでいくというのが「考えること」だと僕は思っています。(中略)「考える人である」というのは、「美徳」のひとつです。考えることができる人は、間違いなく魅力のある人で、センスのいい人です。(P75)

この本の中にある「センスとは何か」に答えようとする数々の言及は、まさに著者が「考え」続けた証しなのだなと思いました。本稿冒頭の先輩と後輩の会話に登場する営業部長(実際にモデルがいるのですが)の鋭い切り返しも、きっとその営業部長がクライアントのことやその商品・サービスを伝えたい相手のことを誰よりも考え抜いていたからこそなし得たワザだったのでしょう。

謙虚であり続けるというセンス

第3章「センスのお手本」では、「センス」への言及にとどまらない人生訓のような話への発展も多く見られます。それらはまるで著者が考え続けてきたさまざまなセンスに対する考察を「あなたのセンスならどう思いますか?」と問い掛けられているようでした。実際に、ビジネスの現場に置き換えてみると「営業の交渉現場ではなかなかこんな感じででけへんぞ、でも待てよ…」というように思考が回っていくのが段々と楽しくなる読書体験でした。

最終章の「あとがき」には、「センスとは何か」に対する著者のいったんの回答めいた記述がありますが、ここでは伏せておきたいと思います。

営業という仕事に資格や型が存在しないように、営業におけるセンスなんてものは明文化できないどころか、そもそも存在しないのかもしれません。けれど、本書を読みながらセンスについて考えてみて、僕がお手本にしている上司や先輩や同僚に共通しているのは、謙虚であり続けるというセンスなのかもしれないと思い当たりました。謙虚な人は、常に他人の声に耳を傾けて、常に学び続けて、常に自分を変えられる機会と勇気を持っているから、相対するひとは「あのひとセンスいいな、また会いたいな」と思えるのかなと。そう思い当たっただけでも「1ミリくらいはセンスを磨くことができたかな」と読後の満足感に浸りながら本稿を締めくくりたいと思います。冒頭の後輩との会話で「センス」とは何かも考えずに「センス」という言葉を乱用していたのは他ならぬ僕自身でしたから(笑)。

電通モダンコミュニケーションラボ

【電通モダンコミュニケーションラボ】

 

 

「東京2020 大会協賛くじ」で 応援と3億円の夢を

2020年夏に開幕する東京オリンピック・パラリンピックを応援する「東京2020 大会協賛くじ」(第727回全国自治宝くじ)が8月30日、全国で発売された。
1等賞金が2億5000万円、1等前後賞が各2500万円で、合わせると3億円になる。当せん金1万円の“くじの日賞”が3万本設定されているのも魅力だ。
価格は1枚500円で、発売期間は9月19日まで。収益金の一部は、2020年大会のムーブメント盛り上げに活用される。

同日、千代田区のザ・ペニンシュラ東京で発売記念イベントが行われ、卓球の石川佳純選手と、ボッチャの廣瀬隆喜選手が駆け付けた。
前日、ワールドツアー・チェコオープンから帰国した石川選手はオリンピックについて「出場することが、競技を始めた当初からの目標だった。初参加のロンドン大会では練習でさえ緊張で手が震えた」と話し、廣瀬選手は「リオパラリンピックに出場できただけでも大きな喜びだったが、メダルを獲得できて最高だった。夢の舞台では、緊張とリラックスのバランスが難しい」と語った。2人は東京大会について「自国開催はうれしい限り。たくさんの応援を期待している」「アスリートにとって一番の幸せ」と期待感をにじませた。
今まで宝くじは購入したことがないという2人は、もし高額当せんしたら「ボッチャ競技に貢献できることに使いたい」「プライベートで世界旅行がしたい」と夢を語り、「今日の帰りに購入します」と笑わせた。

ステージでは、宝くじ「幸運の女神」の一人である上野貴穂さんを交えて、ボッチャ体験が行われた。石川選手の1投目は、勢い余ってフィールドを大きくオーバー。「卓球のスマッシュのつもりで投げてしまった」と言いながらも、廣瀬選手がアドバイスした2投目は、見事好ポジションにボールをつけた。廣瀬選手は1投目の結果にメダリストとしてのプライドが許さなかったのか、2投目にチャレンジ。ジャックボール(目標球)をかすめる実戦さながらの投球を披露した。

石川選手は「2020年大会では最高のプレーをしたい。協賛くじ購入で、チームジャパンの一員になり応援をお願いします」、廣瀬選手は「リオ大会以上のメダルを目指す。くじ購入はアスリートのサポートにもつながる。ぜひ、実際の試合会場に足を運んでほしい」とメッセージを残した。
公式サイト:http://www.takarakuji-official.jp/tokyo2020/

電通、ニュージーランドのデジタルクリエーティブ・エージェンシー「リトル・ジャイアント社」の株式100%取得で合意

08月31日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年08月31日

電通、ニュージーランドのデジタルクリエーティブ・エージェンシー「リトル・ジャイアント社」の株式100%取得で合意

株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:山本 敏博、資本金:746億981万円)の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、ニュージーランドのデジタルクリエーティブ・エージェンシー「Little Giant Design Limited」(本社:オークランド市、創業者兼CEO:Mark Hurley、以下「リトル・ジャイアント社」)の株式100%を取得することにつき同社株主と合意しました。

リトル・ジャイアント社は2011年設立と歴史の浅いエージェンシーではあるものの、その強みであるデザインやコピーライティングなどのクリエーティブを中心に、ビジネスやコミュニケーション戦略の策定、デジタルキャンペーンの設計・実施とデータを活用したその効果の検証、最新テクノロジーを活用したアプリやゲームの開発、ソーシャルコンテンツの制作といったデジタルコミュニケーション領域全般のサービスを提供しています。

本件買収の目的は、当社グループの10のグローバルネットワーク・ブランド(※)の1つで、デジタルクリエーティブに強みを持つIsobar(アイソバー)の拠点をニュージーランドにローンチすることにあります。これにより、当社グループは同国においても、デジタルエコノミー時代に十分な競争力を兼ね備えたグループへと進化することが可能になります。
株式取得後、当社はリトル・ジャイアント社をIsobar(アイソバー)のネットワークに組み込み、ブランド呼称をLittle Giant - Linked by Isobar(リトル・ジャイアント・リンクト・バイ・アイソバー)とし、グループ会社との連携によりシナジーを生み出していくことで、ニュージーランドにおける成長戦略を加速させていきます。

なお、本件が当社の2017年12月期の連結業績に与える影響は軽微です。

※電通の海外事業を統括する「電通イージス・ネットワーク社」(ロンドン)は、10のグローバルネットワーク・ブランドを中心に世界でビジネスを展開しています。10のブランドとは、Carat、Dentsu(Dentsu Brand Agencies)、dentsu X、iProspect、Isobar、mcgarrybowen、Merkle、MKTG、Posterscope、Vizeumを指します。
 
 

【リトル・ジャイアント社の概要】
社名:Little Giant Design Limited(リトル・ジャイアント社)
本社所在地:ニュージーランド・オークランド市
設立:2011年5月
株主構成:株式取得後、電通イージス・ネットワーク 100%
収益(Revenue):430万ニュージーランド・ドル(約3.4億円)(2016年12月期)
代表者:Mark Hurley(創業者兼CEO)
従業員数:40名
事業内容:デジタルクリエーティブを中心にデジタルコミュニケーション領域全般のサービスを提供


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0831-009351.html

パナソニック  創業100周年に向けて新キャンペーン  120秒CMも放送

パナソニックは2018年3月に創業100周年を迎えるに当たり、新キャンペーン「Creative!」を8月24日から開始した。“次の100年をつくろう”をキャンペーンコンセプトに、特設サイト(http://panasonic.jp/creative/)を公開。25日からは宣伝キャラクターの綾瀬はるかさん、西島秀俊さん、遠藤憲一さん、奥貫薰さん、水原希子さん、駒井蓮さんと、同社社員らが出演する120秒のテレビCMを放送する他、新聞・雑誌などさまざまなメディアでキャンペーン展開する。

キャンペーンでは「Creative!」というメッセージに「今までの100年の感謝」と「これからの100年をつくっていく決意」を込め、同社が時代とともに変化する暮らしに寄り添った家電づくりに挑戦してきた自負と、これからも「毎日を、ちょっとクリエイティブに」する家電をつくることを宣言する。

120秒の「MONO・GATARI(もの・がたり)」編は、創業当時の商品や、100周年を記念して発表した商品など、約350種の家電を展示したステージで撮影。宣伝キャラクター6人と、キャンペーンソングを歌っている米国のシンガー・ソングライターのアンドリュー・マクマホンさん、同社社員らが出演し、これまでの歴史と未来を表現している。
新旧家電を一同に集めたシーンは、1964年の米『LIFE』誌で創業者の松下幸之助氏が家電に囲まれて登場した取材写真をイメージしたもので、キャンペーンを象徴するシーンの一つだ。
また、りんごの皮をナイフでむくと、中から光った電球が現れるカットは、カンヌ国際広告祭をはじめ多数の賞を受賞した1982年の「ナショナル電球『光のメニュー』」編へのオマージュとして描かれた。その他、過去のCMや松下氏の言葉をモチーフにしたシーンが随所にちりばめられている。

 

特設サイトでは、120秒CMや宣伝キャラクター6人が出演し、家電と人との関係をリアルに演じる「KOTO・ZUKURI(こと・づくり)」編が視聴できる他、キャラクターと100周年記念商品に携わった社員が思いを語り合うスペシャルムービー「Creative!ストーリー」全18編も順次公開する。また、CM撮影に参加したマクマホンさんが、急きょ現場で開いたスペシャルライブの模様も公開予定だ。

 

タイムシフト視聴率 8/14~8/20 ─ 男は自分の母ちゃんを守らないといけない

ビデオリサーチの視聴率調査データから、「8月14~20日のタイムシフト視聴率・総合視聴率5」をリサーチボーイがお届けします。

リサーチボーイ

男は自分の母ちゃんを守らないといけない
今週は岡崎 律の言葉からでした。


TBS「 ごめん、愛してる 」第7話より

< タイムシフト視聴率5 >

1▶︎11.4%:コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]13.8% [総合視聴率]23.4%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/14(月):21:00-69分間

2▶︎8.3%:過保護のカホコ

[視聴率]10.9% [総合視聴率]17.2%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/16(水):22:00-60分間

3▶︎7.2%:連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]20.6% [総合視聴率]25.6%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/15(火):8:00-15分間

4▶︎6.9%僕たちがやりました

[視聴率]5.4% [総合視聴率]11.6%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/15(火):21:00-54分間

4▶︎6.9%:日曜劇場・ごめん、愛してる

[視聴率]9.5% [総合視聴率]15.6%
 放送局:TBS、放送日:2017/8/20(日):21:00-54分間

< 総合視聴率5 >

1▶︎26.7%:連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]21.4% [タイムシフト視聴率]6.4%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/18(金):8:00-15分間

2▶︎24.9%世界の果てまでイッテQ!

[視聴率]22.1% [タイムシフト視聴率]3.3%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/20(日):19:58-56分間

3▶︎23.4%コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]13.8% [タイムシフト視聴率]11.4%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/14(月):21:00-69分間

4▶︎18.9%:ザ!鉄腕!DASH!!

[視聴率]17.6% [タイムシフト視聴率]1.4%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/20(日):19:00-58分間
 

5▶︎17.9%笑点

[視聴率]16.9% [タイムシフト視聴率]1.2%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/20(日):17:30-30分間

 


期間:2017年8月14日(月)~20日(日)
地区:関東地区

▶︎タイムシフト視聴率と総合視聴率の定義については、ここからご覧いただけます。
▶︎上記以外の番組についてもご覧になりたい方は、ビデオリサーチのサイトからご覧いただけます。

【禁】無断転載
転載に関するお問い合わせは以下までご相談ください。
株式会社ビデオリサーチ 
コーポレートコミュニケーション室
Tel  03-5860-1723(直通)

新譜をチェックする感覚で町工場の技術と出合う「INDUSTRIAL JP」

INDUSTRIAL JPは、町工場の製造現場で採取した機械音をサンプリングし、ミュージシャンがオリジナル楽曲を作成、同じく撮影した製造工程の動画とミックスすることでミュージックビデオとして発信するプロジェクトです。

初の“町工場音楽レーベル化”運動は工場マニアや音楽ファン、製造業界からも熱視線を集めただけでなく、カンヌライオンズ2017デザイン部門でブロンズ、ADC賞2017ではグランプリを獲得。なぜ町工場がレーベルに? この動きの行き先は?

グラフィックデザイナーの下浜臨太郎さんと、電通2CRP局のクリエーティブディレクター(CD)で、今回のプロジェクトではサウンドディレクションを担当したDJ MOODMANこと木村年秀さんへのインタビューから、その全貌をあぶり出しました。

「INDUSTRIAL JP」グラフィックデザイナーの下浜臨太郎さん(左)、サウンドディレクターのDJ MOODMANこと木村年秀さん
グラフィックデザイナーの下浜臨太郎さん(左)、サウンドディレクターの木村年秀さん

 

お題は町工場をリブランディングするビジネルモデル作り

 

──INDUSTRIAL JPは一見広告らしからぬプロジェクトですが、どのように始まったんですか?

木村:サイトがオープンしたのは2016年の秋。スタッフィングが固まって動きだしたのは2016年の春頃だったと思います。電通総研Bチームの倉成英俊CD、由紀精密社長の大坪正人さん、電通デジタルの新谷有幹くん、電通クリエーティブXの藤岡将史プロデューサーといった感じでメンバーが増えて行きました。

下浜:僕は「のらもじ発見プロジェクト」がきっかけで倉成さんに話を頂いたのですが、そもそもそれぞれの町工場にはそんなに予算がないし、何をするかも何ができるのかも全く見えていなかった。とりあえず中小製造業をどうにかしたい…ということしか分かってない状態で動き始めました。

木村:町工場のリブランディングにつながるコンテンツができないか、というお題ですよね。現実に日本の産業を支えている町工場の仕事について、ほとんどの日本人は知る機会がない。そこを活気づけるためのプロジェクトとしてスタートしたという感じです。

下浜:僕に話がくる前から、倉成CDや由紀精密の大坪社長が「日本の町工場や中小企業の方々のお手伝いを、クリエーティブの力で、何かできないか」と、ずっと議論していたみたいです。

木村:そのような下地があった上で、アウトプット思考の下浜くんにバトンが渡ってプロジェクトが始動するわけですが、きっかけは下浜くんが発掘してきた小松ばね工業のビデオでした。それこそ、のらもじ的な発見だよね。

下浜:ネタの収集の一環として足を運んだ製造業の商談フェアで、小松ばね工業という工場のブースの小さなモニターに、従業員の方が家庭用ビデオカメラで撮影した映像が流れていたんです。

その映像を見て衝撃を受けました。「ばねってこうやって作ってんの…!?」と。まず機械の全体を写して、そこから細部にかけてパワーズームでビューッて寄る。つたない動きなのですが、それが逆にかっこよかった。

木村:コアな技術だけを執拗に撮っている潔さ、というか。

下浜:そうなんです。決して演出しようとしているわけじゃないんですよ。それでモニターをスマホで撮影させてもらい、持ち帰って既存の曲を乗せて編集したところ、これなら他の工場も同じ手法で作れると思った。で、音楽も扱うならMOODMANとしてDJ活動をしている木村さんにも相談しようということになって。

木村:電通総研Bチーム経由で、私に話が来ました。デモを見させてもらったのですが、その時点ですでにコンテンツの核はできていたと思います。ただ、「工業×音楽」の組み合わせって、今までなくはないアプローチなんですよね。ここまでの直球ではないですが。

INDUSTRIAL JPのウェブサイト。工場の画像は、宮川政寛、井上圭佑が撮影
INDUSTRIAL JPのウェブサイト。工場の映像は、宮川政寛、井上圭佑が撮影

下浜:ベタすぎて、むしろ誰もやろうとしなかったんですかね…。

木村:例えば、有名なものではフランシス・フォード・コッポラの「コヤニスカッティ」とか。技術×ミニマルミュージックという発想にはすでに古典がいくつかあります。なので、今やるならコミュニケーションの仕組みからアップデートした方がいい。

また、単発のコンテンツではなく、継続性が大切だと考えました。そこで、プラットフォームを音楽レーベルにするというアイデアと、レーベル名、音楽ダウンロードサイトOTOTOYやストリーミング番組DOMMUNEとの連携などを提案しました。レーベル化することで、音楽が好きな方々やカルチャーが好な方々とのコンタクトポイントが少しでも増えれば…。

新譜をチェックする感覚で、工場の今を知ってもえたらいいんじゃないかと。特に、接点が少ないと考えられている若年層や海外の方々に。

──工場とミュージシャンのマッチングが絶妙ですよね。どの作品も異なる世界観に仕上がっています。

木村:例えば、小松ばねさんでは製造機械もばねのように弾むような動きをするので、ファンキーなテクノを作るDJ TASAKAさんに頼もうとか。新栄プレスさんの音は重厚なビートが特徴的だから、ここ最近のヨーロッパのダークな世界観ともリンクしつつ、抜けのいいテクノを作れるGONNOさんにしようとか。

浅井ねじさんの場合は、工場主の浅井さんにシティ感をぶつけてみたら面白いのではと思ってDORIANさんに頼むとか(笑)。他にも、CHERRYBOY FUNCTIONさん、SOUNTRIVEさん、INNER SCIENCEさんなど、テクノの範疇でも、作風もフィールドも年齢層も分散させつつ、明確な方向性を持ってお願いしています。

海外の音楽ファンから見ても、今の日本の音作りの繊細さを感じられる面白いラインアップのレーベルになっていると思います。

 

下浜:多くの音楽レーベルも、中小企業だったりしますしね。

木村:インディペンデントレーベルの多くはそうですね。音楽の享受のされ方がここ10年位でがらっと変わったことを受けて、音楽レーベルも町工場と同じように皆さん苦労されている。INDUSTRIAL JPの音楽レーベルとしての取り組みが、なんらかの刺激になればいいなと一方では思っています。

大きなことを言うようで申し訳ないですが、気持ち的には、町工場と音楽レーベル、両方のリブランディングに並行して取り組んでいる感覚です(笑)。

下浜:映像は電通クリエーティブXの曽根良介さんと手分けして編集しました。どの工場も良さが違うので、それぞれ違った魅力が出るように、二人で話しながら演出しています。

撮影についてもミュージックビデオというよりも、商品の物撮りやシズルカットを撮る感じに近かったかもしれないです。「この機械油、めっちゃシズってるね?!」みたいな。

バズを狙うよりも、純粋に緻密な技術とそのかっこよさを見せたかった

 

──町工場のセレクションはどのように行ったんですか?

下浜:工業フェアに足を運んで探したり、社長さんづてに紹介してもらったりしながら、工場を見つけました。ブースにならぶ製品やデモ映像を見て「どうやって作るんですか」と質問し、「これは金属の棒を回転させながら刃を当てて…」というような説明を聞いて、製造工程の動きをイメージします。電通の名刺を渡した途端に「なぜ、電通の人がそんなことを?」といぶかしがられますけど(笑)。

工場の製造過程の様子。浅井製作所(左:撮影は宮川政寛)坂本製作所(右:撮影は井上圭佑)
工場の製造過程の様子。浅井製作所(左:撮影は宮川政寛)坂本製作所(右:撮影は井上圭佑)

木村:工場とのファーストコンタクトは下浜くんの担当だったのですが、結構、工場へのとっかかりは難しかったんですよね。

下浜:言葉で説明しても伝わらないので、まずは工場見学だけ…とお邪魔し、撮影OKの部分だけをスマホで撮らせてもらって、後日それを編集したデモ映像を見てもらう。

木村:のらもじで培ったスキルが、ここで完璧に生かされてますよね。かっこよく撮りたい、面白いものを作りたいというパッションが伝わるかどうかですかね。中心にある概念はリブランディングだけど、コンセプチュアルなままでは伝わらない。モノができはじめてやっと話しやすくなる。

下浜:ま…要するに飛び込み営業なんですけどね…。

──取材に来られる工場の方たちはどんなふうに感じていたんでしょう。

木村:現場ではフィールドレコーディングを担当しているのですが、まず、指向性の高いマイクを持って工場をうろうろして、いろいろな角度から機械の音を録音します。

録った音を工場の人に聞いてもらうと、だいたい「何が面白いの?」という反応です(笑)。「この音は、機械の不備の音ですね」とか。音の細部にも、しっかりと技術が宿っていることを知りました。

下浜:ちゃんと加工できているかどうかを、音で判断したりするんですよ。「カンカン」が「コンコン」になっていたら何か異常が起きているから止めよう、と。

グラフィックデザイナーの下浜臨太郎さん
グラフィックデザイナーの下浜臨太郎さん

──そこに世界から評価される熟練技術があるんですね。

下浜:作っているのはばねやネジといった部品だけど、0.01ミリ単位の細かいオーダーを受けていて、職人さんは、それをに応えるために、ものすごく緻密に機械をセッティングしたり、取り付ける器具を自作したりしています。

そこに職人技が発揮されるんですね。工場の方にインタビューして、ウェブサイトにまとめているのですが、当たり前の製品をつくるのにどれだけ工夫しているかが分かります。

木村:デザイナーもミュージシャンも同じだと思いました。細部の集合が全体を作り上げる。

下浜:INDUSTRIAL JPのウェブサイトは、電通報の初期UIも設計したDELTRO(http://deltro.jp/)の坂本政則さんと村山健さんに、アートディレクション、デザイン、実装をお願いしているのですが、パソコンでもスマホでも、どんな環境でもきれいに見えるようにつくられている。

それは一見してすごいとは感じにくいかもしれないけれど、まさに緻密な制作作業のたまものです。一見シンプルなサイトだけど、ものすごく精緻な技術が支えている。まさに町工場と同じだな…と。かっこいいですよね。

INDUSTRIAL JPの工場インタビューページ
INDUSTRIAL JPの工場インタビューページ
INDUSTRIAL JPの工場インタビューページ。パソコン(上)でもスマートフォン(下)でも、きれいな文字組みで表示される。インタビュー記事は、電通デジタルの新谷有幹が担当

木村:淡々と行われている緻密なこと、きれいなことに焦点を当てる。このプロジェクトはいわば細部の抽出作業です。音楽制作もデザインも、作業の本質は斬新さとかバズるとかいうことではなく。細部の積み重ねが、大きな運動体を形成していく。そう信じて動いていました。

最初に食いついた世界の工場マニアと音楽好き

 

──YouTubeで30万超のPVをたたき出したミュージックビデオもありますね。リアクションや手応えはどうでしたか?

木村:YouTubeのコメント欄を見ると、ほとんどが外国の方です。まったく読めないんですが(笑)、どうやらロシア語が多いですね。各ビデオにはYouTubeの字幕機能を使った解説を入れているんですが、この解説を多言語化できたら面白いんだけどな。

下浜:「ヤバい」とか「Cool!」とかコメントをくれているのは音楽ファンより工場マニアが多いみたいですね。

木村:東欧、ロシア、あとアメリカとヨーロッパのメディアでは主に工業技術とデザインがフィーチャーされています。音楽面では各アーティストにひも付いて、リリース情報として紹介されることが多いですね。

各アーティストが海外でそれぞれ信頼と実績があることも大きいです。テクノミュージック自体がグローバルな表現なので、その時点でどの地域の方も入りやすい表現になっているのではと思っています。

サウンドディレクターのDJ MOODMANこと木村年秀さん
サウンドディレクターのDJ MOODMANこと木村年秀さん

下浜:日本では、ねじとばねの業界専門紙「金属産業新聞」の方が何度か取材してくれました。

木村:専門紙の取材の視点には毎回、驚かされます。そう考えると、いろいろな業界に潜んでいる工場マニア、技術マニアの方々に賛同していただいたのは大きかったと思います。カルチャー誌の方もそう。サイゾーの方も、プレイボーイの方も、皆さん、基本的に工場が好きな方でした(笑)。

下浜:逆にいわゆる「広告クリエーティブ」の文脈でメディアに取り上げられるようになったのは、ADCグランプリ受賞後ですね。

──ADC賞は、新設のオンスクリーンメディア部門でしたね。ウェブと映像のアートディレクションを対象とした部門ですが、どこが評価されたと思いますか?

下浜:作品がいい感じにアナログだったことは、理由として一つあると思います。

木村:メディアアートの問題としてしばしば取り上げられるように、テクノロジーを扱う作品は宿命として、数年経つとどうしても古くなる。しかも最近そのサイクルが早くなっている。ということもあり、このプロジェクトではあまり新しいことはやってないんです。普通のことをやっている。いわゆる「枯れた技術の水平思考」です。

下浜:ミュージックビデオも特別新しい手法を使っているわけでも、大きな予算をかけてすごい撮影をしているわけでもない。サイトもすごく最先端なプログラミング技術を使っているとか、表現が超新しいわけでもない。

ただ、表示される情報の文字組みや書体、工場のループ画像を見せ方などなど、いちいちDELTROによるこだわり抜いたデザインがなされています。全ての部分でアートディレクションが駆使されているところを評価されたのではないでしょうか。もちろん、音楽も評価が高かった。

リクルートギャラリーG8で行われた、ADC賞のDJ&トークイベントの様子
リクルートギャラリーG8で行われた、ADC賞のDJ&トークイベントの様子

木村:昨年、カンヌライオンズのミュージック部門の審査員を担当させていただいたのですが、コミュニケーションにおけるサウンドデザインに、以前よりも焦点があてられているように感じました。

…といいつつも、そもそもこのプロジェクトは何かの賞を目指して作っていた訳ではなくて(笑)。正直、エントリーの際には、どの部門に出せばいいか悩みました。エッジなことは全然していませんし。評価をされたのは、どの切り口でも細かくデザインされているところかもしれません。

──町工場の方たちのリアクションはどうでしたか?

下浜:普段目にしている自社の機械より、別の業種の工場の技術に興味を持つんですよ。

木村:技術者の視点ですよね。「バネってこうやって作ってるのか。面白いね」って目をキラキラさせて。広告賞に関しては業界が違うので「ふ~ん、そうなの? おめでとう」という感じでしょうか(笑)。

下浜:でも「あの変なヤツが持ってきた怪しい話は、それなりにちゃんとしてたんだ」とは思ってもらえたらうれしいですね…(笑)。あとは、従業員の方で「自分の仕事に愛着が湧いた」という声もありましたね。そういう意味ではインナーのモチベーションアップにもつながっているのでしょうか。

例えばビデオと合わせて工場案内制作もパッケージに

 

──従来のクライアントワークとの違いって、どんなところですか?

木村:バンドっぽいんですよね。スタッフのリレーションが。何となくこういう曲を作ろうというミッションがあって、メンバーがフレーズを持ち寄って合体していく。常にいろんなレイヤーで個々が動いていても、バラバラにはならない。長いソロがあっても心地よい。そういう意味で珍しいプロジェクトだと思います。

下浜:例えば、カメラマンやライターさんも、クラブミュージックが好きだから、ということで参加してくれました。スタッフはみな町工場や音楽が好きということだけでつながっている。だけど、絶妙に興味の範囲が違うから、それぞれが熱くなれる分野を主体的に進めています。

──マネタイズについてはどうですか。

木村:日々、アイデアを出しながら進んでいて、やっと継続できる形態ができてきたところです。今後は、コンテンツ、工場、地域など、いくつかのレイヤーで進めていくつもりです。例えば、これはコンテンツのレイヤーでのアイデアですが、PVだけでなく工場案内の制作までパッケージ化できたら、より工場のお役に立てるのではと思っています。

下浜:すでに取りかかっていたり、オファーも頂いている工場もあるので、順次着手する予定です。工業フェスにも呼ばれているから、その場で音や映像をミックスするパフォーマンスもできたらいいなと思っています。

木村:工場はもちろん、まったく別軸からのオファーにも積極的に応えていければと思っています。基本的なレーベル運営は定着させていきつつ、コラボレーションをどんどん実現したい。音楽レーベルが普通にやることを、工場との連携で実現させていくという発想です。

具体的にいうと、既存曲のリミックス・プロジェクトが進んでいます。また、すでに1回やっていますが、ライブストリーミングのDOMMUNEでの番組を定期化したい。あとは、音楽イベント。他は、まだ秘密です(笑)。

リクルートギャラリーG8で行われたADC賞のDJ&トークイベント。(左から)VJを務める宮川政寛さん、曽根良介さん、DJを務める木村年秀さん
リクルートギャラリーG8で行われたADC賞のDJ&トークイベント。(左から)曽根良介さん、VJを務める宮川政寛さん、DJを務める木村年秀さん

──今日着ているTシャツもかっこいいですが、プロダクトのアイデアもありますか?

下浜:ミュージシャン向けに工場音の素材集を作ろうという話がありましたよね。録音素材がいっぱいあるので、生かせるプロダクトも作りたいという話はあります。ドラムマシンアプリとか。

木村:形になりそうな案はいくつかあるので、協力してくれる方々を巻き込みながらコツコツやっていきます。基本、工場の香りに魅せられた方々を次々と巻き込んでいこうというスタンスなので(笑)、例えば今日のように取材に来ていただいた方も巻き込んで、町工場のファンにしていくつもりです(笑)。

下浜:電線を編む工場である明興双葉や、精密切削の由紀精密など、新作も並行して制作中です。

木村:アーティストはまだ秘密ですが、由紀精密の音楽はグルーヴ感の強いミニマルダブに仕上がっています。新作の明興双葉では、ハーネスを編む機械に、フットワーク/ジュークのアーティストが曲をつけてくれています。こちらはまた新たな展開を感じる仕上がりになっています。ご期待ください(笑)。

事故ゼロ社会を目指して 「サポトヨ」を全国展開

トヨタ自動車は、国が推奨する「セーフティ・サポートカー」(サポカー)の普及に合わせ、トヨタ販売店とともに、安全技術のさらなる普及と顧客への啓発活動による安全・安心なカーライフに向けた活動「サポトヨ」を全国で展開。究極の目標である“事故ゼロ社会”の実現を目指す。

8月28日からは、特設サイト(http://toyota.jp/sapotoyo/)をオープンし、テレビCM「サポトヨ 我にかえる人 ICS」編を放送するなど、安全啓発のコミュニケーションをスタートした。
コンビニの駐車場で、時間を忘れて電話に夢中になり思わず慌てる女性。バックするつもりが、間違えて「D」に入れアクセルを踏み込む。店舗に突っ込む前に自動ブレーキが作動してことなきを得る。高齢者に限らず、誰でもヒューマンエラーを起こす可能性があることと、それをカバーしてくれる技術の安心感を描いた。

各販売店では、安全技術「Toyota Safety Sense(自動ブレーキなど)と「ICS」(インテリジェント クリアランスソナー:踏み間違い事故防止装置)の体感試乗会を実施する。

データ主導でパーソナライズされた体験経済、そこにおけるブランドの役割とは?(前編)

フロッグデザイン

現在、私たち消費者はスマートフォンなどのデバイスを通じて、製品・サービスを利用するたびに多くの個人情報を企業に提供しています。企業側はどのように顧客の信頼を得て、その情報を活用すべきか。前後編の2回にわたり、さまざまな企業の実例を紹介しながら、これからの企業のブランディング、マーケティングの四つの課題を提示します。

製品・サービスの体験を通じてブランド価値を高める

 

もう何年も前から、ブランド従事者、研究者、コンサルタントは声をそろえて叫んできました。ブランドは、クリエーティブコミュニケーションだけでなく、製品やサービスの体験を通じて表現すべきだと。

人はそれぞれ異なるかたちで世界を体験します。差別化された本当の体験は、この独自の理解に基づき、個人の行動や生活の変化に対応しなければなりません。スマートフォンやコネクティッドデバイスにより、企業がブランド価値を体現し、なおかつパーソナライズされた体験を提供することが容易になりました。

さまざまなタイプの個人データを入手し、そのデータを保存して分析する機能を活用すれば、企業は体験を消費者個人に合わせることができます。スマートフォン、センサーネットワーク、コネクティッドデバイスなどの技術により、国際的な大企業は、消費者に個別に対応することが可能です。これは、こうした個々の消費者との相互的なやりとりは、産業時代へ突入する際、村社会の中の店にこそ残されたものの、国際的な大企業では久しく見られなかったものです。

パーソナライズされた体験への移行は、ブランドと消費者の関係を変えます。消費者によるコネクティッドデバイスの購入は、もはや、認知から検討にはじまり、好みから選択にいたるカスタマージャーニーの最終段階ではありません。むしろ、企業との関係の第一歩です。

例えば、欧米の住宅に見られる室温調整用のサーモスタットを考えてみましょう。10年前の購入者は、製品レビューを読んだり、電気店の店員と話したりして情報を収集してから購入していました。現在、コネクティッドなサーモスタット、例えばGoogleのNestやHoneywellのLyricを購入する場合、製品はブランドとの関係の出発点にすぎません。サーモスタットは、その家庭の傾向や家族の出入りを学習します。Nestは毎月、その家庭のエネルギー消費状況を近隣の他の家庭と比較したメールを送信します。こうしてパーソナライズされた体験が、ブランドと購入者の関係を消費から参加へと変化させます。

ブランド認知における個人データの役割

ブランドは、自己申告の情報から、デジタルエキゾースト(ユーザーによる日常的なデジタル技術の使用で生成される情報)まで、さまざまな種類の個人データを収集し、体験を強化する必要があります。

企業は、プライバシー規制に適合する法的な要件を満たすことに加え、どうすれば消費者の信頼を得るかたちでこれらのデータストリームを収集し、なおかつビジネスに役立てることができるでしょうか? ブランドにとっての意味とは何でしょうか?

四つの重要な意味

私たちは、さまざまな規模のブランドをサポートすることによりネットワークにつながるスマートプロダクトのあふれる世界でのエクスペリエンス戦略を明確にします。私たちは、個人データに対する消費者の考え方を探るなかで、マーケティングの最高責任者(CMO)に四つの重要な課題があると考えています。

1. 価値の交換 ─ データを共有する魅力的な理由を消費者に与えていますか?

2. ブランドの信頼フレームワークの構築 ─ カスタマージャーニーにおいて、信頼を構築する瞬間、いわば「信頼の瞬間」を組み込んでいますか?

3. ブランド価値とプライバシー対策の整合 ─ プライバシー対策とブランド価値が整合していますか?

4. 信頼エコシステムの構築 ─ 消費者データやデジタルエキゾーストを他社と共有する機会が増えている一方で、消費者の信頼を維持する方法を考えていますか?

1. 価値の交換

データを共有する魅力的な理由を消費者に与えていますか?

ほとんどの消費者は、ターゲティング広告を価値交換と見なしていません。ブラウザやスマートフォンの広告をブロックするソフトウエアの人気を見ても分かるように、ほとんどの消費者は、たとえ広告が自分の関心に沿っていても、できれば見たくないと思っています。

それにターゲティング広告は、体験を通じたブランドの表現というより、クリエーティブコミュニケーションを通じたブランドの表現にすぎません。個人データに基づくクロスセルやアップセルのサービスが、消費者との価値交換に全く貢献しないわけではありませんが、企業は、消費者に交換の意味があると思わせるだけの価値を与えるよう努めるべきです。

消費者が次に欲しくなるものを予測する

消費者データを活用してデジタル環境で優れたブランド体験を提供し、売り上げを伸ばしている企業の例は数多くあります。Amazonは、ユーザーの検索履歴や購入履歴に基づいておすすめ商品を表示しています。ユーザーが次に欲しくなるものを非常にうまく予測するため、2014年に「予測出荷」の特許を取ったほどです。

Amazonのブランドプロミス(約束)は、幅広い品ぞろえと豊富な在庫、そして便利で迅速な発送です。消費者のデータと分析を利用して、よりそのプロミスを果たすことは、すなわちサービスの体験にブランドプロミスを盛り込むことになります。

スキーヤーに一生の思い出になる体験を提供するアプリ

 

Vail Resorts Management Companyは、純粋なデジタルから、物理的体験とデジタル体験の融合に向かう試みとして、スマートフォン用のEpicMixアプリを配信し、シーズンパスやチケットとリンクさせています。スキーヤーはリフトに乗るたびにパスをスキャンするため、スキーリゾートでの行動がデジタルエキゾーストとして残ります。アプリは、スキーヤーが1日にどのぐらいの高さを下ったか、そのシーズンに何日間スキーをしたかなどを計算し、便利で興味深い情報として提供します。

EpicMixは、チャレンジ、コンテスト、アワードなどでも、スキーに対する興味をかき立てます。リゾートはプロの写真家を雇い、スキーやスノーボードを楽しむ人の写真を、そのスキーヤーのプロフィールやアプリにリンクさせます。Vail Resortsの理念は「一生の思い出になる体験」を提供することです。具体的にスキーヤーに提供する価値は、アウトドアとスキーの楽しさを増すことです。EpicMixは、うまくこれを実現しています。

発電所の健康管理をするソフトウエア

消費者データを利用してカスタマイズする体験は、消費者のものだけとは限りません。GE Energy(現GEパワー)は、顧客である電力会社が発電所を管理するためのソフトウエアツールを提供しています。発電所は非常に複雑なシステムで、何千もの部品を維持管理し、それぞれの耐用年数に応じて交換する必要があります。単に「オン」か「オフ」ではなく、さまざまな健康の度合いがあるという点で、発電所は機械というより生物に似ています。電力を使って電力を生成しているため、何らかの部品の故障による計画外のダウンタイムは多大なコストが発生します。

発電所の健康管理ツールともいうべきGEのMyFleet製品は、システムの多くの要素を追跡・監視し、そのデータを利用してダウンタイムを抑えるとともに、発電所の健康を最適化します。MyFleetソフトウエアシステムの体験は、産業用インターネットによって優秀な機械、高度な分析、人材を結集し、「かつてないパフォーマンスレベル」を提供するというGEのブランドプロミスを具現化しています。それと同時に、顧客が運用する発電所、および発電所を維持するさまざまなオペレーターの具体的なニーズに合わせてカスタマイズされています。

フィットネスの傾向から消費者のタイプを診断

 

このような例を見ると、ブランド体験は製品やサービスのデザインを通じてしか提供できないことが分かります。では、マーケティング部門の仕事はあるでしょうか? もちろんあると思います。例ば、このほどfrogは、個別トレーニング、フィットネスクラブ、スパ、専門コンテンツなど、幅広いサービスを提供するフィットネスクラブチェーンと協業しました。

現在および将来的なメンバーとの絆を深めるため、frogは、各メンバーと、その「フィットネス性格タイプ」に合ったサービスやコンテンツを結び付ける「おすすめ」アルゴリズムを作成しました。このツールは、マイヤーズ&ブリッグスの性格テストに似ていて、メンバーの会話の中から「タイプ」を診断します。そしてアルゴリズムが、初回のオリエンテーションから運動後の食事まで、ブランドのコンタクトポイント全てを通じて非常に関連度の高い、記憶に残る体験を形成します。

2. ブランドの信頼フレームワークの構築

カスタマージャーニーにおいて、信頼を構築する瞬間を組み込んでいますか?

個人データの提供に見合う価値を提供するには、ブランドマネージャーがカスタマージャーニー全体を検討し、消費者のブランドに対する信頼を強化するコンタクトポイントを設ける必要があります。モバイル体験、物理的な体験、あるいはカスタマーサービスセンター体験を個別に最適化するだけでは十分ではありません。全てが補い合わなければ、優れた体験が生まれないからです。CMOは、ブランドに対する信頼を全体的に高めるようなフレームワークを構築し、信頼を高める体験を最適化する必要があります。

2つのMOT :「信頼の瞬間」と「真実の瞬間」

 

frogは、「信頼の瞬間」(moments of trust)とともに「真実の瞬間」(moments of truth)を増大させることをすすめています。Googleは、「ゼロ番目の真実の瞬間」(Zero Moment of Truth:ZMOT)という概念を提唱しました。これは、買い手が情報を収集し、クーポンを探したり、店を比較したりする瞬間を意味します。

ZMOTに信頼を加えるよう計画しましょう。つまり「ゼロ番目の真実と信頼の瞬間」(Zero Moment of Truth and Trust:ZMOTT)をつくるのです。例えば、Amazonによって普及したオンラインレビューのように、顧客の自信を高める工夫を加えるのです。さらに大胆な例がProgressive Insurance社です。同社では、オンライン見積システムを通じて、競合する保険会社の見積金額も表示します。

「第1の真実」と「信頼の瞬間」

「第1の真実の瞬間」(First Moment of Truth:FMOT)とは、消費者が製品やサービスを目の前にする瞬間です。これも信頼を構築する機会とすれば、「第1の真実と信頼の瞬間」(First Moment of Truth and Trust:FMOTT)となります。米国の電話会社であるAT&T、Sprint、Verizonの3社は全て、信頼を付加するようFMOTを見直しました。

電話会社のカスタマージャーニーにおいては、リアル店舗が重要な役割を果たし、新規デバイスの購入やプラン加入の決定点となります。3社はいずれも、この重要な瞬間に信頼を強化するよう、担当者とマンツーマンで話し合えるスペースやテーブルを設けるなど店舗での体験を変更しました。新しいプランを契約する際、消費者は、運転免許証、信用度、支払い条件など、多大な個人情報を共有します。単にカウンターでのやり取りではなく、ほぼプライベートなスペースに座り、電話会社が収集する全ての情報を目で見られれば、ブランドへの信頼は高まります。

「第2の真実」と「信頼の瞬間」

Uberは、第2の真実の瞬間、すなわち顧客が製品を買って使用する瞬間を「第2の真実と信頼の瞬間」(Second Moment of Truth and Trust:SMOTT)に変えることに成功した企業の例です。同社は、多くの方法でこれを実行しています。まず、ドライバーと乗客が互いを知り、人間的な信頼を構築するようにしました。次に、GPSデータ追跡により、ドライバーと乗客の両方がどこを走っているのか常に分かるようにしました。さらに最近では、家族追跡機能により、アカウント保持者が家族の移動をリアルタイムで把握できるようにしました。

例えば、高齢の親を病院での検診に送り出すとしましょう。親に代わってUberを予約し、予定通りに病院に向かい、到着するのを見届けることができます。このシステムの耐偽装性についてUberの利用者から疑問の声も上がっていますが、同社は明確な信頼のフレームワークを構築し、「everyone’s private driver」(みんなの専属運転手)というブランドプロミスを強化しています。

カスタマージャーニー全般で信頼を強化

Forbes 2015の最も信頼できるブランドランキングで12位に輝いたThe Walt Disney Companyは、カスタマージャーニーの一歩一歩を慎重に調整し、来場者が喜んで個人データを共有するよう信頼を構築・強化している企業の良い例です。ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの来場者には、マジックバンドと呼ばれる受動RFID(近距離無線通信)リストバンドが発行され、来場の数週間前に自宅に配送されます。このリストバンドは、入園チケット、乗り物のファストパス(ウェブサイトやモバイルアプリで事前予約可能)、園内ホテルの部屋の鍵、園内およびホテルのキオスクで使える決済端末、IDブレスレット(園内でプロカメラマンが撮影した自分やグループの写真にタグ付け可能)の役割を果たします。

最新のマジックバンドは、園内の体験をさらに夢心地にする要素を備えています。例えば、ディズニーパークのエプコットでテスト・トラックに乗る順番を待つ間、来場者は自分の車をデザインできます。車に乗っている間、そのデザインの車のさまざまな性能が数値化され、来場者は自分の車のコマーシャルを作成できます。このように消費者データをユーザー体験の改善に活用し、カスタマージャーニー全般で信頼を強化することにより、同社は来場者に「マジカル」な体験を提供するというブランド理念を実現しています。

個人データの活用で、より良いサービス・製品体験を

 

企業が個人データを利用したサービスや製品を提供するには、この高い信頼が必要です。frogは2014年、個人データを複数のブランドと共有することに対する消費者の考え方について5カ国で調査を実施しました。その結果、消費者は、たとえ見返りの価値が小さくても、自己申告データを企業と共有することに好意的でした。人口統計情報や嗜好も、ほとんどの消費者が共有をちゅうちょしません。特にその情報を利用してサービスや製品の体験が改善される場合がそうです。

例えば、音楽ストリーミングサービスであるPandoraのユーザーは、プレーリストやステーションを作成したときにお気に入りのアーティストを共有します。一方でデジタルエキゾースト、すなわちコネクティッドデバイスやデジタルサービスの使用によって生成される個人データに関して、消費者はやや慎重です。引き続きPandoraの例でいえば、特定のステーションを他よりも多く再生したり、特定の曲をスキップしたりしたときに生成されるデータです。企業は、ひとつひとつの行動や個人データによって消費者に対する理解を深めます。

しかし、やはりほとんどの消費者が、この情報でサービス体験が改善されるなら、妥当な交換だと考えています。彼らが敏感になるのは、企業が個人データをマーケティングに使用する場合、あるいは第三者にデータを販売する場合です。

続きはウェブマガジン「AXIS」にてご覧いただけます。

この記事は、frogが運営するデザインジャーナル「DesignMind」に掲載されたコンテンツを、電通CDCエクスペリエンスデザイン部・岡田憲明氏の監修の下、トランスメディア・デジタルによる翻訳でお届けします。


ティモシー・モリー
ビジネス&製品ストラテジストのグローバルチームのリーダー。彼のチームはfrogのデザイナーや技術者と協働し、革新的なイノベーションを市場にもたらしている。シリコンバレーで15年間勤務し、さまざまな製品や戦略、マーケティングを担当してきた。

ティモシー・モリー

 

早くも話題の「MOVE 生きものになれる展」

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躍動感あふれる写真と大迫力のDVD映像を連動させ、瞬く間に図鑑市場のシェアトップとなった講談社の動く図鑑『MOVE』シリーズ。現在、この図鑑の世界を実際に体験できる前代未聞のイベント「MOVE 生きものになれる展」のプロジェクトが講談社の編集者、NHKのデザイナー、電通クリエーターという異色のコラボの下、日本科学未来館と共同で進行している。動く図鑑の世界を楽しく体感する“エデュテインメント”の最前線を、11月の開催に向け準備を進めるキーマンたちに聞いた。

(進行=電通出版ビジネス・プロデュース局IP・事業開発部 林啓悟氏)
※エデュテインメント=エデュケーション(教育)とエンターテインメント(娯楽)の造語
 


専門性の異なるディレクターが“はみ出し”ながら企画を推進

林:この体感企画の立ち上げからもう3年目になるのですよね。

森定:そうですね。電通から構想を聞いた当時、ちょうど僕はMOVEをいつか博物館や学校などで立体的な何かにしたいと考えていたので、やってみましょうと話をして。そこで、MOVEのDVD制作をお願いしていたNHKエンタープライズ(NEP)にも話を持ち掛けたのが始まりです。

森定泉氏
森定 泉氏(講談社 MOVE編集長)

山田:僕はもともと、NHKで20年近くテレビ美術の仕事をしていて、NEPに出向してからはイベントなどのディレクションを担当していました。当社の役割は映像協力だったらしいのですが、社内でこの企画展の話を聞いてとても引かれ、勝手にアイデアを出しているうちに一緒にやらせていただくことになりました。今回の企画コンセプトを魅力的な空間として具現化し、子どもたちの“なれるスイッチ”を入れたいなあと思っています。

高草木:私は以前、「進撃の巨人展」を講談社と一緒にゼロベースで手掛けていて、そこで可能性を予感してました。スマートフォン以降、コミュニケーションが「効率」一辺倒になる中、逆に「展覧会」という非効率で不自由な手法が今後「重要なメディア」になるだろうと。今回私の役割は、図鑑コンテンツをベースに「未知の体験」をプランニングすることと、その体験から感じてもらいたいこと全体を俯瞰(ふかん)して考えることです。

舩木:高草木と一緒に手掛けた進撃の巨人展でもそうでしたが、具体的にどこにどういう言葉を置いていくか、どういうテンポでどういう気持ちで読み、体験してもらうかということの、シナリオづくりが私の役目です。私にも子どもが3人いるので、彼らのリアルに面白がるポイントを探りながら、そこをなるべく拡大していきたいなと思っています。

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森定:今回の企画展はMOVEが原作なので、図鑑同様、子どもたちが毎日見たくなるような驚きや好奇心をかき立てる面白さを、体験を通して伝えたいですね。そこにブレがないか確認するのが僕の立場なのかなと捉えています。

山田:みんながディレクターですが、高草木さんはコミュニケーション、舩木さんはストーリー、僕は空間、そしてそれをまとめる森定さんという感じでしょうか。それぞれの専門性から、ちょっとずつみんな、はみ出しながらやっている感じが面白いですよね。

山田崇臣氏(NHKエンタープライズ グローバル事業本部 エグゼクティブ・プロデューサー)
山田 崇臣氏(NHKエンタープライズ グローバル事業本部 エグゼクティブ・プロデューサー)

舩木:作業フローもそれぞれ違いますしね。

山田:フローでいうと、テレビと企画展ではアプローチの仕方が逆だなって思いました。内容やストーリーよりも、まず面白いアイデア、起爆剤になるようなものを考えよう! みたいなところから始めるのが広告流なんですか? 僕にはすごく楽しくて新鮮です。

舩木:広告的なスタンダードではないですけどね。企画展というメディアの特性もありますが、その中でも今回は結構特殊なケースかと。図鑑の中から何を取り出すか、それをどう具現化できるのか、コストは合うのかなど、外的な条件がそろって初めてネタになるので、ネタ探しがどうしても優先されるケースでしたね。

森定:元になるコンテンツがあるといっても、そこから実現まではすごく距離があるから、それがちょっと難しいところでしたね。生き物の決定的瞬間って代えが効かないから、そのシーンに合わせてストーリーをつくるしかない。そういう意味でいうと、今回のやり方は図鑑をつくっているアプローチに近いのかもしれません。

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自分が主体となり理解する新しいエデュテインメントの場に

林:MOVEシリーズにはいろいろなラインアップがある中で、「生き物」をテーマに選んだ経緯は。

舩木:やはり子どもたちは生き物が好きなんですよ。企画するにしてもネタの宝庫だし。最初は生き物でしょうと、満場一致でしたね。

高草木:生き物にまつわるアイデアって、無限に近いほどたくさんあります。それをいったん受け入れ、否定せず全て抱えてから、空間・予算・運営の制約をにらみ、悩みながらそぎ落としていく…それを繰り返し今のプランがあります。

山田:最初はかなり荒唐無稽なプランがいくつもありました。会場中を鳥になって飛んでみよう、ヤモリになって壁中をはい上がってみようとか、本当にこんなこと子どもができるの?みたいなことを、真剣に検討してきました。その中では半年かけて積み上げたものが、一夜で変わったりしたこともありましたね(笑)。

林:アイデアはいろいろ出せますが、そのアイデアを着地させることは大変だったのでは?

高草木:これは学びの連続でしたね。広告では、表現の全てを事前に共有し了解されたもので構成しますが、今回は前例のないコンテンツを一緒に開発する事業。ダメだと思っていたアイデアも何かの組み合わせで「最高のアイデア」に豹変(ひょうへん)する、なんてことがある。つまり取捨選択の判断が格段に難しいのです。

高草木博純氏(電通 CDCクリエーティブ・ディレクター)
高草木 博純氏(電通 CDCクリエーティブ・ディレクター)

森定:編集の仕事と比べると考えるべきことが多過ぎて。面白いかどうかはもちろん、来場した誰もができるのか、一度に何人がこなせるかなど、頭のどこかに入れながら考えていました。そこは難しいところでしたね。

高草木:確か2回目くらいのブレストで、VR(仮想現実)でもAR(拡張現実)でもない、本当に新しくて面白いモノってなんだろう、という議論の中で“自分がなってみる”と全ての体験が新しいエデュテインメントに変わる!という発見がありました。その後はこの新種の“なれる遊び”をチーム全員で延々と続けている感覚です。掘っても掘っても新しいアイデアが出てくる…このコンセプトの耐久性に驚かされます。

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会場に入った瞬間から興奮・感動できるものが理想

林:完成に向け、これからはどのような課題がありますか?

高草木:現場を解像度高く想像しながら、最後の取捨選択をしていく段階です。部分と全体を両方見極めて、当初からずっとみんなが大事にしてきた面白さをピッチピチに詰め込んで届けたいと思っています。

森定:同じネタでも磨き方次第で全く変わりますからね。一方で安心しているのはクオリティー的に妥協する人が誰もいないと感じたこと。その意味でこれからの仕上がりが楽しみです。

山田:今は体験の前後にどのように学びや感動を得てもらうか、また全体のストーリーと空間の整合性をどう図っていくかを検討している段階です。大人が意図した通りに子どもたちは受け取ってくれないことも多いので、検証実験などを行いながら軌道修正しつつ結果的に子どもたちの満足度が高いものにすることを考えなくてはなりませんね。

森定:MOVEという図鑑は、勉強はもちろんですが、面白い遊びの図鑑としてつくっています。今回の企画展も、やっぱり会場に入った瞬間に子どもたちが興奮したり感動できるものが、僕の中では理想なんですよね。だから、6歳から8歳ぐらいの子どもたちがメインユーザーでありながら、その子どもたちが楽しいことは大人が体験しても楽しいし、子どもたちを見ていても楽しいという形が目標ですね。

舩木:この企画展は、出来上がった何かを観察しに行くのではなく、自分で自分の中身を動員して感じたり体験するきっかけにしたいんです。出し物の規模は問わず、そこを丁寧に仕上げていくことができれば、これまでにない印象に残る企画展になるだろうなと思っています。

舩木展子氏(電通 第4CRプランニング局)
舩木 展子氏(電通 第4CRプランニング局)

高草木:MOVEで起こした図鑑の革新は、驚きやワクワクが読み手の興味を揺さぶって「知識」をも変えていくところにあります。今回はその驚きや発見をさらに自ら「変身」して体験するわけです。見慣れた風景が全然違って見えてきたら…きっと面白くて忘れられない、骨太な展覧会になるはずです。

企画が進む会場のイメージ
企画が進む会場のイメージ

 


動く図鑑『MOVE』とは

子どもたちが毎日でも読みたくなる図鑑を目指した、講談社による新コンセプトの学習図鑑。従来の標本的な一覧レイアウトを一新し、迫力のある写真やイラストを多用。さらに、NHKの膨大なアーカイブから厳選した動画DVDを組み合わせることで、圧倒的な躍動感と印象的な情報を多彩に盛り込んでいる。恐竜や昆虫、植物などの生物、歴史、天体、鉄道など、子どもたちの関心が高いジャンルを網羅し、2011年の創刊以来、累計発行部数250万部を超える大ヒットシリーズとなっている。

シリーズ累計250万部

例えばスモール・ガーデンではこんな企画が進んでいます
ダンゴムシになって護身術を学ぶ!

イラスト普段は何げなく目にしている花や虫の間にも、複雑な相互関係と綿密に分配された役割がある。それを体感する「スモール・ガーデン」では、ダンゴムシのような「よろい」を身に着け丸まることで、ダンゴムシの護身術を体験。生きものたちの生きる知恵と工夫を学べるのだ。

試作品のよろいを身に着けダンゴムシのようになった舩木氏次男
試作品のよろいを身に着けダンゴムシのようになった舩木氏次男
気持ちはすっかりダンゴムシ!
 

「MOVE 生きものになれる展」は11月29日から

生き物たちは皆、独自の知恵と工夫によって環境に適応し、身を守り、命をつないでいる。子どもたちが好奇心を抱く生き物の姿や習性は、全て彼らが生き抜く過程で得てきた個性とアイデアの実践から生まれたもの。こうしたユニークな生き物たちの成り立ちや生きているさまを、子どもたちが実際に体験し、実感することができるのがこの「MOVE 生きものになれる展」だ。違う生き物の視点に「なってみる」ことで、生物の多様性を直感的に理解する貴重な経験となり、自然界への好奇心と敬意を触発するこれまでにないきっかけとなるだろう。

会場:日本科学未来館(東京・お台場)
会期:2017年11月29日~18年4月8日
主催:日本科学未来館、講談社、電通、読売新聞社、NHKエンタープライズ、電通ライブ、ベクトル
URL:http://nareru.jp/

MOVE 生きものになれる展―動く図鑑の世界にとびこもう!―

東京2020大会に向け、「ONE TEAM PROJECT」始動!  海老蔵さんの口上で幕開き

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は8月24日、2020年東京大会に向け、日本を代表する文化人や芸術家らが一丸となって大会を盛り上げる「ONE TEAM PROJECT」を立ち上げた。
(画像=Tokyo 2020提供)
https://participation.tokyo2020.jp/jp/oneteam/
同プロジェクトでは、著名なアーティストや作家、学者、映画監督らが、オリンピック・パラリンピックに関するコンテンツを制作し発信するもの。コンテンツは、動画をはじめ文章、イラスト。写真など自由に展開する予定だ。

その第1弾として、市川海老蔵さんが歌舞伎の口上に乗せて語る「東京2020三年前口上」」の動画が公開された。
海老蔵さんは、東京大会はスポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもあることから、日本の魅力を世界に発信するまたとない機会だと述べ、アスリートもそうでない老若男女も心を一つに合わせONE TEAMで取り組みましょう、と呼び掛ける。そして自身も、文化芸能を通じてレガシーを残せるように頑張りたいと結んでいる。
撮影は写真家・映画監督の蜷川実花氏。蜷川氏は「初めて海老蔵さんを撮らせてもらった。その場を制するオーラと“気”に圧倒された」とコメントしている。

Photo by Mika Ninagawa

 
プロジェクト第2弾では、9月中旬以降に能楽師の野村萬斎さんと空手アスリートの対談動画を公開予定で、以降もさまざまな分野で日本を代表するクリエーター、イノベーターの人々がボランティアで登場する。

大阪検定ポスター展2017開催中(画像あり)

大阪商工会議所は10月25日まで、大阪府内の鉄道8社104駅で「大阪検定ポスター展」を開催。「大阪を知れば大阪がもっとおもしろくなる」をキーワードに、それぞれの駅にちなんだ大阪検定問題を盛り込んだユニークなポスターを掲出している。

大阪検定ポスター展2017

昨年の「大阪検定ポスター展」は大阪市営地下鉄とJR西日本大阪環状線での実施だったが、今年は私鉄6社(近鉄、南海、阪急、京阪、阪神、阪堺)が新たに参加した。

9月10日から24日までJR大阪駅の大阪ステーションシティ5階の時空の広場で、ポスターの一部を掲出する。また9月1日の14時から大阪商工会議所で大阪検定の説明会を実施する。

ポスターの制作は、電通関西支社が担当。商店街ポスター展の仕掛け人である同社の日下慶太氏に、今回の「大阪検定ポスター展」のポイントについて聞いた。

「昨年は、大阪市中心部が舞台でしたが、今年はより範囲を広げて大阪府全域となりました。大阪府下の鉄道会社が一体となってやりました(それって大阪ではあんまりなかったことで、それ自体が結構快挙!)。

郊外に広がった分、設問の質も変わりました。前回は歴史にフォーカスしていましたが、今回は歴史がない新興住宅地などもあるので、より「なんでこんなもんあるねん!」といったどうでもいいけど面白い問題が増えました。2回目ということもあって、イラストをぐいぐい攻めています。

アートディレクター小路翼のイラストがキレキレです。全作品を見れるサイトがあるのでぜひ見てくださいませ」(日下慶太)

大正区はいつの時代にできた?
此花区伝法が発祥と言われている節分の定番の行事とは?
京阪電車の京橋ホームの売店で販売している名物は?
坂本龍馬は天保山からある目的のために旅立ちました。日本初とされるその旅とは?
古事記にも記述がある日本最古のため池、佐山池はいつ造られた?
近鉄には、伊勢志摩の海の幸を運ぶ行商人専用列車が走っています。鶴橋駅にも止まるこの列車の名称は?
十三駅のホームで日本初のものは何?
2016年に廃止となった住吉公園駅は終電の早さが日本一でした。終電の時刻は?
今年の大阪検定のテーマは何でしょう?

大阪検定ポスター展 http://www.osaka-kentei.jp/poster/

 

 

 

電通、米国Plug and Play社と日本におけるストラテジック・エコシステム・パートナーシップを締結

08月29日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年08月29日

電通、米国 Plug and Play 社と日本におけるストラテジック・エコシステム・パートナーシップを締結

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、世界最大のテクノロジーアクセラレーター兼投資家であるPlug and Play, LLC(本社:米国カリフォルニア州、創業者兼CEO:Saeed Amidi)と、日本における「ストラテジック・エコシステム・パートナーシップ」を締結しました。

シリコンバレーに本部があるPlug and Play社は、企業の成長を加速するグローバル・アクセラレーターとして定評があります。各業界の先進的な企業や政府系機関などと協働で、技術系ベンチャー企業の育成・支援に取り組み、起業から事業化に向けた流れであるベンチャー・エコシステムにおいて重要な役割を果たしています。

今回のパートナーシップにより、電通は新たに設立されたPlug and Play Japanが日本で展開する各種アクセラレーター・プログラムにおいて、同プログラムに参加する有望なベンチャー・パートナー企業および大手企業と共に、新技術に関する情報連携やネットワークの構築を行います。同時に、新しく形成されるプロジェクトや参加ベンチャー企業の戦略プランニングやコミュニケーションのマネジメントを支援します。

今後、両社は、電通が保有する幅広い企業ネットワークおよびマーケティングサービスと、Plug and Play社が保有するノウハウおよび海外ネットワークを融合させることで、日本主導で新たなカテゴリーや独自テーマの創出を行い、世界に誇れる新しいエコシステムの形成を目指してまいります。

<Plug and Play社 の概要>
会社名:Plug and Play, LLC(プラグ・アンド・プレイ)
URL:http://plugandplaytechcenter.com/
代表者:Saeed Amidi(創業者兼CEO)
所在地:440 N Wolfe Road, Sunnyvale, California, USA
設立:2006年1月
概要:米国シリコンバレーに本部があるベンチャー企業の支援企業。ベンチャー企業向けの育成プログラム(アクセラレーター・プログラム)を推進。大学・研究機関、各業界の先進企業、ベンチャーキャピタルなど幅広いネットワークを保持。

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0829-009350.html

【参加者募集】 「朝日地球会議2017」分断から共存へ 私たちが進む未来

朝日新聞社は、地球規模の社会課題解決について議論する国際シンポジウム「朝日地球会議2017」を、10月1日に東京・千代田区のイイノホールで、2~3日に同区の帝国ホテル東京で開催する。

「分断から共存へ 私たちが進む未来」をテーマに掲げ、欧米をはじめ世界各地で起きている「分断」をどう乗り越えていけるかを議論する。

3日間で計約30の講演やパネル討論を予定しており、参加者を募集中(無料、9月13日締め切り、応募者多数の場合は抽選)。登壇者やプログラムの詳細・応募はこちらから。

朝日地球会議2017

2008年から15年まで実施した「朝日地球環境フォーラム」を、16年に「朝日地球会議」と名称変更し、今年で2回目の開催になる。

2日目には国連のアミーナ・モハメッド副事務総長を招いて「持続可能な開発目標」(SDGs)で挙げられている課題について話し合う。その他、AI(人工知能)、ビッグデータ、VR(仮想現実)、フェアトレード、海洋資源、水素社会、宇宙ビジネス、ジェンダー、建築、気候変動など、さまざまなテーマで「地球規模の課題」の解決法を探る。

朝日地球会議2017 主なプログラム(敬称略)

※詳細・申し込みは公式サイトを参照。

10月1日(日)12:30~17:00  イイノホール

●GLOBE企画「壁が世界を分断する?」
首都大学東京教授 木村草太、米サザンメソジスト大学教授 ジェームズ・F・ホリフィールド
聞き手:朝日新聞GLOBE編集長 国末憲人

●講演「持続可能な環境先進都市・東京を目指して」
東京都知事 小池百合子

●講演「建築で世界を駆ける」
建築家 坂茂
聞き手:朝日新聞編集委員 大西若人

●対談「子どもたちの未来を考える」
メディアアーティスト 落合陽一
聞き手:withnews編集長 奥山晶二郎

●ハフポスト企画「ジェンダーを超えるアートの可能性」
現代アーティスト スプツニ子!
聞き手:ハフポスト日本版編集長 竹下隆一郎

●パネル討論「海底に眠る資源を探る -Team KUROSHIOの挑戦」
三井造船企画本部海洋事業推進部長 横田浩明、海洋研究開発機構技術研究員 中谷武志
コーディネーター:朝日新聞社会部記者 中山由美

●対談「南極観測60年 極地から地球を語る」
情報・システム研究機構 立極地研究所教授 東久美子
聞き手:朝日新聞社会部記者 中山由美

10月2日(月)12:00~17:45  帝国ホテル東京

●基調講演「『グローバル化』と国際国家システムの危機」
社会学者、独マックス・プランク社会研究所名誉所長 ヴォルフガング・シュトレーク

●基調講演「21世紀のポピュリズムと民主主義」
コレージュ・ド・フランス教授 ピエール・ロザンヴァロン

●パネル討論「分断から共存へ」
ヴォルフガング・シュトレーク、ピエール・ロザンヴァロン、ジェームズ・F・ホリフィールド
コーディネーター:朝日新聞社常務取締役コンテンツ統括・編集担当 西村陽一

●よしもとSDGs大喜利
桂きん枝 桂三若、桂三四郎、桂三度、NON STYLE石田明、尼神インター誠子

●スペシャルトーク「SDGsで世界を変える」
国連副事務総長 アミーナ・モハメッド
聞き手:キャスター 国谷裕子

10月3日(火)9:30~18:20  場所:帝国ホテル東京

●フェアトレードから考える持続可能な社会  
フェアトレード・オーストラリア&ニュージーランドCEO モリー・ハリス・オルソン、サステナビリティ・コンサルタント 籾井まり
コーディネーター:朝日新聞科学医療部記者 神田明美

●講演「新北欧料理の進展と、世界への影響」
著述家・ブロードキャスター マイケル・ブース

●パネル討論「仮想現実(VR)と芸術・文化の出会い」
演出家 宮本亜門、唐招提寺副執事長 石田太一、東京大学大学院情報理工学系研究科教授 廣瀬通孝
コーディネーター:朝日新聞ソーシャルメディアエディター 勝田敏彦

●パネル討論「カリスマ経営者はなぜ宇宙ビジネスに向かうのか」
東京理科大学副学長 向井千秋、A.T.カーニープリンシパル 石田真康
コーディネーター:朝日新聞社執行役員デジタル・国際担当 大西弘美

●講演「日本人はどこから来たのか?『3万年前の航海 徹底再現プロジェクト』」 
国立科学博物館 海部陽介

●パネル討論「AI×ビッグデータの衝撃にどう向き合うか」
Preferred Networks 最高戦略責任者 丸山宏、京都大学学際融合教育研究推進センター 特定教授 中小路久美代、メタデータ代表取締役社長 野村直之
コーディネーター:朝日新聞科学医療部記者 田中郁也

●パネル討論「社会の課題と企業の役割」
パナソニックブランドコミュニケーション本部CSR・社会文化部長 福田里香、伊藤園常務執行役員CSR推進部長 笹谷秀光、日本総合研究所創発戦略センターマネジャー 村上芽
コーディネーター:朝日新聞編集委員 多賀谷克彦

●パネル討論「水素社会が日本を救う!? ~自動車、ロック公演、料理……広がる超クリーンエネルギーの世界」
トヨタ自動車専務役員 伊勢清貴、衆議院議員・内閣府副大臣 福田峰之
コーディネーター:朝日新聞編集委員 堀篭俊材

●パネル討論「地域の力で水を守る 危機を乗り越える熊本の取り組み」
政治学者・熊本県立劇場館長兼理事長 姜尚中、東海大学熊本教養教育センター教授・同大学院産業工学研究科長 市川勉
コーディネーター:朝日新聞社執行役員企画事業担当 市村友一

●パネル討論「SDGsで社会を変え、地球を守る」
住友商事代表取締役専務執行役員 田渕正朗、CSOネットワーク事務局長・理事 黒田かをり、TREE代表取締役 水野雅弘
コーディネーター:朝日新聞記者 北郷美由紀

●パネル討論「地産地消エネルギーで町をおこす」
NTN執行役員自然エネルギー商品事業部長 石川浩二、千葉大学大学院社会科学研究院教授 倉阪秀史、北海道夕張市長 鈴木直道
コーディネーター:朝日新聞社教育コーディネーター 一色清

●パネル討論「拡大するESG投資 お金のまわり方は変わったのか」
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)アジア太平洋地区特別顧問 末吉竹二郎ほか
コーディネーター:朝日新聞編集委員 石井徹

※タイトル・登壇者等は変更の可能性があります。

東京パラリンピック  開幕3年前でカウントダウンイベント

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と東京都は、2020年東京パラリンピック開幕3年前となった8月25日、東京・江東区のアーバンドックららぽーと豊洲で、カウントダウンイベント「みんなのTokyo 2020 3 Years to Go!」を実施した。

開催に先立ち、小池百合子都知事や組織委の武藤敏郎事務総長、鈴木俊一東京大会担当相、パラアスリートらが、打ち水をして涼を楽しんだ。
小池知事は「この豊洲周辺では、多くのパラリンピック競技が行われる。東京をセーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーにしていきたい。そして、障がいの有無や年齢に関係なく、皆が参加できる大会を目指す。今日は3年後を想像しながら楽しみましょう」とあいさつした。

鈴木担当相は「これからの3年間は、障がいや障がい者に対する考え方、社会の在り方を新しいステージに引き上げる期間になると思う。また、復興オリンピック・パラリンピックという視点も持ち続けていきたい」と述べた。
国際パラリンピック委員会のフィリップ・クレーブン会長は「多くの人が大会を楽しめるように、東京のアクセシビリティーに対する整備・改善が進んでいることをうれしく思っている」とビデオメッセージを寄せた。

登壇者、来場者が共にラジオ体操で体をほぐした後、ステージではパラリンピック競技のデモンストレーションが行われた。5人制サッカー日本代表の加藤健人選手が、華麗なドリブルを披露し、シュートを決めると会場から大きな歓声が起きた。小池知事と鈴木担当相はサッカーボールの感触を確かめて「音だけを頼りに戦うのはすごい能力だ、ぜひ、メダルを期待してます」などエールを送った。
パラ陸上メダリストの芦田創選手は、アスリートを代表して「大会までの時間を、最高の準備に充てて東京大会を迎えたい。皆さんも一緒に盛り上がりましょう」と決意を語った。

セレモニー後、8人のパラアスリートが参加して、アスリートのパフォーマンスを動画で紹介するコーナーやクイズ、トークショーなどステージイベントが開かれた他、ブラインドサッカーの体験コーナーも設置され、多くの子どもらが参加した。

電通ダイバーシティ・ラボ、「インクルーシブ・マーケティング」のサービス提供を開始

08月28日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2017年08月28日

電通ダイバーシティ・ラボ、「インクルーシブ・マーケティング」のサービス提供を開始

― 個人への目線を拡大し、企業の持続可能な社会価値創出による事業成長を促進 ―

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)のダイバーシティ&インクルージョン課題対応専門タスクチーム「電通ダイバーシティ・ラボ」(以下「DDL」)は、顧客企業に向け「インクルーシブ・マーケティング」のサービス提供を開始いたします。

「インクルーシブ・マーケティング」とは、マス・マーケティングやワントゥワン・マーケティングの課題でもあった「多様な個人への目線の拡大」をさらに前進させ、「少数者への理解、支持」という長期的視野に立った企業の社会価値創出により事業成長を促進していく新たなマーケティング概念です。

市場が均質な消費者の集合ではなく、多様な個性を持つ個人の集積で構成されているという前提に立ち、幅広いインサイトの把握とクライアントの提供価値の創出支援、幅広いネットワークを活用した課題設定など、よりユニバーサルかつ包括的な観点に立ったソリューションの開発を行っていくものです。

DDLは2011年6月の発足以来、障害・ジェンダー・多文化・ジェネレーションの4領域にまたがる課題に対し、約20のプロジェクトを推進してさまざまなソリューションを開発してきました。今後は「インクルーシブ・マーケティング」の概念の下、各ソリューションを体系化し、企業活動全般を支援していきます。

市場が成熟していく中、企業が持続していくためには、社会における存在価値を高める施策が求められます。企業活動の全ての段階でこれまでになかった社会や顧客との新しい関係を構築し、真に市場から求められるマーケティング活動を行っていくためのコンサルティングサービスを当社は提供してまいります。

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以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0828-009349.html

古くて新しいOOHが、マーケティングの未来を創る

OOH

屋外広告や交通広告などOOHのデジタル・トランスフォーメーションが加速している。こうした中、オーディエンスの気持ちに寄り添うメッセージを自動的に届けることを可能にするプログラマティックOOHを用いることで、高い成果を出す事例も現れ始めている。古くて新しいOOH、その最前線を探った。


日本におけるデジタルOOHは大きな成長が見込まれる

アウト・オブ・ホーム、家の外の広告物全てを指すOOHの世界でもデジタルシフトが加速し始めている。この分野で代表的なものは屋外広告と交通広告。デジタルOOH(DOOH)のグローバル市場のCAGR(年平均成長率)は13.2%(※1)で、日本市場のそれは27.8%(※2)と大きな成長余力を持つ(2013~20年)。ある調査(※3)ではDOOHの2021年までの成長ポテンシャルは86%と、モバイルの67%や、オンラインの49%を抜くという見方もある。

不健全なメディアサプライチェーンを生み出すアドフラウド、ブランド価値を脅かすヘイトコンテンツなど、今デジタル広告の分野で話題になっている問題もOOHには無関係で、安心して利用できることも再評価されるポイントのひとつ。

そして何といってもDOOHは、媒体がデジタル故に「今、この瞬間」「ここだけで」を演出できる手法なので、ソーシャルメディアとの相性が良い。その上に、各種データと連携して、心に訴える体験を、状況に応じて演出ができる。さらには、こうした一連の業務や広告取引が自動化される「プログラマティックOOH」が登場し、かつ、これまでにないほどデータが取得できる今、感動的で効果的な広告を、効率的に提供できるようになっている。

(※1)2016 Peter J. Solomon Company Wall、
(※2)2015 Fuji Chimera Research Institute, Survey on Digital Signage、
(※3)2016 Ocean Outdoor, “From Paper & Paste to Pixels & Playouts”、電通「2016年 日本の広告費」

 

Source: 2016 Dentsu Advertising Expenditure of Japan for 2014, 2015 Fuji Chimera Research Institute, Survey on Digital Signage
Source: 2016 Dentsu Advertising Expenditure of Japan for 2014, 2015 Fuji Chimera Research Institute, Survey on Digital Signage
Source: 2015, 富士キメラ総
Source: 2015, 富士キメラ総研

 

「今、この瞬間」「ここだけで」を演出できるプログラマティックOOHが、カスタマージャーニーにおける行動喚起を強烈に後押しする。

さまざまな可能性が広がりつつあるOOHだが、その魅力はシンプルだ。

「OOHのいいところは、なんといっても『強制視認性』です。SNSの普及もあり、広告媒体を取り巻く状況が変わり、共通の話題をつくりにくくなったといわれている中、OOHは、出掛けた先で共通のネタを提供することができる。ここは、もっと見直されるべきポイントでしょう。また仕事の帰り道と、休みの日に遊びに出掛けたときでは、同じ広告を見ても受ける印象が全く違う。OOH媒体は古くからありますが、今、その場所で起きていることに寄り添うことで、新鮮な表現ができるのです」(浜田氏)

そしてデジタル化、プログラマティック化で、その価値は飛躍的に高まっている。

「プログラマティックOOHは広告の自動配信、自動取引など業界内のイノベーションだと受け止められがちですが、本当に恩恵を受けるのは生活者です。プログラマティックOOHは生活者の潜在的なニーズや気付きを生み出せる。例えば、場所や時間で心理状態が変わるので、商品の持つ本当の価値を、素直に受け止めることができる。その状態で見たクリエーティブを通じて、自分はこの車が欲しかったことを『発見』でき、より生活を豊かにしたり、新しい生活に踏み出せる。プログラマティックOOHの真の価値は生活者の“今”“ここで”を増幅させる意味で『Power of Now』『Power of Here』だと思っています」(神内氏)

業界が一丸となって、クリアすべき三つの課題

「強制視認性」による共通の話題の提供や、生活者に寄り添う「Power of Now」「Power of Here」を持つプログラマティックOOHだが、課題もある。主なものは三つに大別される。

①広告効果を知るための共通指標
②広告枠の自動取引
③広告を配信するための共通基盤

①の共通指標は、交通広告や屋外広告など媒体ごとにバラバラなのが現状。また広告主などのプランニングではリーチ(広告到達率)やフリークエンシー(一定期間内の広告接触率)が重視されるが、現在用いられているのは駅や道路などのサーキュレーション(広告を見る可能性のある通行者の合計)や乗降客数だ。日記式調査で、オーディエンスデータを取ることもあるが、コストが大きな負担となる。

「英国では『Route』というオーディエンス調査システムがある。これまで延べ5万人以上のモニターに対応端末を持たせ、自動的に位置情報を収集し、特定の場所、特定の時間帯におけるリーチ×フリークエンシーを求めるもので、その日本版を実現できないかと模索しています。また16年12月からはモバイル空間統計データを活用した『マチログ』を提供しています。このソリューションは、携帯電話事業者が基地局情報を元にした250メートルメッシュのオーディエンスデータをベースに、各種情報を組み合わせて解析することで、25メートルメッシュまでダウンスケーリングを可能にします。これにより、数値化や可視化は困難とされていた屋外広告のサーキュレーションが性別、年代別、曜日別、時間帯別などで集計可能となり、時間帯や曜日などによって大きく変わるオーディエンスの行動データを、動的かつ詳細把握してプランニングに生かすことが可能です。現在は渋谷と表参道の2カ所、今後は全国主要7地区の繁華街エリアへ拡大する予定です」(浜田氏)

②の自動取引は、日本固有の事情がある。屋外広告は80%のシェアに至るには1000社以上の媒体社の合意が必要になり、交通広告では関東圏の鉄道会社11社のシェアを足し合わせても50%に満たない。これらの空き枠を各社が個別に管理している他、各種サイネージへの入稿システムも異なるため、膨大な手間が掛かる。広告主がプログラマティックOOHをやりたいと考えても現状では、ごく限られた枠しか使えない。「前述のような指標に加えて、取引フローの標準化などが環境整備の第一歩」(浜田氏)であることは、OOHを扱う関係者の間では共通認識になっている。

③の配信基盤は現状ではローカルで閉じたシステムが主流で、リアルタイムに外部からの接続を許しているものは少ない。それ故あらかじめ用意していたコンテンツを、決められたタイミングで、一定期間配信する静的な配信方式が主流だった。これが常に外部接続が可能になると、リアルタイムに第三者データを活用した動的(Dynamic)なコンテンツが提供可能になる。

「Dynamicな広告を配信することが可能になると、その場所だけでなく、オーディエンスの今の気持ちに寄り添うことが可能。ある調査(※4)では、従来のDOOHと、DynamicなDOOHを見せたときの自然想起率、メッセージ想起率、引用率を比較すると、後者の方が圧倒的に効果が高いことが分かっている。特にSNSでネタにする引用率は173%増なので、顕著です」(神内氏)

ただし、既存のデジタル広告のアドサーバーとは別の配信システムが必要となることが課題だ。

「現状の通信環境では、コンテンツを事前にダウンロードしてローカルに保存しておくことが必要。スマホやパソコンならばコンテンツが表示されるまで待ってくれますが、OOHではそうはいかない。またOOHはクリックする人がいないので、クリックによって課金カウントされるシステムは使えない。仮に自動化したとしても、その1インプレッションの広告を大勢が見るので、インプレッションの定義も難しい。なので、共通指標、自動取引、配信基盤の環境整備は一元的に行う必要があるのです」(神内氏)

「共通指標/自動取引/共通基盤」→Programmatic OOH
*「従来型DOOHとの比較におけるDynamic DOOHの効果」(2015 年1月 VirtuoCity Research)
(※4)「従来型DOOHとの比較におけるDynamic DOOHの効果」(2015 年1月 VirtuoCity Research)

新しい表現の場として、クリエーターの参加を期待

さらに、プログラマティックOOHという新しい分野にチャレンジしてくれるクリエーターの登場も浜田氏は期待する。

「どんなに仕組みが整っても、やっぱり面白い企画は、クリエーターの方にしか考えられない、と痛感します。今ここで、この瞬間に出合ったら一目ぼれしちゃうかも、という瞬間を、絶妙に演出するようなクリエーティブをぜひ皆さんに面白がって考えてほしい。今後は、この瞬間に出合ったら商品買うでしょ、ダウンロードするでしょ、行っちゃうよねなど、カスタマージャーニーにおける行動喚起を強烈に後押しする媒体になるので、クリエーターにとっても新しい表現の場になることは間違いないです」

その起源は、インドネシア・スラウェシ島の推定4万年前の洞窟壁画にまでさかのぼるともいわれるOOH。この古くて新しい広告手法から、目が離せない。

プログラマティックOOHを加速させるために必要な3条件

①広告主や媒体社と共有できるwill
共通指標、取引の環境整備、配信の自動化などの課題は、実際にやってみて、便利だね、面白いね、という実感があって初めて加速するもの。良い事例が現れつつあるので、その成功体験をどんどん共有して、課題解決に向けて巻き込んでいきたい。

②その特性を活用できるクリエーターの参画
新しい分野を面白がれるクリエーターの方々に、ぜひDynamic DOOHならではの表現を追求してほしい。外部データを利用したりすることで、今までにはない、その時、その場所ならではの表現が可能になる。CMとも違う、今までのデジタルサイネージとも違う、この場所で、このタイミングで、「そうくるか!」という表現をつくり出してほしい。

③AIなどテクノロジーのトレンドも注視
本文では触れていないが、この分野ではAIの活用が目覚ましい。例えば交通量調査などでは、自動車の車種や年式などを特定して媒体価値を動的に値付けする試みも始まっている。こうしたテクノロジーがプログラマティックOOHの価値を高め、マーケティングの新境地を切り開いていく。最先端のテクノロジーを試したい方、ぜひOOHでトライしてはいかがでしょうか?

 

プログラマティックOOHの実現!

「今、この瞬間」「ここだけで」を演出できるプログラマティックOOHの大規模な活用例が出始めてきた。
その一つが、コカ・コーラシステムの“アツい夏こそ、キン冷えコーク!”のキャンペーン。
7月17日から8月27日まで、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡で、それぞれの場所、時間帯、その日の気温などに合ったメッセージを掲出した。

例えば、渋谷のスクランブル交差点では「暑さで頭もスクランブル状態だ…」「誰かハチ公にお水を…」と、その時間、その場所の状況に合った語り掛けをするなど、プログラマティックな配信を実現させたことで、製品が消費者の置かれた環境に寄り添うOOH展開が可能になった。

渋谷のスクランブル交差点

コカ・コーラシステムは今年の夏、“アツい夏こそ、キン冷えコーク!”をテーマにしたキャンペーンを展開。テレビCMからデジタル、ソーシャル、イベントなどさまざまな生活者接点で「暑い夏に飲む、キンキンに冷えたコカ・コーラのおいしさ」を伝えるキャンペーンを展開した。

新たな取り組みの一つとして、日本初の大規模なプログラマティックOOHを展開した。全国5都市において、エリア・天気・気温・時間・ご当地イベントなどとリアルタイムで連動して、最適なメッセージや動画など150種類以上のクリエーティブを最適に出し分けることで、広告効果を最大化する試みだ。

OOH展開「炎天下の渋谷」
OOH展開「暑さで頭もスクランブル状態で…」
OOH展開「冷えたコークがスカッとうまい!」

 

「マック」か?「マクド」か?  おいしさ対決決着で ホームページがマクド化!?

日本マクドナルドは8月21日、同社が展開していた、マクドナルドの“愛称”をバーガーや応援メニューのおいしさ対決で決めるキャンペーン「マックなのか?マクドなのか?おいしさ対決!」で「マクド軍」が勝利したと発表した。
(画像=7日に行われたキャンペーン発表時のもの)
マクドナルドは、地域により「マック」「マクド」と異なる愛称で親しまれているが、初となるキャンペーンで、長きにわたる“論争”に決着を付けようというものだった。

「マック軍」「マクド軍」に分かれ、期間限定で販売する両軍それぞれのバーガー(東京ローストビーフバーガーと大阪ビーフカツバーガー)のおいしさで勝負した。勝敗は同月20日までにツイッターでつぶやかれた、商品名などのツイート数およびリツイート数の合計とした。最終集計の結果、49%対51%の僅差で「マクド軍」の勝利が決定した。
同社はその勝利を祝して、マクド軍の代表バーガーがお得に食べられる“優勝セール!クーポン”を22日から、公式アプリとツイッターで配信。また、少数派のマクド軍が勝利した結果を受け、28日までの期間限定でホームページの一部を「マクド仕様」に変更した。
サラ・カサノバ社長のメッセージ画面を見ると、タイトルが「マクドからのメッセージ」になっている他、本文が「ありますねん」「ちゃいます」「ごっつ」「やってまっせ」など関西弁になっている。最後の締めの言葉「よっしゃ、ほな今日はこれぐらいにしとこか」も笑わせる。
http://www.mcdonalds.co.jp/company/message/index_mcd.html

マクド軍のセコンドを務めた、お笑いタレント・今田耕司さんは「全国のアモーレ応援のおかげで勝てた!“優勝セール!クーポン”を使って、大阪ビーフカツバーガーと大阪ビーフカツマフィンを味わって」、マック軍セコンドの女優・平愛梨さんは「まさかスタイリッシュな東京ローストビーフバーガーが負けるなんて、悔しすぎる。いつかリベンジしてみせる。マック軍最高!」とコメントした。
関連記事:https://dentsu-ho.com/articles/5379

 

Dentsu Live Presents パノラマトーク#07 「人生に、野遊びを。」開催

電通ライブは9月20日、東京・銀座の複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」の3階「common ginza(コモンギンザ)」でトークイベント「パノラマトーク#7『人生に、野遊びを。』」を開催する。

パノラマトークは、「銀座から世界へ、つくる人と共につくろう!」をテーマに、2017年4月から同所で定期開催しており、さまざまな分野の「つくる人」をフィーチャーし発信していくもの。

第7回は、オートキャンプのパイオニアであるスノーピーク代表取締役社長の山井太氏と電通の国見昭仁氏がゲスト。人生を野遊びで満たすスノーピークが提唱する生き方を、自ら実践している山井社長と国見氏が、人間と自然が生きる社会や、近未来のライフスタイルについて語り合う。

なお、トークイベントの様子は電通ライブホームページで後日公開される。

山井 太 氏の写真
山井 太 氏
国見 昭仁 氏の写真
国見 昭仁 氏

<パノラマトーク#07概要>
●テーマ:人生に、野遊びを。
●日時:2017年9月20日(水)18:30開場 19:00開演 21:00終了予定
●場所:GINZA PLACE 3階 common ginza (東京都中央区銀座5-8-1)
http://ginzaplace.jp/commonginza/
●入場料:1000円(税込み・ワンドリンク付き)
●定員:110人(一部スタンディング席)※全席自由
●申し込み・イベント詳細はこちら


<ロゴ>

<出演者プロフィール>
■山井 太 氏のプロフィール
スノーピーク代表取締役社長。1959年新潟県三条市生まれ。明治大学卒業後、外資系商社勤務を経て86年、父が創業した現在のスノーピークに入社。アウトドア用品の開発に着手し、オートキャンプのブランドを築く。96年から現職。毎年30~60泊をキャンプで過ごすアウトドア愛好家であり、徹底的にユーザーの立場に立った革新的なプロダクツやサービスを提供し続けている。14年12月東証マザーズに上場、15年12月東証一部に市場変更。

■国見 昭仁 氏のプロフィール
電通 ビジネスデザイン室 室長。1996年に都市銀行に入行。法人向け融資業務を担当した後、広告会社を経て、2004年に電通入社。10年、経営者と向き合い、企業のあらゆる活動を“アイデア”で活性化させる「未来創造グループ」を立ち上げる。15年からエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター。化粧品、家電、通信、アパレル、旅行、通販、外食、流通などさまざまな業界において、経営、人事、事業、チャネルなど広範囲におけるビジネスデザインプロジェクトを多数手掛ける。

東京メトロ×サントリーBOSS「働くって、いいもんだ。THE LAST TRAIN」

 

東京メトロとサントリーBOSSがコラボして、

ウェブとOOHを連動させた重層的なキャンペーンとは

これは、広告なのだろうか。ドキュメンタリーなのだろうか。

この3月、東京メトロと“働く人の相棒コーヒー”として親しまれているサントリー「BOSS」が協力して実施した「働くって、いいもんだ。THE LAST TRAIN」。ある駅長の定年退職に合わせて労をねぎらうサプライズ企画である。

半年前から準備を開始。企画を検討する中で、「もうこの人以外はない」と、駅員から推薦があったのが東京メトロ秋葉原駅の石山駅長だったそうな。
企画決定後、メンバーがスケジュールを調整してこっそりビデオメッセージを撮影。指定した時刻に素材を出し分けられる、東京メトロの駅デジタルサイネージでリハーサルも入念に行われた。

当日、終電後の深夜、秋葉原駅に皆が集まり、退職サプライズ企画が決行された。サプライズ直前、同僚たちがそれぞれの位置に隠れる。

駅長はサイネージに突然現れた同僚からのメッセージにくぎ付けに。仕掛け人の同僚たちが姿を現すと、終電後の駅に大きな拍手が響いた。花束を渡され、笑顔で涙ぐむ駅長。
サプライズを仕掛けられた石山駅長はこう話す。
「深夜、大勢の皆さまから祝福され思いもよらぬ花束やプレゼントをたくさん頂きどうしたらよいのか戸惑いました。釣り合う言葉が見つからなかったです。感無量。感謝、感謝でした。このようなサプライズは人生初めてです。今までの会社人生で最高の時でした」

その一部始終はカメラに収められ、3月27日から特設サイトで公開。銀座・上野・溜池山王などの駅構内デジタルサイネージでも、ウェブムービーのダイジェスト版が4月2日まで上映された。
単なるドキュメンタリーでは、ない。だがしかし、単なる広告でも、もちろんない。

そこにリアルがあるから、なんだ広告か、コンテンツか、と一言で片付けられずに人は見入ってしまうのだろう。企画あるいはコンテンツとしても、またメディアとしても重層的な構造を持つことで、簡単にスルーできない引っ掛かりを獲得し、また新しい可能性を感じさせるキャンペーンといえるだろう。

サプライズ当日。綿密な作戦会議の様子
サプライズ当日。綿密な作戦会議の様子
終電後のサプライズ直前。同僚の駅員たちが隠れる
終電後のサプライズ直前。同僚の駅員たちが隠れる
撮影スタッフたちも緊張の一瞬
撮影スタッフたちも緊張の一瞬
駅長は、サイネージに突然現れた同僚からのメッセージに釘付けに
駅長は、サイネージに突然現れた同僚からのメッセージに釘付けに
仕掛け人の同僚たちが姿を現すと、終電後の駅に拍手が響いた
仕掛け人の同僚たちが姿を現すと、終電後の駅に拍手が響いた
駅長と同僚たちの思い出話に花が咲き、サプライズは大成功
駅長と同僚たちの思い出話に花が咲き、サプライズは大成功
働く人の相棒、サントリーコーヒー「BOSS」
働く人の相棒、サントリーコーヒー「BOSS」
クリエーターの視点

電通3CRP局
歓崎浩司

幸せな「いたずら」

広告にはさまざまな人たちの「企み」が詰まっています。その「企み」にたまたま出合う人も、なんとなく触れた人も、「驚き」と「気付き」をお土産に持って帰ってもらいたい。だから自分が関わる「企み」は、「幸せな『いたずら』」にしたいな、と思っています。

今回の「THE LAST TRAIN」では、特に「幸せな『いたずら』」が実現できたと思います。施策の内容は、「働く」を支える東京メトロとサントリーのBOSSが手を組み、春に退職する東京メトロの駅長さんに、終電後の駅でサイネージを使ったサプライズ。心のどこかで、自分の父親のことを思っていました。「俺は一生公務員だ」と、強い意思を持って、郵政民営化になる前に早期退職をした元郵便局員の父親。「働くことに向き合う」とは、「自分自身の行きざまと向き合うこと」なのだなぁと思ったのですが、上京している私は、そんな父親の最後の働く日に、一緒にいることができませんでした。

今回の施策で、全くの他人の駅長さんの最後の「働く」に立ち会わせていただきましたが、本当に緊張しました。リアルに行うサプライズ、うまくいくかな? 人の人生のかけがえのない瞬間に嫌な思いをさせたらどうしよう…。ドキドキしていました。でも実際にサプライズを行い、駅長さんの笑顔と、頰を伝う涙、関係者の皆さんからの「これはいいね」という声をモニター越しに見聞きして、本当に「やってよかった!」と思いました。

この企画にGOを出して頂いた、東京メトロとサントリーはもちろん、難しいプロジェクトを一緒に進めてくれたスタッフの皆さんがいたからこそ、味わえた最高の瞬間。駅長さんの言葉をお借りすると「やっぱりチームだよね」です。「働く」ことに真摯(しんし)に向き合う今日この頃。今できることを、一つずつ全力で取り組んでいこうと決めました。いつか私にもくる「退職という日」に心から「働くって、いいもんだ。」と思えるように。

ミスドとタニタが、カラフルな 野菜ドーナツを共同開発

ダスキンが運営するミスタードーナツは8月22日、東京・台東区のパズル浅草橋で新商品発表会を開催した。
ミスタードーナツでは今年度の開発テーマを「misdo meets」として、最高水準の素材と技術を持った企業と共同開発した商品を提供している。
今回、その第4弾として“健康的な食生活”を提唱しているタニタと共同開発したカラフルなドーナツ「ベジポップ」3種(いちごとトマト、りんごとにんじん、パインとほうれんそう)を同月25日から期間限定で発売する。

ベジポップは赤、黄、緑の色鮮やかな生地に野菜パウダーを練り込み、サンドする豆乳ホイップにも野菜とフルーツを混ぜるなど、ヘルシー志向でフォトジェニックなスイーツ。通常のドーナツよりも小さいサイズで、食べる量をコントロールしやすくした。

ミスタードーナツ事業本部の鈴木美樹氏は、「“ドーナツを食べたいが健康が気になる”という声を多くいただく。今回は主要な顧客である20~40代の女性を中心とした健康を意識する方にヘルシーさとおいしさを両立したスイーツを作りたいと考え、タニタを選定した」と開発の経緯について話した。
新商品開発に携わったタニタの管理栄養士・龍口知子氏は「当社が考える健康サイクルは食事、休養、運動をバランスよく行い、さらにそれを測って可視化することが基本。また、健康づくりには体と心のバランスが重要で、心の健康には適量のおやつも必要だと考えている。ダイエット中でもストレスがたまらないように、かわいいおやつを食べてほしいとベジポップを開発。野菜や果物を使い、素材の甘みを生かしたやさしい味に仕上げ、カラフルで楽しさも実現した」と述べた。

「ベジポップ」と同日発売する「グリーンスムージー」とのセットメニュー「タニタ監修 おやつセット」「同 スープセット」も提供する。
ミスタードーナツ公式サイト:https://www.misterdonut.jp/

タイムシフト視聴率 8/7~8/13 ─ 相手の悲しみの深さまで分からない。一番知りたいことなのに ─

ビデオリサーチの視聴率調査データから、「8月7~8月13日のタイムシフト視聴率・総合視聴率5」をリサーチボーイがお届けします。

リサーチボーイ

夫婦に関する橘部長の言。
どんなに大事な人でも夫婦はしょせん他人だ。相手の悲しみの深さまでは分からないよ。一番知りたいことなのにな

フジテレビ「 コード・ブルー3 」第5話より

< タイムシフト視聴率5 >

1▶︎11.7%:コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]13.8% [総合視聴率]23.9%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/7(月):21:00-54分間

2▶︎7.9%:過保護のカホコ

[視聴率]12.1% [総合視聴率]18.5%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/9(水):22:00-60分間

3▶︎6.9%:火曜ドラマ・カンナさーん!

[視聴率]9.3% [総合視聴率]15.0%
 放送局:TBS、放送日:2017/8/8(火):22:00-54分間

4▶︎6.7%連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]20.1% [総合視聴率]25.6%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/12(土):8:00-15分間

5▶︎6.5%:日曜劇場・ごめん、愛してる

[視聴率]9.4% [総合視聴率]15.3%
 放送局:TBS、放送日:2017/8/13(日):21:00-64分間

< 総合視聴率5 >

1▶︎28.0%:連続テレビ小説・ひよっこ

[視聴率]23.7% [タイムシフト視聴率]5.8%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/8(火):8:00-15分間

2▶︎23.9%コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON

[視聴率]13.8% [タイムシフト視聴率]11.7%
 放送局:フジテレビ、放送日:2017/8/7(月):21:00-54分間

3▶︎21.5%世界の果てまでイッテQ!

[視聴率]18.8% [タイムシフト視聴率]3.2%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/13(日):19:58-56分間

4▶︎18.5%:過保護のカホコ

[視聴率]12.1% [タイムシフト視聴率]7.9%
 放送局:日本テレビ、放送日:2017/8/9(水):22:00-60分間
 

5▶︎18.1%NHKニュース7

[視聴率]18.0% [タイムシフト視聴率]0.1%
 放送局:NHK総合、放送日:2017/8/7(月):19:00-32分間

 


期間:2017年8月7日(月)~8月13日(日)
地区:関東地区

▶︎タイムシフト視聴率と総合視聴率の定義については、ここからご覧いただけます。
▶︎上記以外の番組についてもご覧になりたい方は、ビデオリサーチのサイトからご覧いただけます。

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転載に関するお問い合わせは以下までご相談ください。
株式会社ビデオリサーチ 
コーポレートコミュニケーション室
Tel  03-5860-1723(直通)

「解決型学問」って、なんだ?

『入門 公共政策学‐社会問題を解決する「新しい知」』

 

 

秋吉貴雄・中央大学教授が書いた『入門 公共政策学‐社会問題を解決する「新しい知」』という本。帯には「政治学や行政学、経済学など他分野の知識を総合化した新しい学問だ」とか「解決型学問」の文字が。ソリューションの方法論を求めて七転八倒するぼくは興味津々、即購入でした。

そもそも「公共政策」とは環境問題、教育問題、財政問題、高齢者福祉問題など、個人では解決しにくく、社会で適応すべき問題の解決策のことであり、それを研究対象とする学問が「公共政策学」だそうです。
この本では政策のプロセスを五つのステップに整理して説明しています。

第1段階:最初のステップが「問題」の発見と定義です。望ましくない状態を見つけて、言葉によって表現し、そうなった要因を分析します。
第2段階:認識された政策問題について、社会状況を調査し、政策の手段と妥当性を検証することによって、解決案が設計されます。
第3段階:専門家や業界、市民、官邸、政治家等と意見交換を重ね、最終的に政策が議会で決定されます。
第4段階:その政策を実施するために、各種調整と連携を図ります。
第5段階:政策は何らかの効果を社会にもたらすために設計されているので、実際にそれが適切であったか評価します。

この政策プロセスに関する知識と、政策決定に利用される知識、それぞれを改善することによって、公共政策を改善するのが「公共政策学」だそうです。

政策プロセス五つのステップ

 

さて、皆さん。ここまで読んでいかがでしょう? アートディレクターの下村雄飛さんによれば、今年のカンヌでは全28カテゴリー中、18個のグランプリが難民や差別など「社会課題」に取り組んだものだったそうです。つまり広告業界にとって「社会課題の解決」は身近なテーマのはずですが、その割にはわが業界と公共政策学で、ずいぶんプロセスに差があると思いませんか?ぐるぐるの図

実はこの本の著者、秋吉さんは大学のゼミ仲間。出版祝いと称して夜の街に呼び出し、「なぜ、こんなにアプローチが違うんだろう?」と率直な疑問をぶつけてみました。

いろいろ丁寧に答えてくれた中で印象に残っていることのひとつは、学問としての成り立ち。公共政策学はそもそも「科学的に、客観的に分析をすれば、正しい政策を実施できる」という理念からスタートしたそうです。さすがに今では「究極的には自動的に政策をつくることができる」なんて考える人は学界でも少数派なようですが、それでもなお「合理的に政策決定をしたい」考える人は少なくないのでしょう。理性では説明しきれない人間のコミュニケーションを扱い、感性を大切にする広告業界とは根本的な考え方が違うのかもしれません。

一方で、かつて公共政策学の関心は「省庁や国会での政策決定」にあったそうですが、近年はそれ以前に望ましくない状態をどのような問題としてとらえるか、専門用語でいう「フレーミング」に注目が集まっている、という指摘もありました。たとえば少子化問題は「子どもが生まれない問題」なのか、「高齢者の割合が増える問題」なのか、「人口が減少する問題」なのか、「女性の社会進出が進まない問題」なのか。どのような枠組みでとらえるかによって、対応策も変わってくるという視点です。

これなどは、まさに広告業界で言う「課題」設定の難しさ。「深い人間理解」と大いに関係するポイントです。公共政策学がいくつもの分野を統合する「学際的」な学問を目指しているにもかかわらず、いままでは政治学者と行政学者が中心で、まだまだ経営学やデザイン、広告コミュニケーションの知見を活用できていないのかもしれません。その分、発展の余地も大きいということでしょう。

右が秋吉先生。左は同じくゼミ仲間の日大、手塚広一郎先生。
右が秋吉先生。左は同じくゼミ仲間の日大、手塚広一郎先生。

…などなど。谷中生姜のリゾットや火入れが絶妙な肉類を肴にワインをがぶがぶいってしまったので、途中から細かいことをよく覚えていません。ともあれ「広告の常識」とは明らかに違うアプローチが新鮮なので『入門 公共政策学』、興味ある方はぜひ。

どうぞ、召し上がれ!

コンセプトのつくり方

コピーライター養成講座が60周年! 記念イベント「コピージアム2017」開催

 
開校60周年特設サイトもオープンしている
開校60周年特設サイトもオープンしている

宣伝会議は8月28日~9月3日、「宣伝会議コピーライター養成講座」開校60周年を記念したイベント「コピージアム2017」を港区の東京ミッドタウンで開催する。

展示とトークセッションで、人々の心を動かしてきた広告やコピーにさまざまな角度から光を当てるとともに、優れたコピーライターの発想法やクリエーティブの仕事の魅力について紹介する。

今回、特徴的なのは、広告クリエーティブやコピーライティングに興味のある10代に向けた展示やイベントを充実させているところだ。

展示スペースには、過去60年の名作コピー200選をはじめ、クリエーティブの職種への理解を深めるコーナー、広告ができるまでを追ったコーナーを用意した。

毎日行われるさまざまなテーマのトークセッションでは、広告会社や制作会社で活躍するコピーライターやCMプランナーといったトップクリエーター陣や講座卒業生たちが登壇。加えて、バンド「いきものがかり」の水野良樹氏や、お笑いトリオ「グランジ」の五明拓弥氏、遠山大輔氏など、多彩なゲストが参加する。

さらに、中学生・高校生を対象に、「AKB48チーム8」や「私立恵比寿中学」といった人気アイドルもゲスト参加する「公開コピーライター養成講座」も実施。この特別授業は、コピーライターの登竜門ともいわれるコンペティション「第55回宣伝会議賞」中高生部門への応募を応援するもので、同賞の課題にアイドルたちとともに挑戦する。

各トークセッション参加希望者は特設サイトから申し込む(希望者多数の場合は抽選)。

イベント「コピージアム」は東京開催の後、大阪、名古屋、札幌、金沢でも開催を予定している。

コピージアム2017ロゴ
■「コピージアム 2017」開催概要
開催日時:8月28日(月)~9月3日(日) 11時~20時
会場:東京ミッドタウン(東京都港区赤坂9-7-1) 
イベントスペース アトリウム(ガレリア地下1階)
インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(ミッドタウン・タワー5階「デザインハブ」内)
入場料:無料
参加方法:ガレリア地下1階の展示スペースは入場自由。トークセッションは特設サイトから事前に申し込む。多数の場合は抽選。

オリンピック。  “その一瞬”を切り取った写真展「THE ONE」開催

8月21日から10月7日まで、東京・港区のキヤノンギャラリーSで「THE ONE 岸本健オリンピック報道写真展」(主催=フォート・キシモト 後援=スポーツ庁、日本オリンピック委員会)が開かれている。

岸本氏は、1957年からスポーツフォトグラファーとして活動を始め、61年に日本初のスポーツ専門のフリーランスカメラマンとして独立した。
64年の東京オリンピックを取材後、スポーツフォトエージェンシーのフォート・キシモトを設立。60年以上にわたるオリンピック取材に加え、サッカーのワールドカップや世界陸上などのビッグイベントから市民スポーツまで、精力的に活動している。
自身で取材したオリンピックは27大会に及び、撮影した総枚数は350万点にもなるという。

同写真展では、64年東京オリンピックから、2016年リオ大会までの夏季大会を中心に約150点が展示されている。
東京大会で三つの金メダルを獲得し、その美貌と優雅な演技で日本中を魅了した女子体操のベラ・チャスラフスカ選手(チェコスロバキア・現チェコ)のほほ笑みや、マラソンのアベベ・ビキラ選手(エチオペア)の力走と沿道の観衆、ウエイトリフティングで金メダルに輝いた三宅義信選手の近影などが、岸本氏の視点で切り取られている。
作品は競技の場面だけではなく、選手のオフショットやボランティアや観衆の表情、開催地の雰囲気を感じさせるもの多い。報道写真の枠を超え、まさに“その一瞬”(THE ONE)を捉えたオンリーワンの写真展だ。

開催初日に行われたオープニングパーティーには、往年のオリンピアン・メダリストを含む約200人の関係者が駆け付け、写真展の開催を祝った。
岸本氏は「作品は報道と記録としての役割がある。それを次の世代にどのように伝えていくか、これからも皆さんに感謝しながら考えていきたい。自分もあと少し、頑張るつもりだ」とあいさつした。
岸本氏は、2020年東京オリンピックの開会式当日に82歳になる。

同写真展とともに東京のキヤノンギャラリー銀座(8月21~30日)では、東京オリンピックに限った約35作品を展示した写真展が同時開催されている。その後、大坂、名古屋でも巡回展示される予定だ。
キヤノンギャラリーS スペシャルサイト:
http://cweb.canon.jp/gallery/s/archive/exhibition120.html

 

 

ファンの熱量で新たなファンをつくる!Jリーグ公式アプリの戦略

本連載では、主に広告領域以外でのデジタルマーケティングを専門とする私が、スポーツ業界に見いだした伸びしろと、それを生かすための戦略を紹介していきます。

前回は「日本のスポーツ業界にデジタルマーケティングが必要な五つの理由」と題し、日本のスポーツ業界に共通した課題と伸びしろについて書きました。 

今回はその「共通した伸びしろ」に対する具体的なリアクションとして私が実際に取り組んでいることを、Jリーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」を例に紹介します。

Club J.LEAGUE - Jリーグ公式アプリ
https://www.jleague.jp/app/

Jリーグ公式アプリ Club J.LEAGUE

Jリーグで進むデジタルトランスフォーメーション

Jリーグでは重要戦略の一つとして「デジタル技術の活用推進」を掲げており、Jリーグ全体としての「マーケティングのデジタル化」(=デジタルトランスフォーメーション)が積極的に進められています。

【過去2年間に行われたJリーグのデジタルマーケティング戦略の例】

  • DAZN(ダ・ゾーン)との放映権契約による視聴スタイルの変化
  • SNSでの映像コンテンツの積極活用
  • スタジアムWi-Fiの順次展開
  • 各クラブに提供する共通的なCRM基盤の整備
  • 楽天とのJリーグオフィシャルECプラットフォームパートナー契約締結

このように、デジタル技術の活用により映像視聴者とスタジアム観戦者を増やし、Jリーグファン全体の拡大を目指しています。

まず「映像視聴者数」を増やす取り組みに関しては、OTT(Over The Top:インターネット上で音声、動画コンテンツを提供する通信事業者以外の企業)であるDAZN(ダ・ゾーン)での映像配信が実現しました。

これによりさまざまなデジタルデバイス上でのJリーグ視聴が可能となりましたが、もう一方で、年間延べ1000万人を超えた「スタジアム観戦者数」をさらに増やすためのユーザーサービス提供が求められていました。

ファン/サポーターという最大の資産

私たち電通はJリーグのマーケティングパートナーとして、どんなユーザーサービスを提供していくべきかを共に考え、実行してきました。そして「スタジアム観戦者数を増やす」ためのユーザーサービスを考える上で最大のヒントになったのが、Jリーグ関係者が持つ下記の認識です。

初めて観戦するきっかけは「(既にファンである)家族や友人に誘われたから」が多い。

これは「誘い誘われ」と共通用語化されている行為でした。

マーケティング視点で考えてみると「初めてのスタジアム観戦に行く」というハードルは非常に高く、広告だけでそれを解決するのは非常に難しいと私は考えています。

一方で、図1のようにコアなファン/サポーターから「面白いから観戦に行こうよ」と誘われれば、今までスタジアムに行ったことがない人でも足を運ぼうと思う確率は高くなるはずです。

【図1】「誘い誘われ」概念図

【図1】「誘い誘われ」概念図

Jリーグのコアなファン/サポーターに対して行ったグループインタビューでは、下記のようなコメントが随所に聞かれました。

「自分の好きなクラブは当然盛り上げたい」
「アウェーも含めて去年は全試合見に行った」
「会社でも同僚を観戦に誘っている」

コアなファン/サポーターの熱量は外部の人たちには想像が付かないほど高く、この熱量によって「誘い誘われ」が日本中で起こっているのです。

ファンマーケティングを仕組み化する戦略

前回のコラムで、日本のスポーツ業界が持っている三つの共通した伸びしろを紹介しました。

  • 潜在ファンを「最初の観戦」に導く仕組みが確立されていない
  • トライアルファンがリピーターとして定着していかない
  • コアファンへのおもてなし/体験向上ができていない

これらの伸びしろをJリーグもまた持っており、私たちは「誘い誘われをデジタルチャネル上で起こすことは、Jリーグが抱えている伸びしろを一気に現実化することにつながるのではないか」と考えました。

そのためには、一見遠回りですが、まずは「コアファンに使ってもらうサービス」となることで、誘い誘われの数が増え、結果として潜在ファンを最初の観戦に導いていけるはずです。今回のサービス開発ステップは図2のようになります。

【図2】ユーザーサービス開発ステップ

【図2】ユーザーサービス開発ステップ【図2】ユーザーサービス開発ステップ【図2】ユーザーサービス開発ステップ

コアファンを起点に、トライアルファンをスタジアム観戦へと導き、新たなファン/サポーターになっていってもらうことを目指します。

【図3】本アプリで目指す好循環

【図3】本アプリで目指す好循環【図3】本アプリで目指す好循環

図3は、今回設計したJリーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」で生み出したい循環を表した概念図です。

リピート観戦したくなるプログラムに加え、コアファン/リピーターからの「誘い」、トライアルファン/潜在ファンの「誘われ」を誘発する仕組みを組み込むことで、トライアルファン/潜在ファンをスタジアム観戦に導いていき、Jリーグにおいては定着のしきい値といわれている「年間3回以上のスタジアム観戦」を実現していくことを目指しています。

スタジアム観戦体験価値を最大化する施策としての公式アプリ

私たちは具体的にどんなデジタルサービスを提供するべきかを研究する中で、「サッカーの醍醐味であるスタジアム観戦体験価値を向上させるためのポジションが空いているのではないか」ということを発見しました。

そして「スタジアム観戦体験価値を最大化する」という開発コンセプトのもと、Jリーグが提供する初の公式アプリ「Club J.LEAGUE」を開発しました。

ここでいう「スタジアム観戦体験」というのは、試合のその瞬間だけではありません。以下のように、「スタジアムでの試合観戦を中心とする一連のJリーグ体験」の全てを指しています。

【スタジアム観戦体験に含まれる要素】

  • 行きたい試合を調べる
  • チケットを買う
  • 試合の見どころをチェックする
  • スタジアム観戦をして盛り上がる
  • ハイライト映像をチェックする
  • 次の観戦を決める
  • スタジアムに行けないときも速報で試合の臨場感を味わう

これらの体験の中でも、「一度しかないその試合をスタジアムで生で楽しむこと」こそがJリーグの最大の醍醐味であるという前提を中心に据えつつ、デジタルマーケティングの力でスタジアム体験をより良いものにしていくことを目指しています。

本アプリがどのように「スタジアム体験価値を最大化」しているのか見てみましょう。

○メダル(ロイヤルティープログラム)
本アプリでは、スタジアム観戦を指標としたロイヤルティープログラムを提供します。スマートフォンのGPSを利用した「スタジアム観戦チェックイン」によって、「スタジアム観戦をしている」と判定されるとメダルが1枚もらえます。

ロイヤルティープログラムの指標となるこのメダルは、「アプリを継続的に利用すること」「特定のクラブを応援していくこと」「Jリーグのパートナー企業と接点を持つこと」などでも獲得できます。

メダルをためるほどにランクが上がっていき、ランクに応じてJリーグ、クラブ、パートナー企業から特別なおもてなしを受けられるキャンペーンに参加できます。

メダル


○明治安田生命Jリーグチャレンジ
Jリーグタイトルパートナー/トップパートナーである明治安田生命の協力によって実現したプログラムで、メダルが3枚(うち最低1枚はスタジアム観戦チェックインによるメダル)たまると、「明治安田生命Jリーグチャレンジ」(Jチャレ)に挑戦できます。“当たり”が出ると、新たなファン/サポーターを誘うためのペアチケットを受け取る権利が手に入ります。

アプリユーザーがスタジアムに行けば行くほど新たなユーザー獲得につながっていく本プログラムを通じて、「今週末、Jリーグに行こう」というようなJリーグのすそ野を広げるような会話が日本中で広がっていくことを目指しています。

詳細は次回以降の連載で説明しますが、パートナー企業とも協力し合いながら、Win-Winの関係を築き、Jリーグファンのすそ野を広げていくという点が、本アプリのサービス設計上で最も革新的なところだったと私は考えています。

Jチャレ


○ニュース
従来は「J league.jp」や「J’s Goal」といったJリーグおよび各クラブのオウンドメディアに散らばっていた公式情報を、アプリ上で一元的にまとめて掲載します。これらのニュースは、ユーザーが選ぶお気に入りクラブごとにソートされて表示されます。

○チケット
Jリーグのチケット販売サービス「Jリーグチケット」と連携し、アプリから全試合のチケットを購入できます。

○試合日程・速報
Jリーグが開催する全試合日程と速報をお届けします。

○ニュース○チケット○試合日程・速報

○プッシュ通知
ユーザーが登録したお気に入りクラブの試合について、「前日告知 / 試合開始 / ゴール / 前半終了 / 試合終了」をプッシュ通知で送ることができます。このプッシュ通知は自由にカスタマイズ可能です。

○スタジアムWi-Fiに接続
現在整備が進んでいる「スタジアムWi-Fi」に場内で接続することで、「DAZN」の試合映像を無料視聴できます。例えば「ハーフタイムに前半のハイライトを視聴する」といった視聴形式を想定しています。当面はカシマスタジアムでのみ運用される予定です。

○スタジアムキャンペーン
スタジアムで行われるキャンペーンの「告知」「応募」「即時での当選発表」を、アプリを通じて実施できます。

まだ走り始めたばかりのサービスなので、今後、グロースハックを繰り返していくことになりますが、Jリーグファンの「会員証の代わりになる」ようなサービスを目指しています。

Club J.LEAGUEでサポートするJリーグファンのロイヤル化プロセス

図4は、本アプリでサポートする「Jリーグファンのロイヤル化サマリー」を書いたものです。

【図4】ライトファンのロイヤル化プロセスサマリー
【図4】ライトファンのロイヤル化プロセスサマリー

本アプリを企画するに当たり、私たちは「Jリーグに興味はあるが、まだ行ったことのない層」に対してのグループインタビューを重点的に行いました。そこでは、

  • 「誰かに誘われたら見に行くと思う」
  • 「せっかく観戦に行くのなら、最大限楽しみたい」
  • 「ただ何をどうすれば、より楽しめるのかが分からない」

といった声が数多く聞かれました。

「試合が盛り上がること」「レベルの高い試合を観戦すること」「それを仲間と共にリアルの場を共有して楽しむこと」がスポーツ観戦の一番の醍醐味であることは間違いありません。

私はこのアプリを通じて、先ほど定義したような「スタジアム観戦体験」を提供し、ライトファン層のJリーグへのロイヤルティーを少しずつ上げていけると考えています。

次回は、Club J.LEAGUEを開発する上でのシステム設計上の思想などについてお伝えしたいと思います。

クリエーティビティ―、テクノロジーに勝つ!

アメリカズカップは1851年に始まった最古の国際スポーツ大会だ。ヨットレースとして世界最大規模。優勝しても賞金は出ない。カップと名誉だけだ。1988年、ニュージーランドのチームが本戦に初出場した年、僕は生まれた。

あるセーラーはヨットスポーツをこう表現する。「冷たいシャワーを浴びながら、百ドル札を引きちぎるような行為だ」。アメリカズカップでは、ライバルたちに少しでも優位に立てるなら、惜しみなく百万ドル札を引きちぎる。

この30年で、レースヨットは「空飛ぶ機械」に進化した。変革を推進してきたテクノロジーには目を見張るばかりだ。今では風速の3倍で移動する能力を持つ。

イノベーションが続いても、一つだけ変わらないことがある。帆を動かすロープを引っ張るには頑健な肉体が必要なことだ(今では制御システムを作動させる油圧を人間がつくり出す)。セーラーたちは「グラインダー=胡椒挽き」と呼ばれている。彼らが操る部品が、巨大な胡椒挽きのハンドルに見えるからだ。

2017年。チーム・ニュージーランドは秘密兵器を投入した。上半身の力を活用してきた常識を拒絶し、ヨットに自転車乗りを乗船させた。その名は「サイクラー」。男たちはジムにあるエアロバイクのような機械にまたがった。下半身の力を有効利用できれば、上半身が生み出すパワーを凌駕できる。この発想、仕組みでチーム・ニュージーランドは、操船技術における圧倒的優位を手に入れた。平均速度がグンと上がったのだ。

いったん誰かがアイデアを実現してしまえば、なぜ今まで誰もやらなかったんだろうと思える。常識を疑い、打ち破ることの大切さ。進歩したいなら、現状維持を受け入れ続けてはダメだ。小さな改善に満足するのでなく、価値ある変革を生み出すのだ。

サイクラー作戦は大成功。予選ラウンドでスウェーデン、英国、フランス、日本を破り、決勝大会に進出した。チャンピオン・アメリカとの一騎打ちだ。果たしてサイクラーが究極の勝利をもたらすアイデアだったかどうか、巨額の資金や最新テクノロジーを打ち破れるのか、僕は最終結果を知りたくてワクワクしている。

(訳者注:17年6月26日、チーム・ニュージーランドはアメリカに8勝1敗で圧勝。17年ぶり3回目のカップ獲得に成功!)

(監修:電通 グローバル・ビジネス・センター)

Rob氏のイラスト

“小諸の土”産(コモロのミヤゲ!?)話

7月4日行われた「KOMORO AGRI SHIFT “つくる農”から“つなぐ農”へ」 プレス発表会に行ってきました。そこでは小諸市が、DGCテクノロジーの協力を得て、土壌微生物の多様性と活性値を生産基準にする、「小諸基準」の策定に着手すると発表されました。
この試みのきっかけは、「消費者は、農家の顔が見えると安心するというが、農家も食べる人の喜ぶ顔が何よりの励みだ」という農家さんの話だったそうです。

キャラクター「こもろん」と、DGCテクノロジーの櫻本氏、小泉市長
キャラクター「こもろん」と、DGCテクノロジーの櫻本氏、小泉市長

これからの「小諸の農」は、土壌微生物から始まり、生命をつないでいく

 

「小諸の農」は、全国トップシェアの作物こそありませんが、高原野菜や関西の高級料亭でしか食べられないという白土馬鈴薯の産地として一定の知名度があります。地理条件(さまざまな地形、標高差、土壌の違い)を生かし、米、果樹、野菜(特にブロコッリーは、全国有数の産地)など多品目を生産していることが特色です。近年では、ワインや米の品質の高さが国内外で評価されています。

一方、激しい地域間競争の時代に、小諸にしかない特色を持つことは急務でした。そこで小諸市は、「新しい価値」と「新しい顧客」を生み出し、農家の収益を向上させる取り組みを模索していました。
冒頭でも記しましたが、KOMORO AGRI SHIFTが始まるきっかけは、「消費者は、農家の顔が見えると安心するというが、農家も食べる人の喜ぶ顔が何よりの励みだ」という農家さんの話でした。

作る人と食べる人の笑顔がつながれば、小諸の農は、生き生きしてくる。

笑顔をつなげるものは、作る人と食べる人の会話から生まれるのではないか。

そのような会話を続けるために、小諸の農家は、収穫して終わりではなく、農家が伝える物語を持ち、さまざまな人に、自らの言葉で自分の思いや考えを届ける、“つなぐ農”を目指そう。

「SHIFT」は、小諸市役所と市内農家で構成されたプロジェクトチームのこうした話し合いから始まりました。

では、これからの「小諸の農」は、何をつなぐのでしょうか? 何を語るのでしょうか?
プロジェクトチームは、「SHIFT」の方向性を今の小諸らしさを磨くことで見いだすことにしました。そこで、今の小諸らしさを再認識するために、小諸市民/軽井沢別荘族/観光客、首都圏在住者1000人に小諸の農に関するブランド実態調査を行いました。

その結果、多くの方が小諸に「多様で魅力的な農産物」「豊かな土壌」「里山の農風景」を想起していることが分かりました。多様性×土壌×農風景。これが、磨くべき小諸の農のコアバリューであり、多様な生命の営みこそが小諸の農を支えている、と気付かされたそうです。

1グラムの土壌の中には、1000種類以上の微生物がいると言われています。つまり、多様な生命の営みは、土壌微生物から始まります。「土壌微生物から食べる人まで、土壌微生物から農風景まで、小諸の農は、生命をつないでいこうじゃないか」。プロジェクトチームは、生命をつなぐ農に取り組むことにしました。

“小諸の土”産ブランドを目指せ

微生物が多様で活発な土壌は、豊かで元気な土です。土が元気だと、元気な農産物が育ちます。小諸の農家さんは、そのことを知っていました。しかし、農家さんが元気な土をつくるための指標や、元気な土であることをさまざまな人に伝える方法がありませんでした。

プロジェクトチームは、土壌微生物の多様性・活性値の測定技術を持つDGCテクノロジーと提携することで、この課題を解決します。この測定技術は、NASAの技術を応用し、95種類の異なった有機物(微生物のえさ)が入った試験用プレートに、サンプル土壌を中性にして純水で薄めたものを入れて、専用のロボットを用いて一定温度で15分間隔で48時間連続して測定し、各有機物が分解される速度を調べます。

DGCテクノロジーによる、土壌微生物多様性・活性値分析の様子
DGCテクノロジーによる、土壌微生物多様性・活性値分析の様子

微生物によって分解できる有機物の種類は異なっているので、たくさんの種類の有機物が分解できたということは、たくさんの種類の微生物がいるということになります。また、有機物の分解速度が速いということは、それだけ微生物が活発に働いているということになります。こうして、微生物の多様性と活性との両方を合わせて計測した値が、土壌微生物多様性・活性値となります。

プロジェクトチームは、この技術を活用した測定値をもとに、生産基準「小諸基準」を定めることにしました。また、数値指標だけでなく、土づくりの物語を伝える技能検定も基準の中に盛り込むことを検討しています。

「小諸の農」は、地名でも農産物でもなく、“元気な土”をブランディングします。“元気な土”を起点に、多様で魅力的な小諸の農産物を、“小諸の土”産として打ち出しました。

“小諸の土”産は、四つの付加価値を生み出すそうです。
①おいしさ:元気な土で育った作物は糖度が高く、残留硝酸態窒素(えぐみの原因)は少ない。
②安全:農薬や化学肥料を使い過ぎると、土壌微生物の活性指数は下がる。
③安定供給:元気な土で育った作物は、病気にかかりにくい。(連作障害の回避)
④物語:生命のつながり、見えないものへの配慮(土壌微生物)、生物多様性

これらは、「小諸の農」から食べる人に届ける生命をつなぐ旅の“お土産”、だそうです。すてきですね。

“小諸の土”を伝える「料理」や「アグリシェア体験」

 

プロジェクトチームは、“小諸基準”に合わせ、農産物のブランディングだけでなく、小諸のファンづくりを意識して、「料理」や「アグリシェア体験」を開発します。

元気な土で育った採れたての元気な作物に、ぴったりのレシピを考えることで、“小諸の土”産の物語を伝えます。「一汁一菜」をテーマにした「小諸料理」を早速頂いてきました。

小諸料理の第1弾メニュー
小諸料理の第1弾メニュー

またアグリシェア体験として、農体験を通じて“小諸の土”づくりの物語を伝える「KOMORO AGRI SHARE」を計画中とのこと。土づくりの苦労を知ってもらっても仕方ないので、働く人の疲れたカラダとココロが喜ぶような、癒やしの農体験メニューを考えています。それは、生命をつなぐ元気な土づくりをしている農家と農村のありのままの生活を体験できるものになりそう。

目指すは、企業の保養所ならぬ保養農村。家族で来たら、料理や園芸が学べるだけでなく、子どもに農育も。セカンドキャリアに備えて農業技術を学ぶもよし。メンタルケアや認知症予防に農作業が効くそうで、さまざまなケアメニューもそろえます。荒廃する遊休農地が増えている中山間地域の農家が稼げる新しい農の形を提示します。

プロジェクトチームは、農家をはじめとして、より多くの方に「KOMORO AGRI SHIFT」に参加いただくためにロゴを作りました。

弁当箱がモチーフ。フタをずらす(シフトする)とみんなの笑顔が見えます
弁当箱がモチーフ。フタをずらす(シフトする)とみんなの笑顔が見えます。

このロゴの面白いのは、「ロゴの色」や「アルファベットの『O」の文字の中の笑顔」を自分でアレンジ(変更)できること。プロジェクトへの参加意欲を高め、ジブンゴト化できるような工夫だそうです。

さらにチームは、小諸の農家同士が出会い、話し、アイデアを出し合える場が、このプロジェクトを推進させるエンジンになるに違いないと考え、アイデアを出し合うために、「話そう、楽しもう、そして、アイデアはちょこっとずつ」をスローガンに、会議室ではなくカフェでお茶でも飲みながら、ということで「KOMORO AGRI CAFE」を開催しています。

このカフェは、誰が参加してもいいそうです。これを読んでくださっている方も、参加してみませんか? 今、小諸で起きている最先端の農業「SHIFT」を体感できるかもしれません。

さて、次回は、「ORGANIC SHIFT」を特集します。8月24?26日、パシフィコ横浜(桜木町)で開催される「国際オーガニックEXPO2017」 を取材してきます。今度、出会う農家さんは、何をつなごうとしているのでしょうか?

国際オーガニックEXPO2017ホームページ

【まとめ】広告以外のデジタルマーケティング

今回の連載では、広告会社のデジタルマーケティングにおける、デジタル広告以外の取り組みについて紹介し、社内外から驚きに近い反応を多数頂きました。今回が本テーマでの最終回となりますので、これまで紹介してきた取り組みを整理したいと思います。

【目次】
広告会社がB2Bマーケティングでできること
コンテンツ提供ビジネスに新たな価値を生む“デジタルいけす理論”
顧客の事前期待を超える体験設計フレームをご紹介
デジタルマーケティング設計診断ツールをご紹介
顧客感情を可視化するカスタマージャーニー作成法
“対面型営業活動”でデジタルマーケティング
広告の役割は、企業からの広義な「サービス」?

 

広告会社がB2Bマーケティングでできること

デジタルマーケティングに取り組む企業の業態として、第3回の記事「広告会社がB2Bマーケティングでできること」でB2B業態の企業におけるデジタルマーケティングについて紹介しました。広告会社はB2C業態のクライアントが中心と思われがちですが、ことデジタルマーケティングにおいてはB2B業態のクライアントも多い傾向にあります。

デジタルマーケティングとは「データを活用した深い顧客理解と、それに基づいた適切なアプローチを実現する手段」であり、B2CでもB2Bでも必要とされる事業課題を解決するために適した手段です。
 

コンテンツ提供ビジネスに新たな価値を生む“デジタルいけす理論”

 

第6回の記事「コンテンツ提供ビジネスに新たな価値を生む“デジタルいけす理論”~メディア企業でデジタルマーケティング~」では、B2B業態としても特殊な、メディア企業のデジタルマーケティングについて取り上げました。B2B企業の営業活動である“売り方”を高度化する手法としてではなく、販売する商品つまり“売り物”を高度化する手法としてのデジタルマーケティングを紹介しました。

マーケティングというと、どうしても売り方である「Promotion」の高度化を想像しがちですが、いわゆる4Pにおける「Product」の高度化もデジタルマーケティングでは実現することが可能です。「Product」が高度化することで、企業の提供価値が「製品」から「サービス」へと変わってきているのです。
 

顧客の事前期待を超える体験設計フレームをご紹介

 

第4回の記事「サービスモデルキャンバス~顧客の事前期待を超える体験設計フレーム~」では、企業がサービス業化する中での4Pの変化について紹介し、企業のサービスデザインをサポートするフレームワークとして「サービスモデルキャンバス」について解説しました。

この中でサービスデザインにおいて重要なこととして顧客の企業に対する「事前期待」をあげています。この事前期待の種類と、それを満たすための企業のアセットをマトリックスで整理し、サービスデザインをサポートするツールとして開発・運用しています。更には、サービスを仕組み化するために必要なこととして「業務プロセス」「データ」「システム」「チャネル(従業員を含む)」の変革を挙げています。


デジタルマーケティング設計診断ツールをご紹介

 

「業務プロセス」「データ」「システム」「チャネル(従業員を含む)」という、四つの変革の実現をサポートするツールを第5回「デジタルマーケティング設計診断ツール」の記事で紹介しました。

サービス提供を実現するために必用な4カテゴリーのありたき姿に対する、現状の達成度を簡易ながら把握するのが「デジタルマーケティング設計診断ツール」です。またここでは、この四つのカテゴリー変革に取り組むことを「デジタルトランスフォーメーション」と称しています。
 

顧客感情を可視化するカスタマージャーニー作成法

 

提供しているサービス自体を評価する手法として「顧客感情を可視化するカスタマージャーニー作成法」を第2回「顧客感情を可視化するカスタマージャーニー作成法」の記事で紹介しました。過去の記事の中でも一番反響があった記事でした。どこか定性的に作成されがちなカスタマージャーニーを定量化し可視化することで顧客体験上のペインポイントを明確化し、広義なサービス提供プロセスの課題を浮き彫りにすることが可能です。

カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップ

“対面型営業活動”でデジタルマーケティング

本連載では企業が顧客に提供するさまざまな体験は、全てサービスであると定義しました。例えば、企業の営業職員が対面で提供する「接客」もサービスと定義しています。多くの企業が顧客体験上のペインポイントとしてこの「接客」を挙げていました。そこで、このサービスとしての「接客」を高度化するデジタルマーケティング手法を第1回「“対面型営業活動”でデジタルマーケティング」の記事で紹介しました。これも対面チャネルにおける「データ」「システム」「業務プロセス」の変革によって実現する手法です。

広告の役割は、企業からの広義な「サービス」?

 

ありたき顧客体験の提供を実現するデジタルトランスフォーメーションを、フレームワークとしてまとめると以下のようになります。

デジタルトランスフォーメーションのフレームワーク
デジタルトランスフォーメーションのフレームワーク

これらは、まだまだ社内外で議論をしながら進化を続けているものです。特に上記図の⑥に関しては、製造業において製造プロセスを可視化し管理と意思決定を支援する仕組みがあるように、サービスデザインにおいてもそのプロセスをサポートする仕組みが必要であると考え、現在取り組んでいる最中です。ぜひ、同様な課題意識をお持ちの方と議論をさせていただければと思っています。
 
本連載では、あえて広告以外のデジタルマーケティングを取り上げてきました。ですが、私は広告の役割の一つに、企業からの広義な“サービス”という視点も必要ではないかと考えています。広告会社における組織や業務は大きく「広告とソリューション」もしくは「メディアとソリューション」で区分されることが多いのですが、デジタル時代の顧客体験を考える上では、その区分は必ずしも正しくないのではないかといった問題提起をして本連載を終えたいと思います。

この問題に対する新たな取り組みができた際には、またこの場を通じて紹介させていただきます。

「情報メディア白書 2017」英語版、電子書籍として刊行

8月21日に配信された電通トピックス文面は以下の通りです。


2017年8月21日

「情報メディア白書 2017」英語版、電子書籍として刊行

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、日本メディア市場への国際的な注目に応えるため、「情報メディア白書」(※)を英語化し、電子書籍として株式会社ダイヤモンド社(本社:東京都渋谷区、社長:石田 哲哉)からGoogle Play上で発売します。英語版の刊行は2014年から4回目となります。また今年も電通の英語版ホームページでPDFの無料ダウンロードができます。

日本の情報メディア産業の概観を海外に紹介することを目的に、「情報メディア白書2017」の中から代表的な8分野(Print / Broadcasting / Telecommunications / Films and Videos / Pop Culture / Games / Online Services / Advertising)をピックアップし、各分野についてデータを交えながら分かりやすく解説をしています。

<情報メディア白書2017英語版の概要>

・書籍名:『Information Media Trends in Japan 2017』
・発行元:株式会社ダイヤモンド社
・編著:株式会社電通 電通総研 メディアイノベーション研究部
・発行日:2017年8月21日
・提供方法:電子書籍としてGoogle Playを通じてリリース/電通英語版ホームページでもPDFダウンロード可能
・配信:110以上の国および地域(日本および主要諸外国)
・価格:無償
・Google Play URL:
https://play.google.com/store/books/details/Dentsu_Innovation_Institute_Information_Media_Tren?id=SDQwDwAAQBAJ&hl=ja
・電通ホームページ URL:
http://www.dentsu.com/knowledgeanddata/publications/


※「情報メディア白書」は、電通総研メディアイノベーション研究部の編著による、メディア業界の概観とデータを掲載する書籍。創刊から24回目を数える。

拝啓、コンテンツつくってますか!?(後編)

今回の 電通デザイントークは、映画「そうして私たちはプールに金魚を、」で 第33回「サンダンス映画祭」ショートフィルム部門のグランプリを受賞した電通の長久允さんを迎えます。さらに、広告とコンテンツの境界を行き来しながら話題をつくってきた髙崎卓馬さんと、ウェブとリアルを縦横無尽に遊びながら、強いコンテンツを生み出している尾上永晃さんも登場。デジタルテクノロジーの進化で、世界中の誰もがコンテンツを制作できる時代に、広告のプロとしての自負や、心に響くコンテンツのつくり方について考えます。

※映画「そうして私たちはプールに金魚を、」はコチラでご覧いただけます。

電通デザイントーク「拝啓、コンテンツつくってますか!?(後編)」画像01
(左から)電通 長久允氏、尾上永晃氏、髙崎卓馬氏


 

CMの方法論で映画をつくる

髙崎:低予算で映画をつくると、演技がどうにも素人な人が紛れていたりするものだと思うんですが、この映画のキャストはみんな自然ですごいですね。

長久:僕は、演技の「不自然さ」が気になる原因って、音の間だと思っていて、だからそれは演者ではなく監督の責任が大きいと感じています。ビデオコンテをつくって、僕がセリフを読んだスピード感を守ってもらい音の設計を崩さずに仕上げていきました。ビデオコンテもそうですが、テレビCMの制作方法を取り入れています。一般的な映画では、そういうつくり方はしないかもしれません。

電通デザイントーク「拝啓、コンテンツつくってますか!?(後編)」画像02_長久

髙崎:2時間の長編でも同じ方法論でつくる?

長久:そうですね。賞をとって一番うれしかったのは、この物語運びや設計で次回作を撮っていいという保証ができたことです。だから、挑戦してみます。

髙崎:つくるときにスクリーンのサイズ感とスマートフォンのサイズ感とって意識したりしました?

長久:両方、意識しました。スマートフォンで見ても耐えられるスピード感や、スクリーンまでの距離感などですね。

髙崎:僕最近、自分の仕事が昔に比べて、引き絵が少なくなっていることに気が付いたんです。特に若い監督とつくったものが。自分の映像環境にスマホのサイズが自然に入り込んできているから、そういう変化の影響がいつの間にか起きているかもしれない。

尾上:スマートフォンだと距離感が大事だから、顔のアップを多用するとYouTuberの人から聞いたことがあります。映画だと圧迫感がすごいのであんまりやらないですよね。それにユーザーがどこで離脱したのか、どういう評価をしたのか、反応を把握しやすいです。こういった視点から映画のつくり方がどう変わっていくのかに興味があります。スマートフォンから得られる情報を参考にして、映画をつくるようになれば違う世界が見えてくるかもしれません。

広告会社もコンテンツに投資する時代

長久: 髙崎さんは「ショートショートフィルムフェスティバル」で審査員をされていましたね。

髙崎:僕がやらせてもらったのは「ブランデッドショート」という新部門だったんですが、映画監督たちと映像を審査するというのはとても刺激的でした。オリジナリティーがいかに大切か、をとても深く考えました。

あと印象的だったのはセレモニーで登壇した大林宣彦監督の壮絶なスピーチ。黒沢明監督からの遺言がある、と。映画という素晴らしい道具を使って、次の世代が何をなすべきかという話で鳥肌がたちました。

長久:僕も映像を見て、すごく感動しました。

髙崎:僕らの仕事はあくまで広告で、物を売るためのものだけど、同時にやっぱり世界の一部ではあると思うんです。うつむいているひとがいたら、見えなくなりかけてる大切なものに光を当てたり。そういう仕事だと思うんですね。だからそこに関してジャンルの違いという意識がないんです。

長久くんの「諦念」のように僕には言語化されたものはまだないけれど、そういう芯のようなものはあります。そういう自分の背骨で物をつくっていかないと本物の表現にはなっていかないのかもしれないですね。

電通デザイントーク「拝啓、コンテンツつくってますか!?(後編)」画像03_髙崎

長久:今回、僕が海外に行って感じたのは、広告会社はコンテンツメーカーとして高いレベルを持つ人が集まっているということです。コンテンツをつくるための投資をすれば、広告とは別の新しい稼ぎ方の軸がもう一本できると思ったんです。

髙崎:映像ビジネスはまだ未開拓な感じがしたんですね。

長久:広告会社の人材は、人を引き付けるための方法を延々と考える修業を積んでいるはずです。だから、映画業界の人が感性でつくるよりも意識的に、見る人の共感を狙っていけるんじゃないでしょうか。

髙崎:優秀な人はどんな職種でもみんな「流れ」をつくろうとしていますね。そういうスキルはシナリオの構築にも似たものがあるかもしれないですね。

長久:何を世の中に投じたいかですよね。僕の場合は、思想的なことを投げ掛けたいから、実は広告ではないのかな、と感じることもあります。

髙崎:2017年のカンヌライオンズはずいぶん思想的というか問題提起なものが多かった気がします。これから長久くん的なスタンスが求められるんじゃないですか。

長久:でも、広告の場合は投げ掛けた先には、「だから、この商品のことを良く思ってね」という目的があります。その感じが、やや違和感があるんです。

尾上:すみません、また聞き入ってました。コトバの山本高史さんが著書で「広告は基本的に善意から成り立つ」と書かれていまして、それが面白いなと。例えば、ペットボトルの水も創業者の思いまで立ち返れば、おいしい水で人の渇きを癒やしたいという純粋な思いから生まれたのかもしれない。そこまでたどれば、長久さんが感じる違和感もなくなるんじゃないですか。とか言ってみたりして。

電通デザイントーク「拝啓、コンテンツつくってますか!?(後編)」画像04_尾上

髙崎:やる気のない仲間を説得してる図になってる(笑)。

長久:そうですね、人の心を動かしてビジネスにしていくことをやってみたいと思っています。高崎さんも、尾上くんも既存のフレームを壊そうとチャレンジしているので、一緒に新しいビジネスを開発していければと思います。今日は、ありがとうございました。

<了>
こちらアドタイでも対談を読めます!
企画プロデュース:電通ライブ クリエーティブユニット第2クリエーティブルーム 金原亜紀

 

もうすぐ10万55歳のデーモン閣下  顔(外壁)の補修工事を受ける

住宅やビル・マンションのトータルリフォームなどを手掛けるオンテックスは8月17日から、全国6地区でマルチタレントのデーモン閣下を起用したテレビCMの放送を開始した。

「長持ち」編では、閣下の顔を家の外壁に見立てて、家を長持ちさせるリフォームを訴求する。足場に囲まれた閣下の顔の周りでは、作業員が外壁リフォームの真っ最中。閣下は「去年は10万54歳、去年の前は10万53歳、来年は…」と年齢を連呼して超長寿をアピール。規格外の年齢と外壁塗装による耐久性を掛けている。

「デザイン」編では、閣下の隣に同デザイン・色の家が出現。閣下と隣家は「誰だ、貴様は!?」「貴様こそ誰だ?」などと言い争いに。閣下が「わが輩と同じデザインでも、貴様はわが輩ではない」とにらみつけても「わが輩はすでにデーモン閣下だと言っても過言ではない」と言い返す始末。さらに反対側には、別の閣下デザインの家が登場。色や形を自由に選べる外壁リフォームをアピールしている。
公式サイト:https://www.ontex.co.jp/